ロイテリ菌(乳酸菌の一種)に虫歯予防効果
広島大学歯学部附属病院の二川浩樹講師のグループが,乳酸菌の一種「ロイテリ菌」に虫歯菌(ストレプトコッカスミュータンス)の発育を阻止し,殺菌効果があることを突き止めました。
これは,産学一体の研究として,全国で唯一,ロイテリ菌入りのヨーグルトを製造しているチチヤス乳業と二川浩樹講師のグループと2年前から研究を行った結果として,6月30日広島国際会議場で開催された第13回老年歯科医学会,市民フォーラムで公表したものです。
ロイテリ菌は,腸内細菌を成長させ,病原性大腸菌O157などの殺菌効果のあることが知られています。二川講師のグループの実験によると,ロイテリ菌と虫歯菌を3対1で混ぜ,試験管で培養すると,虫歯菌の約90%は発育が抑制されました。
培養した虫歯菌に,ロイテリ菌入りヨーグルトと,その他の乳酸菌入りヨーグルト20種類を,それぞれ付着させた場合,ロイテリ菌入りヨーグルトのみに虫歯菌の繁殖を阻止する効果が認められました。(
口腔内カメラ)
さらに,歯学部附属衛生士学校の学生40名の協力を得て実験を行いました。実験では,ロイテリ菌入りヨーグルトと加熱処理により乳酸菌を殺したヨーグルトを,一組20名の学生グループに,1日1回2週間試食してもらい,唾液中の虫歯菌の量を測定しました。さらに,グループを入れ替えて2週間試食後,唾液中の虫歯菌の量を測定しました。その結果,ロイテリ菌入りヨーグルトを食べたグループでは,唾液中の虫歯菌の量が約3分の1から5分の1に減少しました。ロイテリ菌ヨーグルトを食べるのをやめて2週間たっても,なお虫歯菌の量は2分の1から4分の1に減少したままで,残存効果も期待できます。(
スリーウェイシリンジ)
二川講師は「ロイテリ菌の虫歯菌減少効果は,通常の歯ブラシを行っても失われることはないので,食後は,きちんと歯磨きを行ってください。」と話しています。
商品レビュー