先日放送されたTBSのバラエティー番組『私の何がイケないの?』に、女優の大場久美子さんが出演されました。番組中で口腔内を調べると、なんと虫歯が17本もできていたのだとか。その数にもびっくりしますが、その原因は更年期障害だというからさらに驚きです。果たして予防法はあるのでしょうか?

ホルモンの乱れがさまざまな不調を引き起こす

女性ホルモンの分泌は40歳を過ぎたころから減り始め、閉経時に急激に減少します。この閉経前後の数年間が「更年期」です。ホルモン分泌のバランスが乱れることにより、のぼせやほてり、動悸、倦怠感などの身体的症状や、イライラや強い不安感、不眠などの精神的症状が現われてきます。更年期の症状は個人差がありますが、症状が強く出て日常生活に支障が出る場合を更年期障害と呼びます。

更年期障害のひとつ、「唾液の分泌異常」

唾液の分泌は、性ホルモンに影響を受けます。更年期になると女性ホルモンが減少することで、減少もしくは過多など唾液分泌の異常が起こってしまうのです。大場さんの唾液の分泌量を測定すると、一般の平均分泌量のおよそ3分の1。その唾液を採って医療用顕微鏡で見ると、大量の細菌がいることがわかりました。正しい歯磨きができているにも関わらずたくさんの虫歯ができてしまうのには、更年期障害特有の“唾液の減少”が関与しているのです。唾液には口腔内の清潔さを保つ効果があり、分泌量が減ると虫歯菌が繁殖してしまいます。そのため、知らず知らずのうちに虫歯が増えてしまうのです。また、唾液が減ると、歯周病や口臭にもつながります。(コントラアングル)

唾液分泌の促進と歯科検診が予防の手立て

唾液の分泌腺をマッサージすることで、唾液の分泌を促せます。耳の前にある耳下腺を、円をかくようにマッサージすると、じんわり唾液が出てきます。話題の「舌回しエクササイズ」も有効です。口を閉じた状態で、歯茎をなぞるように舌を時計回り・反時計回りに各20回行います。1日3セットやるとほうれい線や二重あごにも効くと言われており、美容効果もあって一石二鳥です。また、ガムを噛むのも唾液を出すのに効果的。キシリトールなどの歯によいガム選んでみてください。(歯科診療ユニット)
日本人女性の平均閉経年齢はおおよそ50歳。この年代にさしかかったら、知らない間に虫歯になっている可能性があるかもしれません。今は痛くなくても、進行して神経に達すると急激に痛くなるのが虫歯の特徴です。何本も虫歯になると治療に時間も費用もかかりますから、定期的に歯科検診を受けることを心がけてみてください。