歯ぐきからの出血は全身の健康が損なわれていく危険信号

歯ぐきからの出血、誰でも体験したことがあると思います。一時的な出血はそれほど問題ないことが多いですが、頻繁に出血する場合は要注意です。なぜならこの出血は全身の健康状態がまさに損なわれていっているシグナルである可能性が高いからです。 歯ぐきの出血はほとんどが歯周病 歯ぐきの出血を起こす原因としてはほとんどの場合が歯周病だと言われています。 歯周病は歯肉炎と歯周炎に分けられます。 歯肉炎:歯ぐきだけの炎症にとどまっている状態で、子供でも歯磨きを怠ると多くがかかる可能性があります。 歯周炎:感染が進み、歯を支えている骨まで溶けてきている状態。進行すると歯を失う原因となります。 また、次のものも歯周病の範疇に入ります。 ・大きく穴のあいた虫歯や、大きく開いた歯と歯の間に物が詰まることによる歯ぐきの炎症 ・ぴったりと合っていない詰め物やかぶせ物が引き起こす歯ぐきの炎症 →歯ぐきの位置まで及ぶ詰め物やかぶせ物に段差があったりすると、そこが不潔な状態となり、歯ぐきの炎症を常に起こすことになります。 ・妊娠性歯肉炎 ・親知らずの歯ぐきの炎症 歯ブラシを24時間しないと、またはしていてもきちんと汚れが取れていない場所がある場合、細菌が歯垢を作り出し、歯ぐきの炎症を引き起こし出血しやすくなります。 歯周病は歯を失う危険性があるばかりでなく、心臓病や糖尿病、脳梗塞、誤嚥性肺炎、早産・低体重児出産、腎炎、メタボリックシンドロームなど多くの全身疾患を引き起こすことが分かっています。 また、とくに歯周病を起こしていない歯ぐきでも次の場合には出血することがあります。 ■強すぎる、または硬すぎる歯ブラシによるブラッシング 歯ぐきの炎症がない場合でも、あまりに硬いブラシや強すぎる力でブラッシングすれば 出血します。また、間違ったフロスや歯間ブラシの使い方でも出血します。 ■抜歯後数日間の出血 抜歯後数日は、一度血が止まったと思っても再出血してくる場合があります。 歯ぐきの出血が重大な病気のサインである場合も それほど多くはありませんが、重大な全身疾患の一症状として歯ぐきの出血が起こる場合があります。その場合は他の症状も併発することがほとんどです。歯科用エアーコンプレッサー ①白血病 血液のガンです。 歯ぐきの腫れもなく、歯をきれいに磨いているのにもかかわらず血が止まらない、鼻血やアザが良くできるなどの症状がでます。他には、高熱、倦怠感、リンパ節の腫れなどの症状も出ます。 ②血友病 血液を凝固させる成分が生まれつき欠損、または低下する病気で、歯ぐき、鼻からの出血が症状としてよく見られます。 ③血小板減少性紫斑病 血液の成分の一つ、血小板が減少することによる為に起こります。歯ぐき、鼻の出血、手足にあざができやすいなどの症状が出ます。 ④再生不良性貧血…
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歯周病で脱落した歯はどんな義歯で補える?

