40代の80%が罹患しているともいわれる歯周病。日本疫学会の発表によると、普通体型の人に比べ肥満の人は、約1.5倍も歯周病にかかりやすいという。つまり、メタボ気味の40代男性は歯周病リスクが大きく上がっているといえるのだ。口内ケアを怠ればすぐにかかってしまうという非常に身近、かつ危険な歯周病対策とケアについて、表参道矯正歯科の川崎先生に話を聞いた。

■■今回のアドバイザー
表参道矯正歯科 院長
川崎健一さん
完全オーダーメイドの矯正歯科治療を行う表参道矯正歯科の院長。東北大学歯学部卒業。歯学博士(歯科矯正学)、日本矯正歯科学会認定医 舌側矯正医(Lingual Orthodontist)インビザライン専門医(インビザラインスーパードクター)クリアアライナー認定医、アソアライナー認定医。
■歯周病菌の毒素が、肥満の原因に
川崎さん「歯周病とは、生活習慣病のひとつで、歯の周りの組織に発生する慢性疾患の総称です。わかりやすくいうと、歯肉や歯槽骨が歯垢(プラーク)の中の細菌によって引き起こされる炎症によって、破壊されていく病気です。程度の差はありますが、実は日本人の成人の80%以上がかかっているともいわれています。

特に、肥満の人は、普通の人に比べて歯周病が悪化しやすいと考えられています。というのも、肥満の人の内臓脂肪には、炎症反応を活発化させる物質がとても多く分泌しているからです。歯周病は歯周組織の炎症なので、肥満の人は要注意なのです。

反対に、歯周病が、肥満を引き起こす原因になることもわかっています。歯周病菌が出す毒素を、マウスの皮下に注入し続けたところ、内臓に脂肪が沈着し、肥満を引き起こしたという研究結果が発表されています。これは、歯周病菌から出た毒素が、血液中に入り込んだことが肥満の原因であると考えられています。さらに、肥満になるとインスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなったりして、糖尿病を引き起こす可能性も高まります」
■歯垢・歯石はセルフケアも可能
川崎さん「歯周病のケアで一番重要なのは、プラークコントロールです。プラークコントロールとは歯ブラシやデンタルフロスなどを使ってプラーク(歯垢)を歯や、歯と歯茎の隙間から取り除くことです。これは自分でできることなので、丁寧な歯磨きを毎日実践するのがいいです。たとえば、歯ブラシだけではなく、フロスも併用することで、歯の汚れの約80〜90%を落とせると言われています。最低でも15分間は磨くようにしましょう。歯科 口腔内カメラ

ただ、いくら気をつけて歯磨きをしていても、だんだんと歯石がついてきます。 歯垢(プラーク)は取り除かなければ硬くなり、歯石に変化して歯の表面に強固に付着します。これは歯ブラシだけでは取り除くことができません。定期的に歯医者さんに通って歯石除去をしてもらってください」
■悪化すると歯が抜け落ちることも…
川崎さん「歯周病には進行の度合いによって、初期歯周病、中期歯周病、重度歯周病に分かれます。それぞれの進行度合いによって治療内容が変わるので、歯科医院に行ってガイドラインに沿った計画的な歯周病治療を受けるのがオススメです。

歯周病が悪化すると、歯を支えている歯槽骨や歯根膜が破壊されて、最後は歯が抜け落ちてしまいます。このような最悪の事態を防ぐためにも、自覚症状がないうちからケアしていくことが大切です」
■最後にアドバイザーからひと言
「ビジネスマンにとって、白く綺麗な歯は大きな武器になりますよ!」