キシリトール配合虫歯予防ガムって本当に効果あるの?
虫歯を予防できるとしてキシリトール配合のガムが数多く売られていますが、本当にうたわれている効果はあるのでしょうか? 専門家に聞いてみました。 <キシリトールとは?> キシリトールは野菜や果物から得られる自然甘味料。数ある甘味料の中でも特に歯にやさしいとして知られています。多くのカロリーフリーの甘味量とは異なり、キシリトールはカロリーがありますが、普通の白砂糖と比べるとそのカロリー量は約40%と少ないです。 <虫歯予防の効果は?> 過去のいくつもの研究でも、キシリトールの虫歯予防効果は科学的に実証されています。興味深いことは、同じスプーンを使って食事したり、キスなどから親の持つ虫歯菌が子供に移ってしまうのですが、親がキシリトールガムを日常的に噛んでいると、子供が虫歯になるリスクまで減少するということ。(超音波クリーナー) <キリシトールによる虫歯予防の仕組み> 虫歯菌であるミュータンス菌は、糖類を餌として増殖していくが、キシリトールはこの餌とならないためミュータンス菌は死に絶えてしまう。 餌がないミュータンス菌は、歯を溶かす酸を作り出さない。ガムを噛むことによりだ液の量が増える。だ液には酸をなくす治癒力がある上、口中のバクテリアを洗い流す洗浄効果もある。 <市販キリシトールガムの落とし穴> キシリトール自体は非常に虫歯予防効果が高いもの。しかし、重要なのは、このキシリトールの含有率。キシリトール自体は高価なためメーカーでは含有量を減らしたいと考え、少量でも入っていれば「キシリトール配合」と謳えるのでマーケティング上都合が良いのです。 ガムに含まれるキシリトール含有量が90%以上でなければ、本来の虫歯予防効果は十分発揮できないと言われています。市販のガムではだいたい70から30%が主流のようです。ちなみに、歯科医専売品は100%です。(高圧蒸気滅菌器) ただ、キシリトールをいくら噛んでも、できてしまった虫歯は治りませんので歯医者さんへ行きましょう!
歯科医が教える。冷たい水が歯にしみるときはどうする?
原因不明の歯の痛みが続くと、「知覚過敏では!?」と言われますが、ストレスが痛みを増すこともあるとか。知覚過敏とは何なのか、どうして起こるのか、自分で予防する方法などについて、歯学博士で口腔衛生外科が専門の江上歯科(大阪市北区)・江上一郎院長にお尋ねします。 ■歯の象牙質が露出すると痛みが出る 筆者は歯の痛みに敏感で、自分を「痛がり」だと思っています。それを知覚過敏と呼ぶと思い込んでいましたが、江上先生は次のように否定します。 「知覚過敏とは、歯科用語では『象牙質(ぞうげしつ)知覚過敏』と言い、歯の表層のエナメル質の内側の象牙質(ぞうげしつ)と呼ばれる、軟らかい部分の露出が原因で起こる疾患です。『痛がる人』を指すのではありません。 歯のエナメル質には神経が通っていないので、ここだけが傷ついても痛みはありません。が、象牙質には象牙細管という神経があり、ここに刺激があると痛みや違和感が起こります。これが象牙質知覚過敏で、一般に知覚過敏と呼ばれています」 歯の疾患の一つなのですね。具体的な症状としては、 「むし歯ではないのに、歯が痛む状態です。特に、水やビールなど冷たいドリンクがしみる、デザートを食べたらジーンと痛む、つまようじや歯ブラシ、また、風があたるとビリッと痛むなどです」(江上先生) 次に江上先生は、「象牙質の露出の原因は、大きく3つ挙げられます」と指摘します。 1.過剰なブラッシング 歯磨きのとき、力を入れすぎる、雑に横磨きをする、毛先が硬い歯ブラシで磨く回数が多いなど。歯の表面のエナメル質を削り取って、歯ぐきが退縮する(下がること)原因になります。 2.歯周病 歯周組織が炎症を起こし、歯ぐきが退縮することがあります。 3.歯ぎしり 睡眠中の歯ぎしりや、頻繁に歯を噛(か)みしめていると、エナメル質がはがれることがあります。 ■ストレスがあると、さらに痛みに敏感になる 「ストレスがあると、知覚過敏がより進みます」と江上先生は注意を促します。 「人間はストレスがあると神経が興奮状態になって、痛みに反応しやすくなることが分かっています。