歯のぐらぐらに再生医療の可能性、歯周炎の損傷回復か
歯がぐらぐらになるのはいやなものだ。
歯周炎が起きて、歯を悪くする人は少なくないはず。
再生医療が注目されているが、歯のぐらぐらに使える可能性が浮上している。
中国・西安の第4軍医大学歯科保存・歯内治療学部を中心とした研究グループが、歯科分野の国際誌であるバイオマテリアルズ誌2014年11月号で報告しているもの。歯科用高圧蒸気滅菌器
歯の組織を形成する力もある
歯の周りの炎症の部分から、細胞を取ってきて、それを増やして歯の周りの再生に使おうという発想だ。
取ってくる場所は、歯ぐきの炎症(歯肉炎)の部分のほか、骨まで溶けた歯周炎の歯の神経(歯髄)の辺りになる。骨や血管の細胞になれるような幹細胞で、「間葉系幹細胞」と呼ばれるものを取ってくる。
研究グループは、若い人で起きる歯周炎で、炎症が起きている部分の歯から取ってきた幹細胞がうまく再生医療につかえるかを検証した。正常な奥歯の周囲の細胞と比べるという研究となる。
結果として、悪化した歯周炎であっても、炎症があるところから細胞を取ってきて、活用可能であると分かった。
間葉系幹細胞が存在しており、細胞を増やしていくことが可能だった。
歯の根元に細胞を移植すると、歯を形作る象牙質、歯髄の特徴を持つ組織が作られて、正常な歯から取った細胞とやや劣るものの、再生医療に使える可能性を確認できた。
自分の細胞を使った歯の再生医療には前向きな結果といえる。