歯科医が教える。歯ぎしりのクセ、何がどう悪い?

友人と旅行に出掛け、歯ぎしりを指摘された……という悩みはけっこう深刻です。なぜ歯ぎしりをしてしまうのでしょうか。予防することはできるのでしょうか。 歯学博士で口腔(こうくう)衛生・口腔外科がご専門の江上歯科(大阪市北区)院長・江上一郎先生にお話を伺いました。 ■音がする歯ぎしりは、体に悪影響はない 歯ぎしりは歯や歯茎にとってよくないというイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。江上先生は、 「歯ぎしりは、歯のこすり方によって3つの種類に分けられています。そのうち大きな音がする歯ぎしりは、実は、ストレス解消になる行いであって、心配することはありません。 猫がつめを立てて壁や家具をがりがりこすったり、犬が骨をかじるのがストレス解消の行為だと言われているのと同じことです。 この場合、歯どうしの超音波スケーラー 家庭用当たる面が 、平らで丸くすり減った形のため、上下の歯が接してもスムーズに動かすことができ、歯・歯周・顎(あご)に負担がかかりません。 ただし、かなりの音がしますので、人の安眠妨害など迷惑になるのがつらいところですが、周囲の人もあまり気にしないほうがよいでしょう」と話します。 続いて、「歯ぎしりの3つの種類」について、次のように説明します。 1)歯をこする動作。グライディング、という。キリキリ、ギシギシという音がする。睡眠中に無意識に行う。一般的に、歯ぎしりというとこの動作を指すことがある。 2)上下の歯を、カチカチとかみあわせる動作。タッピングという。 3)歯を強く食いしばる動作。クレンチングという。睡眠中だけではなく、起きているときにも無意識に行っていることが多い。 ■体に悪いのは、「歯を食いしばる」こと 「3つのうち、体に悪影響を及ぼすのは、3のクレンチング、『食いしばり』です。誰でも、緊張したとき、悔しいとき、ストレスがあるときなど、ぎゅーっと歯を食いしばることがありますが、これは歯と歯が直接かみ合い、ロックした状態です。その状態が常時ある、睡眠中に食いしばる時間が長いときは、過大な力が歯やあごにかかり、多くの症状を引き起こします。 例えば、歯周病を悪化させる、かみあわせがずれていく、冷たい水がしみるなどの知覚過敏、唾液(だえき)が出にくくなって口臭につながる、肩こりがひどい、腰が痛む、耳鳴りがする、目がひどく疲れるなどさまざまですが、このごろ多いのは、あごの関節がずれて痛む顎(がく)関節症です。この症状を訴えて来院される人はとても増えています」(江上先生) 食いしばりの原因について、江上先生は、 「『歯を食いしばってがんばる』とか『奥歯をかみしめる』という言葉があるように、食いしばりやかみしめは、奥歯からあご、首にかけて極度に力が入っている状態で、緊張やストレス、それに、幼いころからの癖と考えられます。 通常は、上下の歯が接触する時間は、食事を含めても1日のうちに15~20分程度です。それ以外の時間は、上下の歯には数ミリ程度のすき間ができているんです。これを『安静位空隙(あんせいいくうげき)』と呼びますが、歯ぎしり、食いしばり、かみしめに思いあたるときは、日ごろから自分で、このすき間ができているかどうかを意識してください」 と、まずは「歯のすき間」について自覚することを勧めます。 予防する方法について江上先生は、次のようにアドバイスをします。 「歯科医での治療は、『ファセットと呼ばれる歯の摩耗部分を削る、軽く研磨して症状を緩和する』、『治療した歯の詰め物を調整してかみあわせを改善する』、『ナイトガードというマウスピースを装着して歯の周囲にかかる力を軽減する』、『筋肉マッサージの指導』などです。 また、自分では、睡眠中は予防が難しいため、『日中にストレス解消を心がける』、『緊張したまま眠らない』ことを前提として、『舌を上あごの歯の付け根あたりに付け、唇を閉じる。上下の歯は合わせない』、『あご、口のまわり、ほおの力を抜く』、『食いしばりに気付いたら、ふーっと息を吐いて肩の力を抜き、深呼吸をする』ようにしましょう。 重い荷物を運ぶ、スポーツをするときなどにも、かみしめには注意してください」 ありがとうございました。 隣で音を立てて歯ぎしりをする人がいれば、ストレスを解消しているんだなと思ってそっとしておくこと、また、食いしばり、かみしめこそが体に悪影響があるということが分かりました。できるだけ「食いしばらないと意識をする」ことから始めてみましょう。
Continue Reading

歯科医に聞く。「歯科恐怖症」とは?