刺激の度合いが低くても痛くなるということです。 睡眠不足や心身の疲労が強いと、痛み具合は刺激によって、ひりひり、きりきり、じーん、ずきずき、全体が浮くなどさまざまですが、痛む時間も痛みの度合いも増してきます」(江上先生)(超音波スケーラー 家庭用) 筆者も、徹夜明けには歯全体が浮いて違和感がある、歯磨きをすると歯ぐきが痛むなど、思い当たります。自分で予防する方法について、江上先生はこうアドバイスをします。 「まずは、鏡で歯ぐきが退縮していないかをよく確認してください。隣り合う歯の根元に隙間ができると要注意です。そして、丁寧にやさしくブラッシングをすることが大切です。特に、歯と歯ぐきの境目の歯垢(しこう。プラーク)を除去して、歯の根元が露出するのを防ぎましょう。エナメル質は軟らかいものです。汚れているからと力任せに磨くとはがれやすくなります。 また、睡眠を十分にとるなど、ストレスをためない生活習慣を心がけることです。 知覚過敏は神経の病気だと自覚してください。歯周病や歯肉炎があれば早めに受診し、また、歯ぎしりがひどい場合は歯科医院でマウスピースによる治療を受けましょう」(歯科診療ユニット) 知覚過敏の症状が進むと、冷たい水がしみるだけではなく、歯が痛んで水も飲めない、強烈な痛みがおさまらないようになるのだとか。「このごろよく歯がしみるなあ」と思ったときは早めに歯科に相談し、また、ストレスがたまっていないか、疲れていないかを見つめる機会ととらえましょう。
医師役が似合いそうな俳優は?
医療ドラマといえば、高視聴率を獲得できる番組として鉄板中の鉄板。これまでさまざまなヒット作が話題になりましたが、今回はみなさんに医師役が似合いそうな俳優は誰か、あらためて聞いてみました。 1位:大沢たかお 2位:福山雅治 3位:坂口憲二 4位:櫻井翔 5位:向井理 ランキングをもっと見る 1位に選ばれたのは《大沢たかお》。現代の医師役を演じた彼が江戸時代にタイムスリップして奮闘するドラマ『日曜劇場 JIN-仁-』は、全シリーズを通して高い人気を誇りました。2015年にはさだまさし原作の公開予定映画『風に立つライオン』で、アフリカで医療に携わる青年医師役を演じることが決まっています。何事にも真摯に取り組み、誠実な人柄が顔に表れている《大沢たかお》だからこそ、医師役がしっくりはまるのかもしれませんね。2位は《福山雅治》。これまで『ひとつ屋根の下』で医師役を、『パーフェクトラブ!』で歯科医を演じていますが、おなじみの当たり役『ガリレオ』シリーズでもいつも白衣姿なので、医師役には違和感がありませんね。3位は人気シリーズ『医龍』が3年ぶりにシーズン4を迎えた《坂口憲二》。シーズン3でいったんシリーズ完結が決まっていたものの、番組制作者が「日本の医療が世界進出を迎えた今なら、新たな『医龍』が作れる」と確信して、復活が決まったそうです。(歯科医療機器) 白衣が似合いそうな俳優がズラリと並びましたが、実際に自分が診察室に入って彼らがいたら、恥ずかしくて症状の説明もできないかもしれません。カッコイイ医者は、TVで楽しむくらいがちょうどいいのかもしれませんね。(高速ハンドピース)
歯に悪い5つの習慣「なるべく食事の間隔を3時間以上あける」
「人間は20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言います。いつまでもおいしいものを食べ続けるためには、満1歳ごろからの毎日のケアが重要です」と話すのは、江上歯科(大阪市北区)の江上一郎院長。 歯にとって良くない習慣について詳しいお話を伺いました。 ■初期むし歯は、だ液によって約3時間で修復できる 1.歯を磨かずに寝るのはNG 江上先生 歯磨きをせずに寝ると、糖分や、口内の酸素で甘味に変化する食べ残し(食物残渣・しょくもつざんさ)が歯に付いたままになります。 むし歯菌は、食べ物の糖分を栄養にして、歯の表面にネバネバした物質をつくります。そのネバネバの中にむし歯菌や歯周病菌などの細菌が住みつき、どんどん増えていきます。これが歯垢(しこう。プラーク)です。 歯垢の中のむし歯菌は、食べ物の糖質を材料に酸をつくり、次第に歯の表面のエナメル質を溶かし始めます。