もしもあなたが歯を失ったら義歯に頼ることになる 歯周病の怖さは何と言っても、進行しきってしまうと根っこからポロっと歯が取れてしまうということです。 一度抜け落ちた歯は二度と元には戻らないし、永久歯であれば二度と生えてくることはありません。歯が抜け落ちると、食べ物を噛めなくなる上に噛み合わせが悪くなって体の調子まで悪くなってしまうのです。 歯周病で歯が抜け落ちてしまったら、義歯で失った歯を補う必要が出てくるのです。 天然自前の歯を補う人工の義歯 入れ歯や差し歯などの義歯は、失った歯の代わりになるもので見た目を決定する審美性や、歯としての機能を果たす実用性を持っています。 昔は動物や人間の歯を持ってきて義歯にしていたため、歯科医療機器唾液で溶けてしまうので消耗品になっていたといわれています。 現在の義歯は身体に負担の少ない金属である金や銀、チタン、強度の高いセラミック、人工樹脂などが使われています。 義歯を入れるとどんなメリットがある? あれこれ健康には気を使うけれども、歯には無頓着という人も結構少なからずいるものです。そういう人は義歯が必要な状態になっても気にしないものですが、抜けた歯を補うために義歯を入れることには多くのメリットがあります。 見た目が良くなる 歯が一本抜けた状態でニッと笑うと、歯列にぽっかりと穴が開いたようになってなんとも見栄えの悪いものです。一本だけならまだしも、二本三本と穴が増えていくとこれはもう漫画のような見栄えになってしまい、みっともなくなってしまうのです。 義歯を入れて失った歯を補うことで、歯列の穴が消えてニッと笑った時の見栄えが良くなり、表情も出しやすくなるのです。 食事が楽しくなる 歯の最大の役割は食事の際に食べ物を細かく噛み砕いて消化しやすくすること、そして食べ物の歯ごたえを感じることです。 食べ物の美味しさは歯に伝わる歯ごたえ・噛みごたえ、そして噛むごとにはっきりしてくる味わいがあって感じられるものです。歯を何本か失っていると噛みにくくなり、食事を美味しく楽しむことが難しくなってしまいます。 義歯を入れていれば、自前の歯があった時と同じように噛めるので、食事も自前の歯のように楽しめるのです。 噛み合わせが良くなる 歯の噛み合わせは、私たちが思っている以上に身体に大きな影響を与えているものです。我慢したり力を出したりする時に「歯を食いしばる」というように、歯を噛み締めることは身体全体に力を通すことに繋がります。 そして、噛み合わせが悪くなればその分だけ体の力の入り方に歪みが生じ、肩こり・腰痛・頭痛などの原因になってしまうのです。 そうならないためにも義歯で歯を補い、かみ合わせを可能な限り補正することはとても重要なのです。 義歯にはどんなものがある? もしもあなたが歯磨きをサボって、虫歯にはならなかったものの歯周病を発症してしまい、歯磨きをしっかりやるようになったものの時すでに遅し。せっかくの自前の歯がボロボロと歯周病で抜け落ちてしまう事態になった時、どのような義歯を入れるべきなのでしょうか。 ブリッジ 抜けた歯の左右にある歯が健康だった場合は、「ブリッジ」と呼ばれる義歯を入れて補うことになります。 ブリッジは「橋」という名の通り、左右両側の歯を使って義歯を付ける方法で、見た目的にも機能的にも十分なものとなります。しかし、左右の歯を削ってブリッジを接続しなければならないこと、両側の歯への負担が大きいことなど、デメリットも多いのが難点です。 有床義歯(入れ歯) 一般に「入れ歯」と言われる有床義歯は、人工歯と歯茎を覆う床、現存する歯にひっかけるクラスプなどで構成されています。一部または全部の歯が失われている場合、有床義歯を使って補うことになります。 有床義歯は歯並びそのものを再現できるため、非常に自然な形で審美性と機能性を両立できますが、歯茎と床の間に隙間が出来てしまい、噛んでいる最中にグラついたり隙間に食べカスが入り込んでしまったり、歯茎で食べ物の温度を感じ取れなくなるので料理の美味しさが半減するといったデメリットがあります。 デンタルインプラント…
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歯は鉄よりもずっと硬い?虫歯にならないための歯の基礎知識

物の硬さを量る単位として、硬さを10段階で表した「モース硬度※」というものがあります。人間の歯をモース硬度で表すと「7」で、これは水晶とほぼ同じ硬さです。 ※ひっかいたときの傷の付きにくさ 身近な物のモース硬度 モース硬度1:チョーク モース硬度2:岩塩、純金 モース硬度3:珊瑚 モース硬度4:鉄、真珠 モース硬度5:ガラス モース硬度6:オパール モース硬度7:人間の歯(エナメル質)、水晶 モース硬度8:エメラルド モース硬度9:ルビー、サファイヤ モース硬度10:ダイヤモンド 硬いものとして連想しやすい”鉄”のモース硬度が「4」ですので、いかに歯が硬くて傷が付きにくいのかがわかりますね。 正確にいうと、人間の歯の表面を覆っている「エナメル質」が硬く、人間の身体の中で一番硬い組織といわれています。 この「エナメル質]」の内側には、「象牙質]」があります。そして象牙質の内側には「歯髄]」と呼ばれる神経や血管の多く通ったやわらかい組織があり、硬いエナメル質が神経や血管のある歯の内部を保護する構造になっています。 この一見頑丈そうな歯のエナメル質ですが、実はとても弱いものがあります。それは、歯に穴を開けてしまう「虫歯」です。 歯垢の中にいる虫歯菌(ミュータンス菌)は、私たちが食べたり飲んだりしてお口に入った糖分を利用して「酸」をつくり、エナメル質を溶かします。(脱灰[だっかい]といいます)歯科用高圧蒸気滅菌器 この脱灰が続くと、どんどん歯が溶けて穴が広がってしまい、虫歯は歯の内部にある象牙質、そして神経がある歯髄まで破壊してしまうので、場合によっては、歯を抜かなければいけなくなります。 歯はお手入れが大事 鉄が水や酸素にさらされると錆びてもろくなるのと同じように、人間の歯(エナメル質)も、しっかり手入れをしないと虫歯によって簡単に穴が開いてしまいます。 日ごろからしっかりとした手入れをし、健康な歯で快適な食生活を送りましょう!
