歯科用ミリングマシン「DWXシリーズ」の世界累計出荷台数が3,000台を突破
歯科技工向けのデジタルソリューションを提供するローランド ディー.ジー.株式会社(取締役会長兼社長:冨岡 昌弘、本社:静岡県浜松市)は、歯科用ミリングマシン「DWXシリーズ」の世界累計出荷台数が、2015年3月末時点で3,000台を突破しましたのでお知らせします。
DWXシリーズは、歯の詰め物や被せ物などの補綴物(ほてつぶつ)の製作用途に特化した加工機です。歯科技工の現場では、デジタル技術の進歩に伴い、従来の鋳造方式に代わりCAD/CAMソフトウェアやミリングマシンなどから成るデジタルシステムを導入する歯科技工所が増加しています。また、近年では、補綴物の新材料としてジルコニアやハイブリッドレジンなどが登場したことを受け、これらの切削加工を効率的に行うためにデジタルシステムを導入する事例も相次いでいます。一方、このようなシステムを提供するメーカーは、歯型をデジタルデータ化するスキャナや、CAD/CAMソフトウェア、ミリングマシン、補綴物の材料などをセットにした「クローズドシステム」として販売する場合が多く、投資面での負担が大きい点や、歯科医院や患者に最適な歯科技工物を提供するうえでの自由度が低い点などを懸念する歯科技工所にとっては、デジタルシステム導入に際しての障壁となっていました。
このような市場環境の中、当社は、四半世紀に亘って培ってきた3次元切削加工にかかわる技術を歯科技工の分野に適用すべく、2010年にDWXシリーズを立ち上げ、その第一号機として4軸制御のエントリーマシン「DWX-30」を、続く2011年には、5軸制御の高性能モデル「DWX-50」を発売(*)し、市場に参入しました。DWX-30/50は、作業机の上に設置できる「デスクトップサイズ」と、誰もが簡単に操作できる「使いやすさ」、お手持ちのCAD/CAMソフトウェア、スキャナなどと組み合わせてお使いいただける「オープンシステム」、「導入いただきやすい価格」などの製品コンセプトが高く評価され、市場での当社の存在感を一気に向上させました。DWX-30/50で市場の好意的な反応を得た当社は、歯科医療分野のニーズに応え、市場で求められる製品とソリューションを開発・提供すべく、2012年にデンタル事業に特化した部署を設立。2013年には、従来機の高い加工精度はそのままに、さらなるコンパクトサイズと簡単操作を追求した「DWX-4」を発売し、製品ラインナップを拡充しました。現在、当社のDWXシリーズは、アメリカ、ヨーロッパ、中国をはじめ世界中の歯科技工所に幅広く受け入れられ、補綴物製作業務の効率化に貢献しています。歯科用エアーコンプレッサー
この度、シリーズ出荷3,000台目にあたるDWX-50を導入いただいたのは、訪問歯科診療サポートを主要事業とするデンタルサポート株式会社(代表取締役社長:内田 武、本社:千葉県千葉市)。業界大手の歯科技工所で、早くからCAD/CAMへの大規模な資本投資を行っているなか、DWX-50の機動性を高く評価していただいての導入となりました。訪問歯科診療とは、歯科医院への通院が困難な患者の自宅や介護施設、病院などを歯科医師・歯科衛生士と、専門の教育を受けた同社のコーディネーターの3名が1チームとなり、車で訪問して歯科診療を行う仕組みです。さらに同社では歯科技工所を持つことで、歯科技工物が必要な場合でも社内で対応できる体制を構築しています。
同社技工部長の首藤 謙介氏は、「患者様の健康で豊かな生活を守ることが私たちの使命です。訪問歯科診療の際に歯科医師は、持ち運びできる義歯調整器具などを使い、その場で簡単な修理・調整を行うことができるようにしています。また、当社は技工所のデジタル化も進めており、CAD/CAMシステムとDWX-50で、精巧な補綴物を迅速に製作することができます」と述べています。首藤氏は、将来的なデジタル技術の活用についても新たな可能性を見出しており、「訪問歯科診療では、例えば、コンパクトで加工精度の高いDWXシリーズのミリングマシンを移動用の車内に設置し、口腔内を直接スキャンできるスキャナと組み合わせることで、訪問した患者様のもとでその日のうちに治療を完了することも将来的には可能ではないかと考えています」と述べ、今後のデジタルソリューションの発展に期待を示しています。
同社は、歯科技工士の労働環境の改善にも積極的に取り組んでいます。首藤氏は、「歯科技工業界では、長時間労働の削減が課題とされています。手で行っている作業をデジタル化すれば、歯科技工士の負担を減らせるだけでなく、仕上げなどのより付加価値が高い仕事を行う時間を確保することができます。労働環境の改善によって若い歯科技工士の志望者を増やし、業界全体を活性化させていきたいと思います」と述べています。首藤氏は、また、オープンシステムで提供されるDWXシリーズの利点に触れ、「クローズドシステムでは、使用できる材料も限定されていますし、歯科技工物の価格も高くなりがちですが、オープンシステムの下ではリーズナブルな価格を実現できますし、採算性の向上を通じて歯科技工士の待遇も改善できる可能性があります」と期待を込めています。