「子どものころに歯医者で痛い思いをしてから、歯医者が怖くてなかなか治療に行けない」。そんなトラウマを抱える人が増えていると言います。歯学博士で江上歯科(大阪市北区)院長の江上一郎先生にお話を伺いました。 ■治療中に大出血、邪険に扱われた…… ――大人になっても、怖くて歯医者に行けない人が増えているというのは本当でしょうか。 江上先生 はい、とても増えています。原因の多くは、歯医者での経験に由来するようです。20代、30代の患者さんの例を紹介しますと、歯科機器通販 「子どものときに、泣いたからか頭を押さえつけられ、ぎんぎん削られた音と痛みの恐怖を忘れられない」(31歳/男性/公務員)、 「詰め物がのどに落ちたのに気付かれず、息を詰めて怖い思いをしたのに謝罪もなかった。それ以来、口を開けることができない」(36歳/女性/自営)、 「歯を削る機械で舌を切られ、大出血して救急車で運ばれたショックをひきずっている」(26歳/女性/大学院生)、 「虫歯の治療中、看護師さんが扱う器具が歯ぐきにあたって出血しているのに、『あなたの歯ぐきの形が悪い』と医師に言われた。別の歯医者で治療しようとしても吐いてしまう」(28歳/男性/会社員) など、主に治療中の事故、激痛、出血などの経験と、歯科医に邪険に扱われたと感じたことによる心因があります。 これらのトラウマで長い間歯医者に行くことができず、虫歯を放置したまま悪化し、重症の虫歯が10本もあった患者さんもいらっしゃいます。 この症状を「歯科恐怖症」と言います。また、治療中に、貧血や吐き気などの発作的な症状を起こすことを「デンタルショック」と呼んでいます。 ■子どもや高齢者に対応している歯科医を探す ――「歯科恐怖症に対応していて、通いやすい歯科医」は、どのように探せばよいのでしょうか。 江上先生 専門的に治療する機関として、「心療歯科」や「口腔(こうくう)心療科」があります。患者さんの心理状態を見つめながら診察していく科で、最近、注目されています。インターネットなどで情報を得てください。ただ、大学病院や総合病院に多く、全国のどこにでもあるというわけではないのが現状です。 ――近所で歯科医院を探す方法はありますか。 江上先生 勇気を出して、必ずあらかじめ、「歯科恐怖症の症状があるが、対応してもらえるかどうか」と問い合わせをしてください。初めての治療の際には、過去の経緯について相談に乗ってくれるか、配慮してくれそうかを確認し、また、「どのように治療していくのか」を尋ねてください。 次に、訪問して、自分に合う歯科医がいるか、クリニックの雰囲気はどうかを観察するようにしましょう。歯科医との相性は自分でしか確かめられないものです。 また、「子どもや高齢者の歯科診療に積極的な歯科医院」を探すのも一つの方法です。ホームページやタウンページ(電話帳)で、その特徴を打ち出している歯科医院を当たりましょう。 子どもや高齢者の診療に慣れている医師なら、対応も治療法もソフトだと予想できます。 ただ、自分が思うような治療が受けられない場合もあるので、治療を開始するまでに、よく話を聞くようにしましょう。 ――どのような治療になるのでしょうか。 江上先生 ゆっくり少しずつ、話をしながら、無理のない範囲でリラックスをしていただきながら治療を進めますので、時間と通院の回数がかかることがあります。また、症状によりますが、できるだけ緊張をほぐすために、深呼吸やストレッチ、マッサージなどを含めて治療することもあります。 最終的には、歯の治療はもちろんですが、「心理的に、今後の歯の治療に自信を持っていただく」ということを目的とします。 ――ありがとうございました。 歯は頭や耳に近いこともあって、歯科恐怖症ではなくても、あのギンギン削る音、痛みはつらい記憶として残るでしょう。その心理を理解してくれる医師に出会いたいものです。
Continue Reading

歯科医に聞く。親知らずは、抜く? 抜かない?