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ワインを飲んだ直後は歯磨きやめよう、ワインの酸が歯の「天敵」、数分でエナメル質を弱く

ワインに含まれる酸が歯の表面になるエナメル質にとって「天敵」になると分かった。 数分で歯を弱くする可能性。歯磨きは避けた方が良さそうだ。 ワイン試飲のプロが危ない!歯科ホワイトニング機器 オーストラリア、アデレード大学歯学部の研究グループが、歯科の専門誌であるオーストラリアン・デンタル・ジャーナル誌で2015年3月24日に報告した。 研究グループは、ワインテイスター(ワインを試飲して味を確かめる人)のようにワインを短時間口に含んで、それを複数回繰り返してもらう実験を行った。ワインに含まれる酸にさらされると、どのような影響がでてくるか歯の変化を調べた。 10回の試飲でエナメル質が軟質化 その結果、ワインの1分の試飲を10回繰り返しただけで一般的に酸に弱いとされる歯のエナメル質が軟らかくなると分かった。「酸蝕(さんしょく)と呼ばれる現象が起こったもの。影響を受けた歯はワインに含まれる酸に数分だけさらされただけですり減りやすくなってしまった。 「1日に20回から150回はワインの味見をするプロのワインテイスターやワイン製造担当者、ワインの品評会の評価者など、口腔衛生にとって大きなリスク」と研究グループは指摘する。 ミネラル補給を 試飲する前に、カルシウムをはじめ、ミネラルを補給するのが良いようだ。試飲後は歯が軟らかくなっている可能性があり、水で口をゆすぎ、歯磨きをする際には、練り歯磨き粉を指に乗せて指で歯を磨くのが必要という。 軟らかくなっている歯のブラッシングはエナメル質を損傷する恐れがあると注意を促す。 注意したいところだ。
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焼いて治療!口内炎の症状と対策のポイント

はじめに 著者は歯で口の中を噛んでしまった時に口内炎ができることが良くありますが、だいたい数日から1週間で徐々に良くなります。 けれど歯の治療中に、歯の詰め物が出来上がるまでの間に削った歯の尖った部分が当たってできた口内炎は、しばらく歯の尖った部分が当たり続けたため悪化してしまい、なかなか治りませんでした。 経験したことのある口内炎の症状 現在40代女性の著者は3年前、歯の治療中に口内炎ができました。 以前治療した右上奥歯に詰めてあった物が外れてしまい、歯医者に行きました。前回治療してから年数が経っていたため、さらに削り直し、詰め物の型をとって仮の詰め物をしてもらいました。本物の詰め物が出来上がるまでに10日以上かかるとのことで、次回の予約をとって帰宅しました。 仮の詰め物が柔らかかったためか、すぐにずれてきて、削った歯の尖った部分が口の中に当たるようになり口内炎ができてしまいました。通常の口内炎なら数日から1週間のうちに徐々に良くなるのですが、同じ位置に歯の尖った部分が当たり続けていたので、口内炎も化膿したように大きくなっていきました。 口を動かすだけでも痛いので、食事もあまり噛まなくていい豆腐のようなものばかり食べていました。 医師の診断とその後の症状 『焼く』という治療 口内炎が痛いと思いながらも、次の歯医者の予約まで、歯医者へも他の病院へも行きませんでした。それまで口内炎で病院へ行ったことがなかったからです。 予約の日に歯医者へ行くと、先生もびっくりして「口内炎を焼いておきますね」と『焼く』治療をした後、塗り薬も出してくれました。 その後 『焼く』というのがどんな治療か詳しい説明はありませんでしたが、その日に本物の詰め物が入ったため、歯の尖った部分がなくなったので、数日のうちに口内炎は治りました。光重合器 塗り薬は嫌な味がしたので一度しか塗りませんでした。 おわりに それまで、口内炎を焼いて治療したり塗る薬があると知らなかったので、我慢していたことを後悔しました。 また、仮の詰め物の不具合も我慢しないで受診すべきだったと思いました。 一般的な良くかかる病気でも、程度がいつもと違う場合は我慢しないで受診すべきだと思った体験でした。