むし歯の始まりです。 ここで注目してほしいのが、むし歯に対抗する力を持つだ液です。だ液は細菌の働きを抑える力や、口の中の酸を中和してむし歯を修復する力を持っています。 睡眠中はだ液の分泌量が格段に落ちるため、むし歯や口臭の原因が発生しがちになります。ですから、寝る前にはきちんと歯を磨いて、口の中の糖分を完全に除去しておきましょう。むし歯対策には、毎食後の歯磨きよりも就寝前の歯磨きこそが重要です。 2.間食はミニむし歯を大きくするからNG 江上先生 食後には、歯の表面に残っている食物や糖分が、プラークの細菌によって酸となり、歯の表面がわずかに溶け出して、目に見えない初期むし歯が発生しやすくなります。 通常、初期むし歯の穴は、だ液の働きで、3時間もあればミネラル(リン酸カルシウムなど)が再沈着することで修復されます。これを、歯の「再石灰化」と呼びますが、甘いものを間食すると、その修復が間に合わずに、むし歯がじりじりと拡大していきます。 これがそのうち目に見える大きさに成長し、本格的なむし歯になるのです。(高圧蒸気滅菌器歯科滅菌機器) 初期むし歯を防ぐためには、なるべく食事の間隔を3時間以上あけるようにしましょう。 3.喫煙は口の乾燥をまねくからNG 江上先生 たばこに含まれるニコチンは血管を収縮させることはよく知られていますが、口の中にも悪影響を与えることが分かっています。 たばこを吸うと、歯ぐきや骨の血管が縮んで血液の供給が減少します。また、だ液の出る量が減り、細菌と戦う大切な役割がある白血球の機能が50%も減って、歯周組織を細菌から守る力が弱まります。さらに、治療した箇所を回復させる細胞の能力にも悪影響を与えます。 つまり、喫煙すると歯周組織の抵抗力が著しく減少して、治療しても治りにくくなるわけです。それに、喫煙者はだ液量が減ることで、歯石が歯ぐきの溝である歯周ポケットに付着しやすくなります。メラニン産生細胞を刺激して歯ぐきの色が黒ずみ、口が乾燥して口臭の原因にもなります。 4.スポーツドリンクは歯にとってはNG 江上先生 スポーツドリンクを飲んで長時間のスポーツをすると、ミネラルなどの栄養源は体内に吸収されます。ですが、口の中にはドリンクの糖分が残っています。時間がたてばだ液で流されますが、のどが渇いたらまた飲むということを繰り返しているうちに、糖が歯に付いてむし歯を産み出すことになります。 スポーツドリンクやジュースを飲んだあとは、必ず「水」で口の中の糖分を流すように習慣付けてください。 5.食後の歯磨き剤はNG 江上先生 毎食後に、発泡剤のたっぷり入った市販の歯磨き剤を使って歯磨きをすると、口の粘膜が荒れ、だ液分泌も減って、「口の酸性化」を促します。酸性に傾くと、間食したままの口のように、ミニむし歯ができやすくなります。 「せっかく一生懸命磨いているのに、なぜむし歯が?」と思われることでしょう。食後はだ液がいっぱい出てきているのに、歯磨き剤を使うとこのだ液の分泌が弱まります。つまようじのように、食べ残しを取り除くためだけの歯磨きのほうがむし歯対策に有効です。 マイ歯磨きセットを持参し、オフィスでランチ後歯磨きを励行していた筆者としては、がく然とする事実でした。すべてにおいて、だ液の分泌を促す習慣が必要だということが分かりました。(家庭用蒸留水器)
歯科業界の活性化・・・
おはようございます。 前にも書きましたが、歯科の世界 はアイデア商品が、あまり誕生 しません。一般のものに比べ 売れる数が非常に限られている ことも理由の一つですが、 他の理由として、面倒なことや しんどいことは、何も改善せずに スタッフにしわ寄せがいっている ということも関係しているようです。 歯科医だけでなく、スタッフ そして患者さんも楽をできる ように色々考えていけば、 もっと面白く役に立つアイデア商品 が次々に誕生するような気が します。そうすれば、低迷する 歯科業界も少しは活性化するはず です。(タービンハンドピース) それを応援する会社が、どんどん 出てきてほしいですね。 安さ競争からは安物しか生まれ ません。
歯科医が教える「歯磨き粉を選ぶポイント」とは?