一番奥の歯がずきずきする……親知らずがうずいている、抜かなくてはならないのでは! でも、抜歯のシーンを想像しただけで頭がクラクラします。一体、親知らずを抜く、抜かないはどのようにして判断すればいいのでしょうか。 歯学博士で口腔(こうくう)衛生・口腔外科が専門の江上歯科院長・江上一郎先生に、お話を伺いました。 ■大人になって生えるから「親知らず」と呼ぶ ――親知らずとは、一番奥に生えてくる歯のことですよね? 江上先生 そうです。人間の歯は、上下に左右7本ずつ、合計28本生えるのですが、思春期以降に、一番奥に1本ずつ、「8番目の歯」が生えてきます。これが「親知らず」と呼ばれる歯です。 「親知らず」と呼ばれるのは、だいたい、15歳~25歳ぐらいの間に生えるので、親が、その歯を見ることがないからでしょう。 ――「親知らずは抜いたほうがいい」とよく言われますが、本当ですか? 江上先生 親知らずといえども、普通の歯のようにまっすぐきちんと生えていて、虫歯や歯ぐきのトラブルがなければ抜く必要はありません。8番目の歯としての役割を果たしてくれるとありがたい存在になりますね。 ただ、そのように正常に生える親知らずは少なく、虫歯になったりと口腔(こうくう)内外にいろいろなトラブルを引き起こすほうが多いのです。どんなトラブルにしろ、放っておくと悪化するばかりですから、後々のことを考えて抜いたほうがよいでしょう。歯科用エアーコンプレッサー ■親知らずとほかの歯がおしくらまんじゅうをする ――親知らずにはどんなトラブルが多いのでしょうか。 江上先生 一番多いのは、親知らずが虫歯になることです。隣の歯と接触する部分から虫歯が広がることはよくあります。 次によくあるのは、親知らずが歯ぐきにすっぽり埋まっている、歯ぐきから少しだけ頭を出しているなどが原因で、歯ぐきが炎症を起こすことです。いずれもずきずき痛む、歯の周囲が腫れるなどの症状があります。 また、親知らずは一番あごに近い場所にあるので、あごに負担がかかって肩こりや頭痛、顎(がく)関節症の症状が出ることもあります。 ――治療では治らないのでしょうか。 江上先生 単純に虫歯だけの場合は治療できます。しかし、トラブルを起こすのはたいてい、生え方がゆがんでいるからか、歯ぐきのなかに埋もれているからです。それらの場合は治療や投薬で一時的には痛みがとれても、再び同じトラブルを起こす可能性は非常に高いんです。 それを避けるために、最初にトラブルがあったときに抜いたほうが賢明だと判断します。いずれにしろ、医師は必ずレントゲンを撮って患者さんに写真を見ていただきながら説明をしますから、自分の親知らずがどういう状態なのか、よく確認し、相談をしてください。 ■口腔(こうくう)外科の医師を探そう ――どこの歯医者さんでも抜いてくれるのでしょうか。 江上先生 歯の生え方によっては、外科手術の分野になるため、大学病院や総合病院を紹介されることになるでしょう。特に、下の親知らずは歯ぐきのなかに陥没している、横向きに生えているなどで、歯ぐきを切開しなくてはならないことが非常に多くあります。 口腔外科(こうくうげか)の医師、出身の医師は、親知らずの抜歯経験が多いと考えられますので、ウェブサイトなどで探してください。 ――親知らずを抜くときの注意事項はありますか。 江上先生 抜歯は、口の中の外科手術になるわけです。下の歯の場合、麻酔をしてから抜けるまで、約30分~1時間ほどを要します。出血もありますし、あごをはじめ、体への負担も大きくなります。 それに、「痛いのではないか」という精神的ストレスもあるでしょう。 また、抜歯後、麻酔が効いている間に食事をすると歯ぐきや口の周囲、頬の内側をかみ切ってしまうことがありますから、麻酔の効果が消えるまで食事はできません。 ですから、抜歯の日は、空腹や睡眠不足、風邪をひくなど体調不良にならないようにすることが大切です。 あと、出血が伴うので、当日はお酒を飲む、入浴をする、運動をするなど、血行を促すような行為は禁止になります。手術ですから、当日は安静にして早く口腔(こうくう。口の中)の健康を回復させるように心がけましょう。 ――親知らずを抜くにあたっての治療費はいくらぐらいになりますか。 江上先生 上の歯など、簡単なケースは健康保険3割負担で約2,000円、下の歯など難しいケースは5,000円前後です。 これとは別に、初診料や再診料、レントゲン写真料、投薬料などが必要です。…
Continue Reading

気になる口臭を今すぐ退治!