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若くして歯が抜けてしまうのはなぜ? めざせ!「8020(ハチマルニイマル)」

8020(ハチマルニイマル)運動をご存じでしょうか。厚生労働省と日本歯科医師会が、平成元年から推進している、「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。 20本以上の歯があれば、食生活に支障がなく、ほぼ満足することができると言われる、健康寿命の基本です。 ぜひ、8020を目指したいものですが、実際には、大人の虫歯は多いのです。しかも悪いことに、大人の虫歯は痛みがない間に進行しています。油断できない大人の虫歯。どうしてこんなことが起きるのでしょうか。 やっかいな大人の虫歯 虫歯は、細菌が糖を利用して酸を作り、歯質が軟らかくし歯を溶かして崩壊させていく病気です。痛みが出て食事が取れなくなったり、睡眠を妨げたりします。原因はプラーク(歯垢)で、プラークは細菌の塊です。 大人になると、虫歯で痛みが起こる経験はあまりありません。ですから、大人になると虫歯が減ると思っている人もいます。でも、大人でも虫歯になります。それも、やっかいなことに自覚症状がないままに進行してしまいまうのです。口腔内カメラ 通常、虫歯ができると、歯神経が刺激されて痛みを感ずるのですが、大人の虫歯は、神経を防御する新たな象牙質ができてしまい、痛みが神経に届かないまま、虫歯が進行している状態になっています。 大人の虫歯ができやすい部位は、歯茎が下がってきてエナメル質で覆われていない、歯の付け根部分です。 1本抜けると、次々と抜ける! 1本の虫歯から、次々と歯が抜けていってしまう場合があります。歯が1本抜けてしまうと、それを支えていた骨が溶けて無くなり、抜けた場所の周囲の歯も、ぐらついてしまって、次々と抜けてしまうからです。 2月11日(水)放送の『ためしてガッテン』では、まだ52歳なのに総入れ歯の方が紹介されていました。30歳で奥歯が1本抜けてから、毎年1本ペースで歯が抜けていき、総入れ歯になってしまったそうです。 上の歯が抜けると、対になっている下の歯は、スペースを埋めようと伸びてきます。さらに、周囲の歯も空いたスペースに向かって傾いて、歯並びが悪くなります。このように、かみ合わせが悪くなると、虫歯や歯周病を起こす環境になり、歯が抜けていくのです。 半年に一回歯の定期健診と、毎日セルフケア 歯が抜けないようにするためにも、半年に1回、歯医者さんへ行って健診してもらいましょう。また、1本抜けた場合、それを放置せず、すぐに処置してもらうこと。 さらに、自分で歯をみてセルフチェックをすることも大事です。虫歯になると歯の色が変わります。黒くくすんできます。 毎日の歯磨きも重要です。やり方は強く磨かないこと。鉛筆を持つように歯ブラシを持ち、歯の根元に歯ブラシを当てて、歯茎が白くならない程度の強さで、ソフトに磨きます。 入れ歯の場合 自分ではキチンと合っていて問題ないと思っていても、入れ歯がすり減っていて、歯肉に負担がかかり、ブヨブヨになっていることがあります。 安定剤をつけないと外れてしまう場合は、そもそもサイズが合っていない可能性があります。また、同じ入れ歯を長期間使用していると、ずれたり歯茎がやせてきたりします。 入れ歯の人でも、半年に1度は歯医者さんに行って、正しい噛み合わせになるようにメンテナンスしてもらう必要があります。
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歯根の膿/根尖病巣(こんせんびょうそう)の8つの症状と治療法

