なんとなく怖い歯周病治療。実際にはどんな処置を施すの?
歯磨きの際に歯ぐきから血が出ることが続くようなら、それは歯周病のサイン。しかし歯科医に行くのは怖くて⋯⋯という人も多いでしょう。歯周病の治療は具体的にどういったことをするのでしょうか? 日本歯周病学会認定医の榎本拓哉先生に聞きました。
軽度〜中等度は歯ぐきまでの処置で済むことが多い
歯肉から血が出るけれども痛みは伴わないような、軽度〜中等度の歯周病の場合、歯ぐきの処置だけで済むことが多いそうです。基本は、とにかく徹底して歯ぐきの中まで入っている歯垢/歯石を取り除くこと。歯石は歯科医でも1時間ほどの処置ですべてを取り除くことは難しいため、1〜2週間おきに2〜4回程度通うことになります。また、歯垢を効果的に取り除くためのブラッシング(歯みがき)指導がなされます。
重度になると被せものや矯正、抜歯も視野に
歯が全体的にグラついている、歯ぐきの高さが著しく下がって歯の埋まっている量が3分の1以下になっているといった重度の歯周病の場合は、抜歯を視野に入れる必要があります。また、歯周病が原因で前歯が出っ張ってきている場合は、口内清掃をしやすくするために歯列矯正を勧めることもあるそうです。なお、歯周病が重度になると歯を支える骨「歯槽骨」が溶けてしまいますが、場所によっては骨をよみがえらせる「再生療法」も可能だと言います。ただし、歯の位置や形状によって治りやすさ、治りにくさがあるため、まずは歯科医の先生に相談しましょう。(
抜歯鉗子)
治療後も半年に1度は定期検診を受けよう
歯科医での治療が終わったからといって、普段の生活で歯垢をそのままにしていれば再び歯周病になってしまいます。再発を防ぐためにも、歯科医で定期的なメンテナンスを受けるのが治療後の大きなポイントです。普段から歯石の基になる歯垢をうまく取り除けるようなブラッシングをしている人なら、3か月〜半年に1度の通院でOK。歯並びが悪く歯垢が溜まりやすい人は、1〜3か月に1度通院するのが理想的です。また、唾液の成分によって歯石がつきやすい・つきにくいといった体質があり、歯石がつきやすい人も1〜3か月に1度の通院が推奨されます。歯周病は、怖いから・面倒だからといって歯科医院に行くのを先延ばしにすると悪化するだけなので、なるべく早く診察を受けたいものです。(
歯科用ミラー)
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