キィーーンというむし歯を治療する音は子どもだけでなく、大人になっても嫌なものですよね? だからこそむし歯にはなりたくないもの。

しかし毎日きちんと歯を磨いているつもりでも、むし歯ができてしまうことってありますよね? これはなぜなのでしょうか?歯科ユニット

実は、毎日のなにげない行動がむし歯を引き起こす原因となっているからかもしれないのです。そこで今回は、管理栄養士である筆者が、むし歯の要因となる食生活についてご紹介致します。

■甘いもの好きがむし歯の原因ではない!?
甘いものが好きでもむし歯にならない人がいるように、砂糖を食べただけではむし歯になりません。

むし歯の感染には、以下の3つが関係しています

(1)細菌で歯を溶かす元となる“ミュータンス菌”

(2)ミュータンス菌が歯を溶かすためのエサとする“糖質”

(3)個々人の歯の“質”

これらが組み合わさり歯の表面に菌や糖質が多くなると、酸が作られ歯をどんどんと溶かして、むし歯を作ります。

■むし歯ができやすくなる食習慣
それでは次に、むし歯ができやすくなる食習慣をみていきましょう。

(1)キャラメル・ソフトキャンディの間食

お菓子は糖分が多く使われているものがほとんどですが、特にキャラメルやソフトキャンディは歯にペタッと貼り付きやすく、歯に糖分をべったりとつけてしまいます。

また、口の中で糖分が滞っている状態を作るので、むし歯を作りやすくしてしまいます。

(2)噛まない食事

大人も大好きなファーストフードやハンバーグ、パスタなどはあまりよく噛まなくても食べられる食事です。手軽に食べられるので、ほぼ毎日食べている人も多いのではないでしょうか?

噛まない食事は顎を使うことが少なく、歯の土台の歯茎が弱くなり、歯の質を悪くしてしまいます。

さらにこれらは糖質も多い食事です。これだけでもむし歯の要因が2つあるのに、加えてむし歯予防となる唾液があまり分泌されないのも原因となるのです!

(3)欠食

朝ごはんを食べない人も多くいますよね。そうすると、夕飯から次の日の昼食まで、ほとんど唾液を分泌する機会がありません。それが原因で、口の中は菌が繁殖し、口臭の原因にもなります。

(4)不規則なだらだら食事

朝・昼・夜以外にも、いつも口の中に食べ物が入っている状態だと、むし歯になる菌のエサが常にある状態になり、むし歯ができやすくなります。

■むし歯の進行を遅らせる・なりにくい歯をつくる方法
一方で、むし歯は毎日の食事の中で予防することができます。今度は、むし歯の進行を遅らせる、むし歯になりにくくする食品や食習慣をご紹介します。

(1)よく噛むもの・硬いもの

むし歯になりにくくするためには、唾液をしっかり出すためにもよく“噛む”もの、“硬い”ものがオススメです。

唾液には食べたものや食べカス、むし歯の元となる細菌を洗い流したり、酸を中和させてむし歯を予防したりする働きもあります。玄米や大豆製品、ゴマやごぼうなどを食べるようにするといいですね。

子どもが好きなラーメンやオムライス、カレーなどは、あまり噛まなくても食べられてしまうので、雑穀米を混ぜたり、こんにゃく、生野菜、根菜野菜などを厚く大きく切って具材に使ったり、よく噛むような工夫をするといいですね。

(2)キシリトール

キシリトールは、むし歯菌のエサとなる酸の産生を抑えます。さらには、ほのかな甘さで口内に唾液を分泌させてくれます。キシリトール入りのガムや飴を食後に食べるのもいいですね。

ただし、あまり頻繁に食べすぎるとお腹がゆるくなることもあるので、1日3回ほどにしましょう。

(3)カルシウムとたんぱく質

質のよい歯を作るためには、ヨーグルトや牛乳に多い“カルシウム”を子どものころからしっかりと摂ることが大切です。そして、歯茎の栄養分、肉や魚の“たんぱく質”も忘れずに!

(4)時間のメリハリをつけた食事

また、食事と食事ではない時間のメリハリを口の中に設けることも予防になります。食事の時間、おやつの時間はずらさないで、毎日決まった時間に食べるようにすることもむし歯予防になります。

いかがでしたか? 今回はむし歯になりやすい食習慣についてご紹介致しました。これらに気をつけるとともに、毎日の食後の歯磨きをしっかり行うようにしましょう。

デンタルフロスを使えば挟まったカスが取れるし、デンタルリンスを使えば細かい箇所まで掃除をすることができます。

また、毎日一生懸命歯を磨いていても、自分では落としきれていない箇所もあります。3ヶ月に1回は歯医者さんで検診やクリーニングをしてもらうと安心ですね。