知覚過敏ケア歯磨き粉の「シュミテクト」は、国内歯磨き粉市場全体の製品別売り上げで、今年2位に浮上した。1992年に発売され、2005年に3%だった市場シェアが、その後10年連続で成長し、11%に伸びている。

 

 躍進の背景には、歯磨き粉のパーソナル指向がある。200円前後の手ごろな価格の製品を家族みんなで使う時代が長かったが、歯周病や知覚過敏への意識が高まり、自分に合う商品を使う人が増えた。女性がターゲットの美白市場も広がり、平均単価は300円を超えてきている。歯科医療機器

 こうした流れの一翼を担うのがシュミテクトだ。製造元の英グラクソ・スミスクライン日本法人によると、日本人の3人に1人は、冷たいものや熱いものを食べると歯がしみるという。歯磨きのしすぎや加齢による歯茎の退化で象牙質が露出し、刺激が直接、歯の神経に伝わるためだ。シュミテクトに含まれる硝酸カリウムが神経を鈍らせ痛みを和らげるという。

 外国語のような商品名だが、「しみるのをプロテクト(防ぐ)」が由来の日本だけのネーミング。世界の他の約100カ国では、「センソダイン」のブランド名で販売されている。1000円近い値段の時期もあったが、「毎日使い続けられる価格を」と社内で徹底議論し、6〜7年前に698円(歯周病ケア、店頭想定価格)に下げた。それも、今の躍進につながっている。【横田恵美】