高価な歯ブラシは値段に見合う性能があるの?
歯をみがくというシンプルな道具であるにもかかわらず、歯ブラシには多種多様な製品があり、また新製品も次々とリリースされています。これは電動歯ブラシも普通の手みがき用の歯ブラシも同様です。価格も製品によってまちまちで、100円程度で買えるものもあれば、普通の歯ブラシでも1本1000円以上する製品があります。電動動歯ブラシはさらに価格の幅が広く、下は数百円から上は2万円以上するものまであります。果たして、価格が高い歯ブラシは性能もいいのでしょうか?
歯ブラシ本来の機能には大きな差はない
結論から言うと、「歯をみがく」という歯ブラシ本来の機能においては、価格差ほどの違いはありません。特に高価になりがちな電動歯ブラシについては、価格を左右しているのは、歯みがきをサポートする機能やブラッシングのバリエーションといった付加価値です。毛先を歯に当ててみがくのはどんな歯ブラシも同じわけですから、重要なのは価格よりも「自分に合っている」かどうか。新しい歯ブラシを購入する際は、以下のポイントを念頭に置いておくといいでしょう。
ポイント1:毛の硬さ
歯ブラシ選びのポイントの1つは、毛の硬さです。一般に良く見かけるのは「やわらかめ」「ふつう」「かため」の3段階ですが、たいていの人は「ふつう」でOK。しっかりみがいた実感が欲しい人は「かため」でもいいですが、毛が硬いぶんへたるのが早く、寿命が短いというデメリットがあります。「ふつう」でも十分にみがけるので、お勧めは「ふつう」です。一方、「やわらかめ」は歯肉炎で歯みがきすると出血するという人や歯ぐきが弱い人に向いています。毛が軟らかいぶん、汚れを落とすにはしっかりとみがく必要があります。
ポイント2:毛の長さ/細さ/形
次に、毛の長さや細さ、ブラシ全体の形。各社さまざまな工夫を凝らした製品を発売していますが、実はいちばんお勧めなのは、ごく普通の平たく均一に毛が並んだタイプ。毛が縦に3列に並んでおり、普通の細さで長さは10mm以下が標準です。以前は「山切りカット」「毛先が球」「極細毛」といった高機能歯ブラシが出ていましたが、一長一短あるため結局標準的な形がいいという結論になります。例えば山切りカットの場合は、山の幅が個人の歯の幅に合っているわけではないので、むしろ山のてっぺんしか歯に当たらず汚れが落ちにくいと言われています。また、球状の毛先は歯ぐきを傷めると言われていますし、極細毛も先端が細いと歯肉を傷つける可能性があるほか、表面の歯垢を除去するにも細いぶんだけ余計に力が必要になるのです。(
光照射器 歯科)
ポイント3:ハンドルの形
では、歯ブラシの柄(ハンドル)の部分はどうでしょう。持ちやすさを考慮してか、手元に突起のあるものや大きく湾曲させて「口の奥まで磨ける」といううたい文句の製品もありますが、これもそこまで機能上の差はなく、好みの範囲と言えます。ただし持ちやすさの点では、ハンドルは平べったく角ばっているものより丸みを帯びた形状のほうが手にフィットしやすいでしょう。
以上を考え合わせると、高機能をうたう製品をよりもシンプルな歯ブラシのほうが汎用性が高いと言えます。シンプルなほうが価格も安いので、コストパフォーマンスの面でも優れていますね。ちなみに、歯ブラシは毛先が開いて背中から見たときに両側にはみ出して見えたら替え時です。毛先が開いた状態だとうまく歯や歯の隙間に当たらないため、効率が下がるのです。力の入れ方や製品にもよりますが、だいたい1か月に1回が交換の目安です。
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