ホワイトニング治療中に控えたい食事とは?
ホワイトニング後は、口にした食品などの色が歯に着色しやすい状態になります。そのため、食事には細心の注意をはらう必要があります。特に控えたい食品について見ていきましょう。歯科ホワイトニング機器
控えたい食品(1):着色しやすい飲食物
ホワイトニング剤の漂白効果で、エナメル質を被う「ペリクル層」(唾液中の糖タンパクなどが歯の表面に付着して形成される薄い被膜)が除去されます。そのため、歯の表面に飲食物の色素が付着しやすい状態となっています。
ペリクル層はホワイトニング直後から徐々に形成され始め、12時間~24時間で元通りになります。よって、ホワイトニング後の24時間以内は、以下のような着色しやすい飲食物は避けるようにしましょう。
・タンニンを多く含む物(日本茶、紅茶、コーヒー、ウーロン茶)
・ポリフェノールを多く含む物(赤ワイン、大豆、ブドウ、ココア、チョコレート、ベリー類)
・醤油、味噌、ソース(これらを使った焼きそば・焼肉・焼き鳥・ラーメンなども含む)
・からし、わさび、マスタードなどの香辛料
・色の濃い野菜や果物
・カレー、キムチ、ミートスパゲッティなど、色が付きやすい食べ物
・合成着色料を使用した食品
また、食品以外に、以下のようなものを避けることも大切です。
・タバコ(ニコチンは歯に付着しやすい)
・口紅
・うがい薬(色素の濃いもの、特にイソジンなどのポピドンヨードが含まれるもの)
・色付きの歯磨き剤
・液状の漢方薬
控えたい食品(2):酸性の食品
pH5.5以下の酸性の食品を摂ると、「脱灰」と「再石灰化」が起こる可能性があります。具体的には、酸が歯のエナメル質のカルシウムをわずかに溶かし(脱灰)、唾液が酸を中和して口腔内が中性に戻ると、再びカルシウムが歯に戻る(再石灰化)現象です。脱灰から再石灰化までの間は、口にしたものの色が歯に付着しやすい状態になります。
さらに、ホワイトニング後はペリクル層がはがれた状態のため、そこに酸性のものを摂取すると脱灰が大きくなり、再石灰化がしづらい状態になります(歯の表面が荒れてしまうこともあります)。また、歯がしみる原因のひとつになる場合もあります。ホワイトニング直後1時間は、以下のものを避けるようにしましょう。
・柑橘系飲料(pH3)やフルーツ ※レモンはpH2、オレンジ・イチゴ・リンゴはpH2
・炭酸飲料(pH2)
・スポーツドリンク(pH3)や栄養ドリンク(pH2)
・ビタミンC(pH3)やクエン酸(pH1)が入ったもの
・酢(pH3)や酢を使った食品…ドレッシング(pH3)、ポン酢(pH4)、ピクルス(pH2)
・梅干し(pH2)
・タバスコ(pH2)
・ケチャップ(pH4)
・ソース(pH4)
・ヨーグルト(pH4)
・乳酸飲料(pH4)
・アルコール…白ワイン(pH3)、赤ワイン(pH4)、ビール(pH4)、発泡酒(pH4)
このほか、唾液が多く出てくるようなすっぱいもの全般も含まれます。
色の濃い食事や飲み物を摂ってしまった場合は、なるべく早めに歯を磨くことが大切です。外出先などで歯磨きができない場合は、口をすすいだり、水を飲むようにするだけでも違います。お口の中に停滞させないよう工夫してください。
また、歯のホワイトニング後にフッ素を塗ると脱灰を防ぐことができるため、フッ素入りの歯磨きを使ってブラッシングをするのもいいでしょう。
以上のような注意事項は、歯科医院でも丁寧に説明してもらえます。ホワイトニングの効果を最大にして、白くなりつつある歯の色を後戻りさせないためにも、しっかりと守るようにしましょう。