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【歯科医師が教える】入れ歯とインプラントの違い。どっちを選択すべき?
失った歯を補う代表的な治療方法 入れ歯やインプラントはいずれも失った歯を補うための治療法です。 虫歯や歯周病、事故などで歯を失いそのままにしていると、咬み合わせに影響が出てきます。正常な生活を送るためには、入れ歯やインプラントといった方法で、失ったところを何かしらで補わなければなりません。 少ない本数や部位によってはブリッジという被せもので補うこともありますが、ここではよく話題となる入れ歯とインプラントの違いについてお伝えしましょう。 入れ歯とは? 残っている歯に金具を引っかけて、失った部分にプラスチックの歯を入れる方法です。 周りの歯に引っ掛けているため、毎食後取り外して洗い、支えにしている歯もよく磨く必要があります。なお歯をすべて失っても、唾液や吸着力で支えることができるので作成することができます。 インプラントとは? 失った部分の骨に直接芯を打ち、歯の形の被せものをする方法です。 骨に埋まっている芯と組み合わせるため、自分で取り外しをすることはありません。他の歯と同様にしっかり磨き、メンテナンスの際にインプラントの内部を確認します。入れ歯と比較すると他の歯への負担が少なくなります。 インプラントのデメリット 以上のことだけを考えると、インプラントのほうが魅力的に思われるかもしれません。しかし、インプラントには入れ歯に比べて以下デメリットがあります。歯科ユニット 1. 身体への負担 インプラントには外科処置が必要なため、入れ歯の作成に比べ身体への負担が大きくなります。もちろん麻酔は使用しますが、心の準備が必要な人もいるでしょう。また飲んでいる薬や持病によっては受けられない場合もあります。 2. 金額と作成期間 入れ歯は保険が適応されるため、通常1万円前後で作成出来ます。また1~2ヶ月で完成します。(素材や金具を変える場合は自費) 一方インプラントは、メーカーや病院にもよりますが全て自費となるため、1本につき30万円、作成期間は半年から1年ほどかかります。 入れ歯とインプラント、どちらがオススメ? 本物の歯にかなり近い仕上がりや噛み応えを重視する人は、インプラントを選ぶ傾向にあります。 入れ歯は歯茎を模した大きなプラスチックが口に入るため、見た目で他人に気づかれてしまったり、口の中で違和感があり、噛んでいる感じがわかりづらいといいます。 このようにそれぞれにメリット・デメリットがあるため、十分に歯科医師と相談しながら、自分に合った方法を選択するようにしましょう。
自分の歯を残すために…部分入れ歯の正しいケア方法
自分の歯、80歳で何本残せる自信がありますか? 「80 歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という「8020(ハチ・マル・二イ・マル) 運動」が始まったのは1989年。20本以上の歯が残っていれば、かたい食べものでもほぼ満足に噛めることから、この目標が掲げられました。 1999年時点での達成率は約15%。2005年は約25%でしたが、2011年には約37%と、約4割の人が20本以上の自分の歯を残すことができるようになりました(*)。歯科治療や口腔保健の浸透による成果だともいえるでしょう。ただし、社会全体では高齢化が進んでいるため、自分の歯の数(残存歯数)が20本に満たない高齢者の数自体は増えています。 8020」達成者の割合の推移 厚生労働省「e-ヘルスネット」より 平成23年(2011年)歯科疾患実態調査 平成23年(2011年)歯科疾患実態調査 成人の歯の本数は32本(親知らずを含む)ですが、残存歯数は50歳前後から徐々に減り始め、後期高齢者(75歳以上)の残存歯平均値は約13本です歯模型。 あなた自身やパートナー、そしてご両親は何本の自分の歯を残せるでしょうか? 一人あたりの歯の数の平均値(年齢階級にみた一人平均現在歯数) 厚生労働省「e-ヘルスネット」より 平成23年(2011年)歯科疾患実態調査 「部分入れ歯」の正しいケアが、残存歯の保護にも重要 むし歯や歯周病で自分の歯を失うと、「ブリッジ」や「入れ歯」といった義歯を使用することになります。「入れ歯」利用者は40歳代から増え始め、後期高齢者では50%弱が「部分入れ歯」、40%弱が「総入れ歯」利用者です(*)。歯科 口腔内カメラ 残存歯のある「部分入れ歯」の人に知っていただきたいのが「部分入れ歯を正しくケアすることの重要性」です。 「部分入れ歯」をつくった当初はしっかりと歯ぐきに固定できていたものでも、時間が経つにつれて歯ぐきの形状や噛み合わせは変化し、隙間やぐらつきが生じるケースが増えてきます。 安定しない「部分入れ歯」は、食べる・話すといった日常生活に支障をきたすとともに、歯ぐきや残存歯にも悪影響を与えます。