8020ヨーグルトとお口の健康!
お口の中のばい菌・・・とプロバイオティクス
ヒトの口の中(口腔内)には、多種類の微生物、通常700~800種類の微生物が生息しています。これを口腔内微生物叢、またはオーラルフローラ(oral fl ora;口の中のお花畑の意味)と呼びます。口腔内に存在するオーラルフローラは、すべて病原微生物で構成されているわけではありません。確かに、オーラルフローラには、生後6ヶ月くらい、すなわち歯の萌出前後に水平(垂直)感染すると考えられているミュータンス菌や、その他の歯周病原細菌などのような、いわゆる病原微生物とされるものも存在しており、さまざまな口腔疾患や全身への感染などを引き起こすことが知られています。しかしこのような病原微生物以外に、たとえば出生時産道から口腔内保菌されるとされているカンジダなどの日和見菌や、oral commensalと呼ばれるヒトと共生することができる微生物もオーラルフローラを構成しています。お口の中では腸内と同じようにいわゆる悪玉菌と善玉菌が混在して、お互いに縄張り争いをしています。そういうところに善玉菌を入れることでむし歯や歯周病になりにくくできないか・・・そう!お口にもプロバイオティクスを応用できないかといい菌を探すことにしました。
お口の中で菌たちは縄張り争いをしている→善玉菌を増やすことで、悪玉菌を減らそう!
強い善玉菌を探そう!
昔、歯科診療をするため、ある病院に行っていましたが、そこの入院患者さんで十分な歯磨きができていないにもかかわらず、むし歯になったことのない方がおられました。このようにむし歯のないヒトの場合、①唾液の性質が良い、②歯が強い、③むし歯菌がいない、ことが考えられますが、ひょっとするとこのような人の口の中には、むし歯菌に対して抗菌効果の非常に強い乳酸菌がいるのではないかと考え、むし歯になったことのない人から唾液を集めて、そこから乳酸菌を42菌株集めました。その中で歯周病菌、むし歯菌そしてカンジダ菌に高い抗菌性を持ったLactobacillus rhamunosus(L8020 )菌を見つけました。
8020ヨーグルトの効果
このL8020菌を使って作った8020ヨーグルトとプラセボヨーグルト(効果のないヨーグルト)を学生50人で2週間食べてもらい検証した(Randamized clinical trial; ランダム化臨床試験の)結果、口腔内のミュータンス菌は平均83%減少し、代表的な歯周病菌4種類を40~95%減らしました。現在、L8020菌が出す抗菌物質には、歯周病菌の(内)毒素を不活性化する作用があることも分かって来ました!
歯磨きが困難な人や、人よりもむし歯・歯周病になりやすくて困っている人などの一助となればと思っています。ただ、あくまでブラッシングがプラークコントロールの基本ですから忘れないでください!
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