同社は、さらに、歯科技工のグローバル展開を意欲的に進めています。世界中で高い評価を得る日本製の歯科技工物には強いニーズがあり、同社は2011年にドバイに開設した歯科・医科併設のクリニックを海外展開の足掛かりと考えています。「世界トップクラスの技術力を武器に、今後は日本国内だけでなく世界中の市場に日本製の歯科技工物を輸出するべく準備を進めています。歯科技工のデジタル化を推進することで、遠く離れた海外の患者様にも、日本の匠が製作した歯科技工物をより早くお届けできるようになると考えています。現地で口腔内スキャナを使って取り込んだデータを元に、日本国内で製作した歯科技工物を現地にお届けできれば、輸送コストやリードタイムを大幅に削減できると期待しています」と首藤氏は述べています。
当社のデンタル事業開発マネージャーの細目 拓郎は、「当社には、長年の歴史の中で培ってきた切削加工の技術とノウハウが蓄積されており、また、様々な業界にデジタルソリューションを提案する中で磨かれてきた独自のコンセプトとカスタマーサポートシステムがあります。当社が歯科技工業界に参入したのは、5年前ですが、これらの資産に立脚しながら歯科技工所の皆様のニーズに耳を傾けることで、短期間のうちに業界におけるプレゼンスを高めることができました」と述べ、「デンタルサポート様の事業展開は、今後当社が歯科技工業界に新たなデジタルソリューションを提供するうえで、多くの示唆を与えてくれます。今後もますます高度化すると思われる歯科技工業界のニーズに対応できるよう、引き続きデジタル化による新たな価値を創造していきたいと考えております」と述べています。
*日本市場でのDWX-30/50の発売は、2012年11月8日(いい歯の日)。
■デンタルサポート株式会社について
デンタルサポート株式会社は、日本で初めて株式会社として訪問歯科診療をサポートする事業を立ち上げ、パイオニアとして業界をリードしています。歯科を軸足に医科サポート・介護事業にも取り組み、「歯科・医科・介護のワンストップサービス」を提供しています。自社の歯科技工所「デンタルスタジオ」では、日本全国の歯科医院に高品質な歯科技工物を提供しています。
デンタルサポート株式会社の詳細につきましては下記をご参照ください。
http://www.dentalsupport.co.jp/
■ローランド ディー.ジー.株式会社について
ローランド ディー.ジー.株式会社は、XYZ軸の制御技術を元に、業務用インクジェットプリンターやカッティングマシンを中心とするカラー事業と、3次元切削加工機や彫刻機を中心とする3D事業を展開しています。カラー事業の分野では、1台のプリンターで、印刷と同時にイラストや文字などの輪郭を切り抜くことができる「Print&Cut」技術の先駆者であり、広告看板を製作するサイン業界などでインクジェットプリンター「SOLJET」「VersaCAMM」シリーズや、カッティングマシン「CAMM-1」「STIKA」シリーズを展開し、世界トップブランドとして市場をリードしています。
近年では、幅広い用途での印刷に対応するUV-LEDプリンター「VersaUV」シリーズや、布地への印刷に特化した専用プリンター「Texart」シリーズをラインナップに加え、デジタル印刷の可能性を広げています。
一方3D事業の分野では、「デスクトップ・ファブリケーション(机上工場)」コンセプトの下、人々のイメージをカタチにするデジタルものづくりツールとして、3次元切削加工機「MDX」シリーズや、デジタル彫刻機「EGX」シリーズ、3Dプリンターと切削加工機の組み合わせでプロフェッショナルのものづくりを支援する「monoFab」シリーズなどを展開しています。2010年には、歯科技工用ミリングマシンでヘルスケア業界に参入し、「Easy Shape」ブランドの下、精巧な加工技術とデジタルソリューションで、業界のワークフローを変革しています。
■会社概要
商号 : ローランド ディー.ジー.株式会社
設立 : 1981年5月1日
本社 : 〒431-2103 静岡県浜松市北区新都田1-6-4
代表者 : 取締役会長兼社長 冨岡 昌弘
資本金 : 3,668,700,000円
東京証券取引所市場第一部上場
URL : http://www.rolanddg.co.jp/
事業内容: コンピュータ周辺機器の製造および販売
※ 本ニュースリリースに記載の社名、製品名は各社の登録商標または商標です。