自分の口臭について、心配になった経験はありませんか?特に他人の口臭が気になった後などは、「もしかしたら私も……」なんて思うものです。そんな口臭についてガイドか解説します。 自分の口臭が気になる? 口臭が強い場合でも、本人はまったく気にしていないこともある 自分の口臭を悩む前に知っておきたいのは、人は誰でも呼吸をすれば、多少の匂いのする空気を吐き出すのが、当たり前だということです。 どんな生物でも、体内に吸い込んだ空気を、澄み切った状態で吐き出すことなど出来ません。外の空気を取り込み、体内の不要なものを吐き出すのが普通なのです。 また実際はさほど口臭がしないのに、自分の口臭が他人に不快感を与えてしまうと感じることを「自臭症」と呼びます。女性が男性の10倍多いといわれています。自分で「口臭が気になる」のと、実際に「口臭がする」のは、大きな違いがあります。 口臭の原因はさまざま 口臭の原因は、大きく分けて3つに分かれると考えられます。 食べ物や飲み物などが原因の場合 皆さんもよく体験することが多いアルコールやにんにくなどは、消化吸収された後でも血液中に溶け出すために、肺から空気に溶け込んで口臭の原因となります。 口の中に原因がある場合 口の中には数多くの細菌が存在するため、この細菌の働きによって臭いの成分が発生します。虫歯や歯茎の炎症があり出血や膿などが出ている場合も口臭の原因となります。 全身状態に原因がある場合 糖尿病や肝臓などの疾患や、空気が入り込む鼻や肺、胃などの疾患の影響でも口臭の原因となることがあります。 実は口臭の強弱に密接に関係しているものがあります。それが「唾液」です。唾液が多いと口臭を抑える効果が高まります。日常生活で緊張して口の中が乾いたりする場面では口臭が強くなります。また寝ている間も唾液の分泌が減少するため、朝起きたとき口臭を感じやすくなります。 すぐに効果が期待できる口臭予防 簡単に出来てすぐに効果のある口臭予防法をご紹介します。 歯を磨く 単純ですが歯を磨くことで、短時間に口の中の汚れをや細菌を減少させることができます。さらに他の方法と合わせることでさらに口臭を抑制する効果が高まります。歯磨き後のリンスなども効果的です。 ガムなどを利用する ガムを噛むと自然に唾液の分泌が促されるため、超音波クリーナー 激安口臭予防に即効性が期待できます。最近ではキシリトール配合で、虫歯予防効果も期待でき気軽に購入できます。 水分を補給する 口の中が乾いた状態では、口臭が強くなりやすいので、お茶や水などの水分補給をまめに行い、口の中が唾液などの潤いのある状態を、意識的に作ることで口臭を抑制します。 口臭を意識する場面では、緊張で口の中が乾いてしまうこともしばしば……。早めの水分補給や、ガムなどを利用して唾液を味方に潤いを取り戻しておきましょう。
Continue Reading

歯周炎に野菜や果物が役立つかも ただし喫煙者以外で

カナダ、ブロック大学の研究者らは、歯周病の症状のひとつ、歯周炎の治療後の改善に野菜や果物の摂取が有効である可能性が高いと発表した。 歯周炎は歯の周囲の組織が細菌に感染することで炎症を起こした状態。歯肉が弾力を失い歯周ポケットができてしまい、さらに炎症が進むと歯肉の腫れや出血を起こし、最悪の場合、歯が抜け落ちることもある。 研究では、慢性的な歯周炎で歯科医に治療に通っている患者86人を対象に、野菜や果物、歯模型そのほかの栄養成分の摂取状況と、歯周炎の改善状況の関係を調査した。 歯周炎の改善は、歯周ポケットの深さを測り、浅くなるほど改善したものとみなしており、野菜や果物の摂取状況は患者へのアンケートで調査している。 その結果、野菜や果物を積極的に摂取していた患者は、そうでない患者にくらべ歯周ポケットの深さが最大で15ミリ以上改善していた。また、野菜や果物ではなく、サプリメントなどでβカロテンやビタミンC、αトコフェロール、EPA、DHAを摂取していた人でも改善が見られた。 なお、喫煙者の場合、改善効果は見られなかったという。 発表は米国栄養学会誌「Journal of Nutrition」オンライン版に、2015年9月30日掲載された。
Continue Reading