虫歯をそのままにしたり、根の治療がうまくいかないとできるのが根尖病巣です。根尖病巣は症状がなく進行することが多く、急に歯茎が腫れたり、痛みが出たりする病気です。しかし、実は根尖病巣は歯だけでなく、副鼻腔や顎の骨、手足にも症状が出ることがあるのです。今回は根尖病巣で起こる8つの症状と治療法をお伝えします。ぜひ参考にしてください。 1.歯の根尖病巣(こんせんびょうそう)とは 歯の根の先にできる膿の袋のことです。歯の神経が死んでしまうと、神経が腐って細菌が増えます。硬い歯に囲まれているため自然に治ることができず、根の先から細菌や毒素を骨の中に出します。この細菌や毒素によって骨が溶かされ、根の先に膿の袋ができた状態を根尖病巣と言います。また、歯根嚢胞(しこんのうほう)と呼ばれることもあります。 2.根尖病巣の症状 2−1.症状もなく知らぬ間にできることが多い 根尖病巣の多くは症状がなく、徐々に大きくなります。歯医者でレントゲンを撮った時に指摘されることも多い病気です。レントゲンを撮影した時、根の先に丸く黒い部分が見えると根尖病巣の可能性があります。 2−2.歯茎におできのような膿の出る穴ができることがある 根尖病巣の中の膿が溜まると、歯茎に白いおできのような穴を作って膿を出します。このおできのようなものは出来たり、治ったりを繰り返します。痛みや腫れは出ないことが多いですが、口臭や口の中のネバネバ感があります。詳しくは「歯茎にできた白いできものの正体と治療法」を参考にしてください。 2−3.噛むと痛い 根尖病巣がある歯で噛むと違和感や痛みを感じることがあります。歯の根の周りには噛んだ時に硬いものや軟らかいものなどを判断する歯根膜(しこんまく)というものがあります。根尖病巣によって歯根膜に炎症が移ると噛んだ時に痛みとして感じます。 2−4.急に歯茎が腫れる 根尖病巣は急に腫れを伴うことがあります。体の抵抗力が低下した時に腫れが強くなります。根尖病巣による腫れは顔の形が変わるくらい大きく腫れたり、口が開かなくなることもあります。詳しくは「歯茎が腫れた時、自宅でできる応急処置と治療法」を参考にしてください。 2−5.歯の周りの骨が溶かされ歯が揺れる 根尖病巣によって歯の周りの骨が溶かされ、歯がグラグラしてくることがあります。歯は歯の周りの骨によって支えられています。根尖病巣が大きくなると歯を支えている骨が溶かされ、歯が揺れてきます。また、より大きくなると周りの歯まで揺れてくることがあります。 2−6.上顎の根尖病巣は副鼻腔炎の原因になる 上顎の奥歯の根の先は副鼻腔の近くにあります。根尖病巣が大きくなると副鼻腔に入り、細菌が感染して副鼻腔炎になります。副鼻腔炎になると歯の痛みや頭痛、口臭、鼻づまりなどが起こります。詳しくは「歯性上顎洞炎になる7つの原因と治療法/激痛や頭痛も引き起こす」を参考にしてください。 2−7.下顎の根尖病巣は骨髄炎になる 下顎の根尖病巣が大きくなると骨髄に細菌が感染し、骨髄炎になることがあります。通常は体の免疫細胞などが骨髄まで細菌が侵入しないように防御しています。体の抵抗力が下がった時や根尖病巣があまりにも大きくなってしまった場合は骨髄炎になることがあります。骨髄炎になると入院し、点滴で抗生物質を体に入れる必要があります。 2−8.手足に湿疹が出ることもある 根尖病巣にある細菌は血液を介して全身に回ります。根尖病巣内にある細菌がアレルギー物質となり、手足に湿疹ができる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)になることがあります。掌蹠膿疱症は金属アレルギーによってもなることがあります。 3.根尖病巣の治療法 3−1.歯の根の治療の根管治療(こんかんちりょう)をする 根尖病巣の治療には初めに歯の根の治療である根管治療を行います。神経が死んでしまった歯の根の中には、血液が流れていないために体が自然に細菌を取り除くことが出来ません。感染してしまった神経の繊維や歯の一部を削り取って、再び細菌が感染しないように薬を詰めます。詳しくは「歯の寿命はこれで決まる!歯の根の治療の根管治療と全情報を大公開」を参考にしてください 3−2.根の先を切断する歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ) 歯の根の中は複雑で根管治療では治らないことがあります。根管治療で治らない根尖病巣は歯茎の方から切って、外科的に根尖病巣を取り出す歯根端切除術を行います。歯根端切除術は根尖病巣の切除、根の先の一部の切除、根の先に蓋をする3つの処置を行います。詳しくは「歯根端切除術/根の治療では治らない膿の袋を取り除く」を参考にしてください。根管治療機器 3−3.歯根端切除術+歯の再植術 歯根端切除術は前歯や上顎など骨が薄い部分でしか出来ません。下の奥歯は骨が厚く、歯茎から根尖病巣を取り除くことができないために、根尖病巣がある歯を1度抜歯し、根尖病巣を取り除き、戻す再植術を行います。 4.根尖病巣の原因 4−1.虫歯が進行すると根尖病巣ができる 虫歯が進行すると歯がしみたり、痛みが出たりします。その症状は一旦収まります。その後神経があった管を通り、細菌が歯の根の周りの骨を溶かし、根尖病巣ができます。…