こんにちは!歯科医師の中嶋麻優子です。 みなさんは、ハミガキ粉を選ぶとき、何を基準に選んでいますか? たくさんあって何を選べばよいか分からない方も多いのではないでしょうか。 今回は意外と知らない「ハミガキ粉を選ぶ時のポイント」について詳しくお話ししていきたいと思います。 1.ハミガキ粉の主な成分 ハミガキ粉に含まれる主な成分には次のようなものがあります。 ○湿潤剤 適度な湿り気を与える。グリセリン、ソルビトールなど。 ○清掃剤 歯の表面を傷つけずに汚れを落とす。無水ケイ酸、炭酸カルシウムなど。 ○発泡剤 泡立たせることでお口の中にハミガキ粉を拡散させ、汚れを除去する。ラウリル硫酸ナトリウムなど。 ○香味剤 爽快感を与える。サッカリンナトリウム、メントール、ミントなど。 ○粘結剤 成分が分離しないように適度な粘り気を与える。カルボキシルメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンなど。 ○薬用成分 個別の疾患を予防する。薬用成分が配合されているハミガキ粉は医薬部外品扱いになる。 薬用成分はたくさんあるので、詳しくは次の章で説明していきたいと思います。 2.薬用成分にはどのようなものがあるの? 医薬部外品のハミガキ粉には、歯肉炎や歯周病、虫歯、知覚過敏など、それぞれの疾患の予防に効果的な成分が配合されているので、目的に合ったハミガキ粉を選ぶようにしてください。 まず、歯肉炎、歯周病の予防として配合されているのはβーグリチルレチン酸、酢酸トコフェロール、サリチル酸メチル、塩化ナトリウム、イソプロピルメチルフェノールなどです。 歯肉炎は、歯周病になる前の「歯茎が腫れてしまっている状態」のことをさすので、歯肉炎予防のハミガキ粉を使って、歯茎を優しくマッサージしながら磨いてあげることで、症状をやわらげることができます。なお、出血が見られる場合にはトラネキサム酸が含まれるハミガキ粉を使用することをオススメします。 また虫歯予防としては、フッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムなどの成分が配合されています。 これらの成分はいわゆる「フッ素」といわれるもので、虫歯予防だけでなく歯の再石灰化を促す作用もあります。市販のハミガキ粉の90%に配合されているので、みなさんが使っている歯磨き粉にも含まれているのではないでしょうか。 (超音波クリーナー) そして、知覚過敏の予防のためには、乳酸アルミニウムや硝酸カリウムが配合されているハミガキ粉がオススメです。 これらの成分が象牙細管を封鎖し、刺激の伝達を遮断してくれるんです。 さらに、プラークの分解にはデキストラナーゼ、歯石沈着の防止にはポリリン酸ナトリウムが効果的です。 3.薬用成分の効果を十分に発揮させるためには?…
歯科医が教える「電動歯ブラシの選び方・使い方」
最近、CMや電気屋さんなどで電動歯ブラシをよく見かけませんか? 種類も豊富で、1000円代~20000円代までと価格帯もバラバラ。 「いったいどれを選んでいいのか分からない」 「買ってみたものの正しい使い方が分からない」 といった悩みを抱えている方も多いと思います。 実際、私自身、患者さまから電動歯ブラシの質問をうけることも多いです。 ということで、今回は電動歯ブラシについてお話ししたいと思います! 1.電動歯ブラシの種類 大きく分けて、振動タイプ、音波タイプ、超音波タイプの3つがあります。 振動タイプは電気で振動するもの。音波タイプは音波で高速振動するもの。音波タイプは、振動タイプよりも高速振動するのでプラークを除去する効果は高いですが、振動が大きい分、手で固定するのが難しいので、使いこなせるようになるまでに時間がかかります。 超音波タイプは超音波を使ってプラークの付着力を弱めることができます。ただし、歯ブラシ自体は振動しないため、手用歯ブラシと同じように、自分の手を動かして磨く必要があります。 ちなみに、1番ポピュラーなのは、音波タイプです。 2.電動歯ブラシの正しい使い方 まずは歯ブラシを歯にきちんと当てることが大切なので、しっかり握ってください。 歯に当てる時はとにかく優しく、ゆっくり丁寧に、全ての部位に当てるようにしてください。目安としては一部位7秒くらいが目安と言われています。 歯と歯茎の間は毛先が入りやすいように45度にあて、前歯の裏側はタテに当てると上手く磨けますよ。 3.電動歯ブラシの特徴 さて、ここで、電動歯ブラシの特徴を挙げてみたいと思います。 ・2~3分で済むので手磨きよりも早い ・価格が高い ・当てるだけでいいので力がいらない ・重いので上手く歯ブラシを固定しづらい。間違った当て方をしてしまうと歯茎を傷つけてしまうことがある ・強く当てすぎると知覚過敏を起こしてしまうことがある せっかく電動歯ブラシを使うなら、しっかりと特徴を理解し、最大限に活かしていきたいものですね。(口腔洗浄器) 4.電動歯ブラシの選び方 外国製よりも日本人向けに作られた日本のメーカーの製品を選ぶことをオススメします。 さらに、替えブラシは消耗品のため、なるべく手に入りやすい、メジャーなメーカーの製品を選ぶことをオススメします。 またなるべく軽くてスリムで持ちやすく、ヘッドが小さいものを選ぶようにしましょう。軽い方が固定しやすいので、当てたい部分に的確に当てることができ、また、ヘッドが小さい方が奥までしっかり届くためです。 そして、清潔に保てるよう、本体ごと丸洗い出来る耐水性のあるものだと、さらにいいと思います。 さいごに…
歯列矯正中の食事への影響
歯列矯正治療を考えている方にとって、矯正中の「食事」は大きな懸念事項の一つなのではないでしょうか。治療開始後に「知らなかった」とショックを受けないように、食事への影響についてあらかじめ学んでおきましょう。 歯列矯正治療を考えている方にとって、矯正中の「食事」は大きな懸念事項の一つなのではないでしょうか。治療開始後に「知らなかった」とショックを受けないように、食事への影響についてあらかじめ学んでおきましょう。 そこで今回は、青山通り表参道歯科クリニックの大多良俊光院長にお伺いしたお話をもとに、歯列矯正中の食事への影響についての情報をお届けいたします。 矯正中に避けるべき食べ物 矯正中となると様々な食事を制限しなければならないと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。矯正器具はデリケートなので、固い食べ物を食べてしまうと、外れてしまうことがあります。また餅などの粘性の強いものは器具にくっついた後に器具が外れたり壊れたりする原因になる場合があるのでできるだけ避けるべきでしょう。(口腔内カメラ) また、色素の強いものも控えてください。ワイヤー矯正においては、歯を酸処理して矯正器具を装着するのでその部分が一時的に弱くなります。そしてそこには着色がしみ込む可能性があるので赤ワイン、お茶、カレー、キムチなどは食べることができません。 食事後のケア 矯正中は普段以上のケアが必要です。取り外せないタイプの矯正は、特に汚れのつきやすいブラケットの部分を念入りに磨きましょう。歯ブラシは細かいところも磨けるようにヘッドの小さめのものを選ぶとよいでしょう。特に子供の舌側矯正の場合、磨き残しを避けるためにも大人の方がしっかりとケアしてあげましょう。 取り外し可能な矯正の場合は、専用の洗浄液をつかって装置を清潔に保ちましょう。口腔内の装置設置箇所には汚れがたまりやすいので、そこも意識して磨いてください。歯磨きの後にマウスウォッシュを行ったり、フッ素入りの歯磨き剤で歯をコーティングすると良いでしょう。(超音波クリーナー) 今回紹介した矯正中の食事に関しては、個人差があるので合わないと思った食材は口に入れないようにしてください。矯正期間中は基本的に何でも食べても良いのですが、あまりにも固い物などは避けた方が良いでしょう。最終的には個人の判断次第ですので、矯正中は後悔しない食事選びを心がけましょう。
歯を白く見せる方法とは?意外と知らない事実
こんにちは!歯科医の中嶋麻優子です。 みなさんは、自分の歯茎が黒ずんでいたり、汚いと感じたことはありませんか? ホワイトニングやセラミック治療で白い歯を手に入れたとしても、歯茎が黒いだけで台無し。 白い歯と同じで、ピンク色の歯茎も相手に清潔感を与えてくれます。 ということで、今回は歯茎の黒ずみについてお話していきたいと思います。 1.黒い歯茎の印象は? 歯茎の色って、自分では気にならないかもしれませんが、笑った時に見えたりするので、意外と他人から見られているものなんです! どんなに綺麗にお化粧していても、笑った時に黒い歯茎が見えた瞬間、全てが台無し。 黒い歯茎は清潔感に欠けるだけでなく、不健康に見えてしまい、さらに老けてみえてしまうんです。 2.歯茎の黒ずみの原因は? 歯茎の黒ずみの主な原因として、あげられるのは4つです。 ・メラニン色素の沈着 ・喫煙 ・金属による色素沈着 ・歯垢や歯石の沈着 では、それぞれの詳しいメカニズムについてお話ししていきましょう。 3.歯茎の黒ずみのメカニズムについて 〇メラニン色素の沈着 お肌でいう日焼けのようなもので、歯茎が、紫外線や喫煙、歯周病などの刺激を受けることで生じます。 〇喫煙 煙草に含まれるタールが歯茎に付着し、染み込んでしまうことで起こります。さらにニコチンと一酸化炭素が歯茎の血流障害を起こすので、歯茎の細胞の新生(新たに生まれること)が遅れ、赤黒くなってしまうそうです。(超音波スケーラー) 〇金属による色素沈着 いわゆるメタルタトゥーと言われるもので、金属を使っている差し歯の周りだけが黒ずんでいるのが特徴です。 〇歯垢や歯石の沈着 歯垢が固まると歯石となり、歯石を放置しておくと歯周病になってしまいます。そして、歯周病になると歯茎がだんだん黒ずんできてしまうんです。 また、歯茎の中の歯の根っこにたまる歯石は「縁下歯石」といいます。 この縁下歯石は、通常黒い色をしているので、歯茎が黒ずんで見えてしまうんです。 4.対策について まずは原因を取り除くことが大切です。治療した歯に金属が使われているのであれば、金属を使わないオールセラミックに変えることをオススメします。そうすることで歯茎の色は自然に戻っていきます。 また、血行不良が原因であれば、歯ブラシでブラッシングする際に、優しくマッサージするよう心がけてみてください。喫煙も血行不良の原因となりますので、この際、禁煙してみてもいいと思います。そうすることで、歯茎の色が蘇ってきます。(歯科診療ユニット)…
美しい口元に!歯科医が教える「歯磨き粉を選ぶポイント」とは?
こんにちは!歯科医師の中嶋麻優子です。 みなさんは、ハミガキ粉を選ぶとき、何を基準に選んでいますか? たくさんあって何を選べばよいか分からない方も多いのではないでしょうか。 今回は意外と知らない「ハミガキ粉を選ぶ時のポイント」について詳しくお話ししていきたいと思います。 1.ハミガキ粉の主な成分 ハミガキ粉に含まれる主な成分には次のようなものがあります。 ○湿潤剤 適度な湿り気を与える。グリセリン、ソルビトールなど。 ○清掃剤 歯の表面を傷つけずに汚れを落とす。無水ケイ酸、炭酸カルシウムなど。 ○発泡剤 泡立たせることでお口の中にハミガキ粉を拡散させ、汚れを除去する。ラウリル硫酸ナトリウムなど。 ○香味剤 爽快感を与える。サッカリンナトリウム、メントール、ミントなど。 ○粘結剤 成分が分離しないように適度な粘り気を与える。カルボキシルメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンなど。 ○薬用成分 個別の疾患を予防する。薬用成分が配合されているハミガキ粉は医薬部外品扱いになる。 薬用成分はたくさんあるので、詳しくは次の章で説明していきたいと思います。 2.薬用成分にはどのようなものがあるの? 医薬部外品のハミガキ粉には、歯肉炎や歯周病、虫歯、知覚過敏など、それぞれの疾患の予防に効果的な成分が配合されているので、目的に合ったハミガキ粉を選ぶようにしてください。 まず、歯肉炎、歯周病の予防として配合されているのはβーグリチルレチン酸、酢酸トコフェロール、サリチル酸メチル、塩化ナトリウム、イソプロピルメチルフェノールなどです。 歯肉炎は、歯周病になる前の「歯茎が腫れてしまっている状態」のことをさすので、歯肉炎予防のハミガキ粉を使って、歯茎を優しくマッサージしながら磨いてあげることで、症状をやわらげることができます。なお、出血が見られる場合にはトラネキサム酸が含まれるハミガキ粉を使用することをオススメします。 また虫歯予防としては、フッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムなどの成分が配合されています。 これらの成分はいわゆる「フッ素」といわれるもので、虫歯予防だけでなく歯の再石灰化を促す作用もあります。市販のハミガキ粉の90%に配合されているので、みなさんが使っている歯磨き粉にも含まれているのではないでしょうか。 そして、知覚過敏の予防のためには、乳酸アルミニウムや硝酸カリウムが配合されているハミガキ粉がオススメです。 これらの成分が象牙細管を封鎖し、刺激の伝達を遮断してくれるんです。 (ルートキャナルメーター) さらに、プラークの分解にはデキストラナーゼ、歯石沈着の防止にはポリリン酸ナトリウムが効果的です。 3.薬用成分の効果を十分に発揮させるためには?…