隙間に食べ物がはさまり、歯ぐきを傷づけたり、クラスプと呼ばれる固定金具が残存歯とこすれてしまうこともあるのです。 また「部分入れ歯」本体のケアも大切です。「部分入れ歯」にも歯垢(プラーク)や歯石は生じます。虫歯菌や歯周病菌が付着していると、口腔環境に悪影響を与えかねません。「部分入れ歯」を清潔な状態に保ち、しっかりと歯ぐきに固定してあげることが重要です。 そのために大切な、「入れ歯洗浄剤」と「入れ歯安定剤」を使ったケア方法をご紹介しましょう。 【その1】入れ歯洗浄剤は毎日の習慣に! 抗菌・消臭も考えよう 「部分入れ歯」ケアのひとつ目は、洗浄です。 まず、入れ歯を取り外して歯ブラシなどで汚れやプラーク(歯垢)を落としましょう。クラスプや歯間に付いた頑固な汚れを、やわらかめの歯ブラシや入れ歯専用ブラシを使って、ヌルヌルや汚れをきれいに洗い流してください。かたい歯ブラシや歯磨き粉(研磨剤の入っているもの)を使うと入れ歯に傷がつくので、使用を控えたほうが良いでしょう。 次に、専用の入れ歯洗浄剤を使用して、歯ブラシでは落とせなかった目に見えない汚れや雑菌などをしっかり洗い 「そんなに汚れてないから洗浄は3日に一度くらい」という人もいるようですが、自分の歯と同様に入れ歯には虫歯菌や歯周病菌が付着しています。歯みがきを毎日行っているのであれば、それと同じように毎日の洗浄を習慣づけてください。 洗浄剤は、発泡による物理的な洗浄と、薬剤による化学的な洗浄効果が期待できます。さらに、抗菌力と消臭力をもつカテキンと銀イオンを配合した「さわやかコレクトW抗菌」のように、抗菌や消臭成分をプラスした洗浄剤も登場していますので、うまく活用して口腔環境を整えましょう。 【その2】入れ歯安定剤を上手に活用して、気持ちいい食事と会話を!…
今さら聞けない?! 歯を抜いてそのままにしたら…
口の中の歯が修復不可能なほどダメージを負った時には、残念ながら抜かなければなりません。前歯は見た目の問題もありそのままにすることは、あまりないでしょうが、奥歯となるとまだ他の歯で咬めるためか、1本だけ抜いたままにしているケースを時々見かけます。 一見、そのままでも何の支障もないように思いますが、時間の経過と共に後で苦労することもあるのです。抜いてしまった歯をそのままで放置すると何が起こってくるのか、解説したいと思います。 そのままにしておくとトラブルの元に… よくあるのは、歯医者さんが苦手なため、我慢ができないほどの痛みが出るまで虫歯を放っておいて、すでに手遅れになってしまうケースです。 歯を抜いて痛みがなくなったら、「1本無いけどそれほど不都合なく使える。」と考え、それ以後の歯医者さんでの治療がストップしてしまう…というのがもっとも多いようです。 抜いた歯をそのままにすると… 奥歯の1本がなくなるだけでその周りの歯が動きます。 かみ合わせる相手がいない歯が伸びてくる 上下で咬むことができなくなった歯が、抜いて無くなったスペースを埋めるように伸びてきます。ひどくなると上の歯が下の歯の抜いた部分の歯肉にぶつかるまで伸びてくることもあります。 骨も一緒に伸びてくる 歯だけが伸びるのではなく、歯の周りの骨も一緒になって伸びてくるため大きなコブのように歯肉が見えるようになってきます。(歯科矯正器具) 両隣の歯が傾いてしまう。 抜けてしまった歯の周りが動く 時間が経つとどんどん動いてブリッジなども作れなくなることもあります 両隣の歯が、歯のなくなったスペースに倒れるように傾いてきます。 ブリッジを作りにくくなる 歯を抜いて何年も経過してから、歯の抜いた部分に「ブリッジ」を作ろうとしても、スペースが無くなりきれいに作れなくなります。 他の歯も傷みやすくなる 歯が1本少なくなれば、その分、他の歯に余分な力がかかり、傷みやすくなります。 抜いた部分をそのままにすると、時間の経過と共に治すことが困難になってきます。まれにそのままでも問題ないこともありますが、できれば歯医者さんに行って確認することをお勧めします。 抜いた後の治し方は… 基本的な治療の方法は、大きく分けて次の3つです。 ブリッジ 一般的にもっとも良く使われるのが、このブリッジです。抜いた部分の前と後ろの歯の形を削って修正して、3本の歯を一つの塊で作ることによって歯の形を元に戻します。奥歯では金属色のみ健康保険の適応内となります。 入れ歯 外れると飲み込んでしまう恐れがあるため、あまり作られませんが、1本だけ入れ歯も作る事はできます。健康保険の適応内です。 インプラント 手前の歯と奥の歯を両方とも削ることなく抜いた部分のみ治療可能です。骨に直接チタンの根を埋め込んでその上に歯を作ります。健康保険の適応がありませんので自費治療となります。(口腔外科用マイクロモーター) どの方法を選択するかは、それぞれにメリットやデメリットがあるので、実際に治療する医院で納得するまで説明をしてもらうことをお勧めします。