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「デンタルフロス」が歯肉の出血防止に効果

デンタルフロスとは、日本語で言うと、歯間ブラシ。日常的に使っている人には朗報だ。歯肉の出血予防に効果的だという研究結果が出てきた。 岡山大学の研究グループが、2014年8月号の歯科系の国際誌ジャーナル・オブ・クリニカル・ペリオドンドロジーで報告したものだ。歯科医療機器 研究グループは大学入学前と卒業前の大学生およそ200人強を対象として、口腔衛生行動およびBMIの増加と検査の際の出血割合、歯周状態を調べた。 検査の際の出血の割合は、デンタルフロスの非使用で増えており、危険度は使わない場合に3倍高いと分かった。歯周病はBMIが高いと問題となる傾向が見られた。
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歯の土台が溶ける!歯周病を進行させるNG生活習慣

「きれいな歯」「健康な歯」の大切さはわかっていても、歯医者さんって痛いし怖いしで、虫歯でもない限りなかなか行く気になりませんよね。 でも、ちょっと待ってください。虫歯がなくても歯周病になることはありますし、口の中の状態が悪いと、さまざまな病気を引き起こしてしまうかもしれません。 『先生、歯がキレイだと人生もうまくいくのですか?』(カナリアコミュニケーションズ/刊)は定期的に歯科で口内のケアをしないことのリスクや、ケアをすることで得られるメリットについて、横浜で「デンタルライフクリニック」を運営する磯部知巳さんが教えてくれる一冊。 「歯を健康に保つ」メリットは過小評価されがちですが、実際には歯がきれいになることで周囲の人に与える印象は大きく変わり、仕事や恋愛など、その効果は計りしれません。 磯部さんによると、歯の健康は人生の充実度と大きく関係するのだとか。一体どういうことなのでしょうか? ――磯部さんの新刊に『先生、歯がキレイだと人生もうまくいくのですか?』ついてお話を伺えればと思います。本の中で書かれているように、私たちは虫歯などがないとなかなか歯医者さんに行きません。結果、知らない間に歯周病が進行してしまうということが出てきます。そこでお聞きしたいのが、虫歯などの治療がなくても定期的に歯科にかかるという場合、どれくらいの頻度が望ましいのかということです。 磯部:理想をいえば「月に一度」くらいの頻度が望ましいです。自分自身ではブラッシングできない箇所というのが口の中には必ずあって、どうしてもそこに汚れが溜まってしまいます。それを歯科でチェックしてもらうということですね。 ただ、「月に一度」というのは実際にはなかなか難しいでしょうから、三カ月に一度くらいは歯科にかかられるといいでしょう。超音波クリーナー ――歯周病のリスクはかねてから指摘されていますが、その原因として歯磨き以外のところではどんなものが挙げられますか? 磯部:生活習慣の乱れでしょうね。歯周病は通常、40代以上の方の生活習慣病の一つとして位置づけられていますが、まれに20代、30代の若い方でもものすごく歯周病が進んでしまって、歯がぐらついたり、歯を支えている土台が溶けてしまう人がいます。 たとえば食生活が乱れている方ですとか、徹夜が多い方、接待などでお酒を飲む機会が多い方というのは、特に気をつけた方がいいですね。歯茎の腫れや化膿、出血といった症状があるのであれば早めに歯科にかかることをおすすめします。 ――今おっしゃった若い方の歯周病ですが、こまめに歯磨きをしていてもなってしまうものなのでしょうか。 磯部:若い方の中では、歯磨きをしているかどうかということよりも、その人の特性によるところが大きいです。 身長や体型が人によって違うように、もともと口の中の細菌が多い人がいらっしゃいます。