虫歯や歯槽膿漏など口腔内のトラブルはいくつかありますが、歯茎におできのようなものができた経験はないでしょうか。歯の根元がプクッと膨れ上がったようになり、まるでおできができたかのようなこの膨らみの正体とは。

■30代男性からの相談:「治療済みの歯の根元におできのようなものができました」
『1年ほど前に親知らずの手前の歯が虫歯になり、歯医者で治療を受けました。親知らずを抜いて虫歯に銀歯を被せて治療完了となりましたが、半年ほど経ち歯磨きをしていると、銀歯の下の歯茎におできのような物がポコっとできていました。インターネットで調べたところ細菌がたまっているようなので、再び歯医者に行くことになりそうですが、また銀歯を外して治療をするのでしょうか。前回、治療に半年かかったので、正直不安です。 (30代・男性)』
■おできの正体はフィステルと呼ばれるもの
歯茎にできた、おできのような膨らみは、フィステル(瘻孔・ろうこう)と呼ばれるものです。何らかの原因で歯茎に膿がたまると、このようなフィステルができることがあります。

『ご相談のおできは、専門的にいうと「瘻孔(フィステル)」というものです。前回、半年かかって根っこの治療(根管治療)をされたようですが、歯科医の技術や歯の根っこの形状などの問題で細菌が取り切れなかったため、歯根の先に膿がたまり、その膿の出口としてフィステルが形成されたと考えられます。(歯科衛生士)』根管長測定器
■根管治療の実績がある歯科を受診してみては
フィステルの再発を防ぐためには、菌を完全に取りきる必要があります。そのためには、できれば根管治療を専門もしくは得意とする歯科医に診てもらった方がよいと、歯科衛生士さんは説明しています。

『治療としては、ご想像の通り再び根管治療になります。少しでも菌が残っていると、後にまた同じことを繰り返す可能性があるため、菌の侵入を防ぐラバーダムや、操作の確実性を上げるマイクロスコープなどの道具を使っている、根管治療を専門あるいは得意とする歯科医を探しましょう。(歯科衛生士)』
『根管治療の分野を得意とする医師であれば、恐らく半年通う必要はないでしょう。根管治療でも治癒が困難だったり歯根が曲がっているなどの場合は、歯茎を切って歯根の先の膿の袋を取り出す治療をしたり、半分だけ歯を抜くこともあります。(歯科衛生士)』
前回の治療で菌が残っていたため、歯茎に膿がたまってしまったようです。完全に治療するためには、根管治療に精通している歯科医に診てもらった方がよいので、一度、情報収集をしてみてはいかがでしょうか。