定期クリーニング必須? 「インプラント周囲炎」を予防する口内ケア方法
【男性からのご相談】
先月インプラントを埋入しました。これでやっと安心できると思っていたのに、「これからは定期クリーニングをしっかりしてください」と言われてしまい正直面倒です。ちゃんとクリーニングに行かないとだめですか?
●A. インプラントは入れてからが勝負! インプラント周囲炎を予防しよう!
こんにちは、歯科衛生士の鈴木ハナコです。ご相談ありがとうございます。
今回はインプラント埋入後の定期メンテナンス、クリーニングの重要性についてご説明します。
●インプラント埋入後にクリーニングをすすめられるのはなぜ?
インプラントは一度入れてしまえば一生安泰、歯科 口腔内カメラというわけではありません。
しっかりとしたお手入れをしていかないと、インプラント周囲炎 という炎症を起こすリスクがあります。
インプラント周囲炎は悪化するとせっかく入れた高価なインプラントを失う危険性 がある怖い病気。
歯磨きなどの日々のホームケアの他に歯科医や歯科衛生士が行う定期的なプロフェッショナルケアを受けることでリスクを減らしていくのがオススメです。
●怖いインプラント周囲炎とは
インプラント周囲炎はインプラントの周辺に起きる歯周病のような病気。
歯周病のようにインプラントの周囲に細菌が増加することで炎症を起こし歯茎や骨など周囲の組織に影響をおよぼします。
一度でも歯茎が腫れたり、血が出たりしたら要注意! 悪化するとインプラント周囲の骨が溶け始めぐらつきが起こることも。
最悪の場合、せっかく入れたインプラントが抜けてしまったり、撤去が必要になる場合もあります。
ポイントはインプラント周囲炎が一度牙をむくと、あっという間に悪化が進行するケースがあるということ。
天然の歯は歯と顎の骨の間に歯根膜というクッションのような保護膜がありますが、インプラントはダイレクトに骨に埋まっているためこのようなケースが見られると考えられています。
大切なインプラントを失わないためにも積極的に予防していくことが大切です。
●インプラント周囲炎を予防するために
インプラント周囲炎を予防するためにはしっかりとしたホームケア と歯科医院で受けるプロフェッショナルケア を合わせて行っていくことが大切です。
ホームケアでは、できればインプラント周囲には研磨剤やフッ素が入った歯磨き粉を使わず、丁寧にブラッシングし歯間ブラシやデンタルリンスを併用しながら行います。
ケア方法はいろいろあるのでインプラントを入れた歯科医院でどんなホームケアを行った方がいいかを相談しましょう。
合わせて行うプロフェッショナルケアでは、インプラントの上部をはずしてクリーニングを行ったり、噛み合わせの状態をチェックしたりと歯科医院でなければできないケアを行っていきます。
インプラントはメーカーによって多少違いがあるので、プロフェッショナルクリーニングはインプラントを入れた歯科医院で行うのがオススメです。
●最後に
インプラントの生存率は厚生労働省調べで10~15年で90%以上と非常に高い数字になっていますが、これも日々のケアがあってこそ。
歯周病や歯肉炎の経験がある方は特にしっかりとケアをしないとインプラントが長持ちしません。
せっかく入れたインプラント、しっかりケアをして大切にできたらいいですね。