これは3歳くらいまでの間に親御さんからもらうことが多くて、たとえば口移しで食事を与えることで口の中の細菌まで子どもに移ることもあります。 ――なかなか歯科にかかる気にならない理由の一つに「痛い・怖い」という歯科に対するイメージがあります。最近の歯科治療は痛くない方向に変わってきているというお話も聞きますが、このあたりについてはいかがですか? 磯部:痛みというのは緊張度と関連が強くて、歯科治療で痛みが強い方というのは、緊張している方が多いんです。その緊張を取ることで痛みを和らげるという方法が普及してきています。 これは「鎮静法」というのですが、主に二つありまして、患者さんに気持ちをリラックスさせるガスを吸ってもらう「笑気ガス鎮静法」と、同じ効果がある薬を点滴で体内に入れる「静脈内鎮静法」があります。 それと、今は麻酔に使われる針がどんどん細くなってきてるので、刺す時の痛みはかなり出にくくなってきていると思います。 ――歯科治療で「詰め物」として使われる銀歯で金属アレルギーの症状が出てしまうことがあるというのは盲点でした。患者さんの中には、アレルギーの症状が出ているのに、それと気づかない人が多いかもしれませんね。 磯部:私の世代の人が子どもの頃に、「アマルガム」という水銀を使った合金がよく詰め物として使われていたのですが、この物質へのアレルギーで体に発疹ができたり、ひどい場合には呼吸困難になったりといったケースが出たことがありました。 それと、歯にかぶせる「銀歯」にしても、金や銀、パラジウム、ニッケル、クロムなど、さまざまな金属が使われています。それらが唾液に溶け出したり、歯茎に染み込んだりします。体内に吸収され、他の臓器に蓄積してアレルギー症状を起こすことがあります。 内臓に取り込まれた場合は分かりにくいのですが、歯茎に溶け出した金属が付着したケースは見た目にあらわれることが多いです。歯茎が銀歯の周りだけ赤くなったり、逆に灰色っぽく変色したり、爛れたりした場合、アレルギー症状かもしれません。 ――「詰め物」だけでなく、インプラントにも金属が使われていますよね。 磯部:インプラントに使われるのはチタンで、チタンはアレルギーを起こしにくいと言われています。 ただ、それでもアレルギーになる可能性がまったくないわけではないですし、できる限り体の中に金属は入れない方がいいですね。今のチタンのインプラントは、「噛む」ということに関してはかなりパフォーマンスが高いのですが、体にもっと優しい方法をということを望むであれば「ジルコニアインプラント」という、セラミックのインプラントが良いと思います。体に優しいということで、ご要望に応じて、私はこちらを積極的に使うようにしています。 ――また、本書の中には口の中に溶け出した金属が体内に取り込まれてしまうことで起こりうるリスクとして内臓系の疾患を挙げています。特に怖いのが癌なのですが、こちらも「数としては少ないが可能性としてはありうる」という認識でいいのでしょうか。 磯部:よく知られていますけども、癌というのは元々は遺伝子のコピーのエラーで起こります。 遺伝子が細胞分裂を起こす時、本来ならば正常な遺伝子がコピーされて増えるわけですけども、まれに異常なコピーができてしまうと。これが癌になります。こういった「コピーのエラー」が起こる過程に金属が関わっている可能性がある、というように理解していただけたらいいと思います。 もう一つ、遺伝子のコピーの異常の原因になるとされているのが「慢性刺激」です。 口の中に金属が入っていると、ガルバニー電流という電流が流れて歯茎を刺激します。この刺激は金属を取り出さない限りずっと続く「慢性刺激」です。これによって遺伝子のコピーにエラーが出てしまうということも可能性として考えられます。…
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これで安心!子どもに「過剰歯」があるとわかったときの対処法