見た目損なわない「裏側矯正」注力 渋谷矯正歯科院長・東海林貴大さん

歯科矯正というと、歯の表面に取り付けられたワイヤを思い浮かべる人は多い。咬合不全から生じるさまざまな不具合の解消のために重要な治療だが、それによって一定期間、審美面が損なわれるのも事実。そこで、見た目には治療中であることが分からない「歯の裏側」からアプローチする歯科矯正に取り組む歯科医師がいる。 東京・渋谷、宮益坂の途中にある渋谷矯正歯科は、3年前に青山から移転してきた矯正歯科専門クリニック。院長の東海林貴大(たかひろ)歯科医師は、祖父から続く歯科医家系の3代目。歯学部卒業後は、父から「歯科の中でも最も難しい領域」と言われていた矯正歯科を専門に選び、大学病院などで実績を積んできた。中でも高度な技術を必要とする「裏側矯正」では国内屈指の症例数を誇り、ネットなどでその情報を得た患者が全国から集まってくる。 「3Dプリンターでその人ごとの歯の模型を作り、その人にとって最も理想的な歯並びを描いていく。それを見ることで、患者さんも矯正後の自分の歯の姿が分かり、治療に積極的になれるのです」電気的根管長測定器 積極的に歯を見せて笑う欧米人と違って、「歯並び」に重要性を置かない時代が長かった日本人。しかし近年、審美性だけでなく、歯並びやかみ合わせが全身の健康状態と密接な関係を持つことが解明されるに従い、矯正歯科へのニーズは急速に高まりつつある。 「患者満足度の高い治療を実践するのはもちろんですが、一方で技術力の高い矯正歯科を普及させていく必要を感じています」と東海林院長は言う。矯正歯科をベースにした高品質の一般歯科をめざす若い歯科医師の育成に力を入れるべく、渋谷の本院の他に今月には横浜に、今年夏をめどに池袋にもサテライトクリニックの開設を予定している。 「日本人の歯並びを欧米人並みに美しくするのが目標です」と笑う東海林院長。その実現に向けた取り組みは、確実に前進している。 (長田昭二)
Continue Reading

インプラント後の口臭の原因

インプラント治療を受けた後の口臭について、その原因と対処法を解説します。 インプラント治療後の口臭の原因になるもの インプラント治療後の口臭として考えられる主な原因、および対処法についてまとめています。 (1)不十分なブラッシング ブラッシングが十分に行われていないことで、インプラントと上に被せた人工の歯が接合している部分に磨き残しができ、プラーク(歯垢)や歯石が付着してにおいの原因になっていることがあります。 <対処法> 歯科医院でインプラント義歯の正しいブラッシング方法について指導を受け、定期的にプラークや歯石を取り除いてもらいましょう。被せた人工の歯の形態によって口臭を引き起こしている場合には、作り直しになることもあります。 (2)インプラントのネジの問題 インプラントには、上から被せるタイプのほかにネジで人工の歯と連結するものもあります。ネジが緩んだり折れたりして空いたパーツの隙間に、プラークや雑菌が入り込んでにおいを発することがあります。 <対処法> 取り外せるパーツを洗ってネジの交換や締め直しを行ってみましょう。 (3)インプラント上部構造にできた隙間 セメントで人工の歯を合せて接着するタイプのインプラントでは、噛み合わせや人工の歯の接着の問題などでセメントが流れ出てしまうことがあります。流れ出て空いた部分にプラークや雑菌が入り込むとにおいの原因になります。ウォーターピック <対処法> 噛み合わせを調整したり、人工の歯の部分を作り直したりして接着するセメントが流れ出ないようにします。 (4)インプラント周囲炎 インプラント治療を行った箇所で、細菌感染によって発生する炎症をインプラント周囲炎と言います。このインプラント周囲炎によって起こる歯茎の腫れ、出血、膿がにおいの原因となります。 <対処法> 初期段階であれば適切なプラークコントロールを、汚れがひどければ歯科医院でインプラントの表面をきれいにしてもらうようにしましょう。ひどく進んでいる場合は、歯肉を切開してインプラントの汚れを取り除き、歯周ポケットを切除する手術が必要になる場合もあります。食習慣の改善や禁煙も効果があります。
Continue Reading

歯周病菌と関連疾患

歯周病とさまざまな病気に関連性があることがわかってきています。歯や歯肉の血流も元は心臓から血液循環しており、口腔(こうくう)内に菌が増殖すると血流に乗って細菌が全身を駆け巡ります。虫歯や歯周病を引き起こす細菌はいろいろな毒性物質を持っており、それらの悪い成分が健康に影響を与えます。 (1)糖尿病 糖尿病になると細菌感染しやすくなります。血糖値が上がると免疫が低下するため、炎症が起きやすく歯周病も悪化します。健康な人に比べ糖尿病の患者さんは、歯周病が急激なスピードで進行しやすいといえます。 歯周病菌が炎症を起こしたときに生じるサイトカインという炎症物質が血流に乗って肝臓や内臓脂肪を刺激し体内のインスリンの働きを低下させます。 (2)心筋梗塞・脳梗塞 狭くなった血管にできる血栓に歯周病菌や歯周病菌の出す毒素が関与している疑いがあります。 心臓、脳などの狭くなった血管に血栓ができ、それがはがれて血管が詰まり心筋梗塞や脳梗塞をひき起こす原因となると考えられています。歯科ユニット (3)誤嚥(ごえん)性肺炎 お年寄りなど、飲み込む嚥下(えんげ)反射や吐き出す咳(せき)反射が弱い場合、歯周病原細菌と唾液を誤って肺や気管支に入り込み肺で炎症をおこします。 (4)ニコチン依存症と関連疾患からなる喫煙病 歯周病の直接原因は磨き残し汚れのプラークですが、歯周病の発症や進行に喫煙が大きな危険因子になるとされています。1日の喫煙本数や喫煙歴と歯周組織の破壊程度が相関すること、非喫煙者と比較して喫煙者は歯周病が進行しやすいことがわかっています。 ニコチンの血管収縮作用により血流量が低下し細菌から歯を守る歯肉溝浸出液量が低下します。血行が悪いため歯周病が重度に進行しているわりには歯肉からの出血、はれが軽度に見え炎症を起こしているかどうか分かりにくくなります。 ◇ 歯周病菌との因果関係が明らかなもの以外にも、関与の程度に違いがあるものや解明がまだ十分でないものもありますが、全身の健康のためにも引き金となる歯周病菌の除去が大切です。病気の予防は口の中を清潔にすることから。菌が全身に拡散しないためにもセルフケアと定期健診、歯石除去でお口の清潔と健康を心がけましょう。
Continue Reading

歯石への疑問を解決!自分で取れる?取る頻度は?