「過剰歯があるので、手術しましょう」突然そう言われたら、びっくりして戸惑ってしまいますよね。まだ小さい子どもが、手術なんてして大丈夫なのか……と、親ならなおさら心配してしまうかもしれません。 もしかしたら、いてもたってもいられずに検索した末に、このページに飛んできたという人もいるのではないでしょうか?ここでは「過剰歯」と診断されたときの基礎知識と対処法について、歯科医師の先生方にご説明いただきました。 「過剰歯」って何? 「過剰歯(かじょうし)」とは、正常な本数を越えて通常生える本数よりも多く存在する歯のことを言います。正常な歯の数は、乳歯が20本、永久歯は親知らずを含めて32本と決まっていますが、それを越えた余分な歯が「過剰歯」になります。歯科機器通販 過剰歯ができるのは、歯のもとの状態である「歯胚(しはい)」が過剰に作られてしまったり、2つに分かれてしまうことが原因で、20~30人にひとりの割合で「過剰歯」があるといわれ、それほど珍しいことではありません。 発生しやすい箇所は、「前歯の真ん中(正中部)」。その多くは完全に生えてくることはなく、骨のなかにとどまっている状態です。 「過剰歯」の発見はレントゲン 骨のなかに留まっていることの多い「過剰歯」は、歯医者さんでレントゲン撮影をしたときに発見されることが多いそう。また、永久歯が生えそろう際に歯と歯の間に異常な隙間ができると、過剰歯の存在を疑うようです。 「過剰歯」って抜かなくてもいいの? 現代は昔の人に比べて柔らかい物を食べることが多いため、あごの骨が小さくなってきています。そのため「過剰歯」が生えることで歯の並ぶスペースがなくなり、歯並びが悪くなったり、生えるべき永久歯が生えてこられないこともあります。 抜いたほうがいい「過剰歯」 「過剰歯」があると、歯並びが悪くなったり、生えるべき歯が生えてこられなくなる可能性があります。また、周囲からばい菌が入って「嚢胞(のうほう)」という膿の袋を形成する原因になる恐れも。よって、基本的に歯科医師は「抜歯」をオススメします。 抜かなくてもいい「過剰歯」 深く埋まっていて周囲の歯にほとんど影響がなさそうな場合、ほかの歯と同じように生えているときは、抜かずに経過観察をすることがあります。これも歯科医師がレントゲン等を見てきちんと判断してくれるようです。 「過剰歯」はいつ抜けばいい? 「過剰歯」は、前歯が生え変わる6~8歳頃に発見されることが多いです。発見されたら早めの「抜歯」がオススメです。ある程度永久歯が生えてしまうと、歯並びは改善できないこともあり、矯正治療が必要となります。早い時期に抜歯をしておくことで、歯並びは自然に良くなっていくこともあるそう。 また、大人になってからの「抜歯」は、過剰歯が骨の奥に入り込んでしまったり、骨が硬くなってしまっていたりと、手術の負担が大きくなることもあります。早めに抜歯しておきましょう。 早期に「抜歯」をしたい一方で… ただし、就学前の子どもだと「抜歯」そのものが難しいケースも。永久歯が生えきっていない間に抜歯をしてしまうことで永久歯の根の先を傷つけてしまう可能性もあります。 そのため、埋まっている深さや永久歯の位置関係を判断して抜歯の時期を決めていきます。 「過剰歯」の手術ってどうやるの? どんな手術をするの? まっすぐに生えている過剰歯は、普通の抜歯と変わりません。一方で、骨のなかに埋まっている過剰歯の場合は、歯肉を切開し、周囲の骨を削って抜歯をする手術をすることもあります。 埋まっている過剰歯の向きや、周囲の永久歯との位置関係をX線やCTを使って把握し、骨を削る場所や取り出す方向を考えます。 どんな麻酔を使うの? 過剰歯の位置によって部分的な「局所麻酔」、もしくは「全身麻酔」をかけます。患者さんは小さな子どもがほとんど。歯の場所によって歯茎を大きく切開したり、骨を削ることもあるため、恐怖心を取り除くためにも全身麻酔を行うこともあります。 手術時間ってどれくらい? 手術時間は医師によって異なりますが、だいたい数十分~2時間程度。過剰歯の埋まり具合や根っこの形状、周りの歯との位置関係によっても手術の難易度は変わってきます。 費用は保険に準じますが、麻酔の種類や入院をするかどうかによって金額に開きがあります。数千円で済む場合もあれば、数万円かかることもあると考えてください。 術後の経過はどうなるの?…
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