歯を舌で触るとザラザラ、歯磨きしてもこのザラザラしているところがとれない。歯と歯の間に白から黄色い物がついている。それが歯石なのです。歯石をそのままにしておくと歯周病や口臭の原因になってしまいます。歯石は自分で取れるの?どのくらいの頻度で取ればいいの?ここでは、そんな歯石に関する疑問にお答えします。 そもそも歯石って何? プラーク(歯垢)が長期間歯の表面についていると、唾液の中に含まれるカルシウムやリン酸がプラーク中に取り込まれ、石のように硬くなったものが歯石です。プラークが付いたままになっていると、約2週間で歯石になってしまいます。 歯石の成分の約80%はリン酸カルシウム。歯石そのものはむし歯や歯周病を引き起こしません。ですが、歯石の表面がざらざらしているため、細菌が増えてしまいやすい環境を作ってしまいます。なので、歯石は歯周病や口臭の原因となるのです。 歯周病の原因に関して詳しくは「歯周病の4つの原因・・・もしやあなたも共犯者!?」をご覧ください。 歯石にはどんな種類があるの? ■歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき) 歯肉より上の歯の表面についているものを歯肉縁上歯石と言います。白っぽい色で柔らかく、鏡などを使えば自分で発見することができます。これは、比較的除去しやすい歯石です。 ■歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき) 歯周病が進行し、歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)が深くなったところにできるものを歯肉縁下歯石といい、血液の成分が含まれるため黒褐色で硬く取り除きにくいのが特徴です。自分で見つけることができません。 歯石はどこに付きやすいの? 歯石は唾液の成分が固まったものです。そのため、唾液腺から唾液が出てくるところ(上の奥歯の頬側、下の前歯の舌側)に歯石がつきやすいです。一方、唾液は自浄作用という汚れを洗い流す効果もあります。なので、唾液の流れが悪いところに歯石は付きやすいのです。 特に、 上の奥歯の頬側 下の前歯の舌側 歯周ポケットの中 噛んでいない歯の表面 に歯石が付きやすいと言われています。 歯石は取らないといけないもの? 歯石は多くの細菌の住みかとなってしまい、歯周病の原因菌は、歯石の中からコラーゲン分解酵素やタンパク質分解酵素を出して歯周病を進行させてしまいます。また歯周ポケットに歯石ができると、歯石がザラザラしているため、歯肉を刺激して、炎症の治りを悪くしてしまいます。 そのため、歯石を放っておくと、歯周病が進行してしまったり、口臭の原因になったりと不愉快な症状の原因となってしまいます。歯石は歯磨きでは除去することができません。歯科医院で定期的に歯石除去(スケーリング)することが必要です。 歯石は自分でとれるの? 歯石の除去には、そのもととなるプラークの量を減らすために、毎日のブラッシングが肝心です。しかし、どうしてもプラークは取り残してしまうもの。そんなところから歯石は形成されてしまいます。 一旦、歯石ができてしまうとは歯磨きでは取れません。なので、定期的に歯医者さんにかかって歯石を除去してください。 歯石はどうやってとるの? 歯科医院ではスケーラー(手用スケーラー、超音波スケーラー)という器具を使って機械的に剥がし取ります。 ■手用のハンドスケーラー 歯石の取り残しが起きやすいところや超音波スケーラー歯肉縁下歯石に使用します。 ■超音波スケーラー・エアスケーラー 歯石が大量に付着しているときや歯肉縁上歯石の除去に使用します。…
Continue Reading

1歳2カ月で虫歯発覚!押さえつけて治療するのが本当にベストなの?

娘は生後5ヵ月で最初の歯が生え始め、1歳になった時点で8本生えていました。 歯が生えるのが早いと歯磨きが大変だと聞いていましたが、本当にきつかった! 抵抗が激しいのなんの。 毎晩、押さえつけたりなだめすかしたりして、どうにか磨いていました。 歯の根本の部分が白いのに気づいたのは、1歳になったばかりの頃。 乳歯は柔らかく虫歯の進行が早いらしいので、とにかく確かめようと近所の小児歯科へ。 やはり初期虫歯でした……しかも歯の根本だけでなく、前歯の間も含めて4本も。 歯磨きはもちろんのこと、虫歯になりやすいものは与えず、大人からの虫歯菌の感染にも気をつけていたので、それはそれはショックでした。 虫歯の原因として考えられるのは母乳。 当時はまだ授乳中でしたし、娘は夜中でも2~3時間ごとに目を覚ましては泣いてはそのたびに授乳していました。 母乳は虫歯の原因にならないという説もありますが、娘の場合、それ以外の原因が考えられませんでした。 歯科医師の話では、なるべく早めに初期虫歯の部分を削ったほうがいい、と。 娘の体をバスタオルでくるみ、さらにその上からネットで包んで、子どもが暴れられない状態に固定して削るべきだ、と……。 まだ1歳なのに? 虫歯になりきっていない状態なのに? 無理やり体を押さえつけて? 5分程度で終わりますよ、と言われましたが、診察ですら一苦労だったのに体を固定するなんて。 押さえつけられることを嫌がって無我夢中で抵抗するだろうし、無理やり口を明けられて恐怖を覚えるはず。 だって1歳ですよ! そのせいで娘が歯医者を大嫌いになるであろうことも予想できるし、1歳の娘にその恐怖を味あわせることに納得できず、病院を変えました。 2軒目の小児歯科は駅前のクリニック。 規模が大きくて、歯科医師がたくさん所属しています。 そこでも初回診療時に光照射器 歯科 「次回来院時に、お子さんの体を固定して虫歯を削りましょう」 と言われました。 やっぱり削るしかないのか……と半ばあきらめ、次回覚悟して来院したら、初回対応した医師とは別の方でした。 その先生いわく、 「こんなに小さい子だと暴れて事故が起きやすいので、危なくて削れません。大きくなるまで待ちましょう」 だって。…
Continue Reading