親知らずを除いて28本生えている歯のうち、健康な歯が何本あるか数えたことはある? 年を重ねても健康な生活を送るためには、80歳で20本以上、自分の歯を残すことが必要だと言われているそう。そこで、神谷町デンタルクリニック院長の高島美祐さんに、いつまでも健康な歯を保つポイントを教えてもらった。

「まず、絶対にやめたほうがいいのは、清涼飲料水やフルーツジュースを少しずつ長時間飲み続ける習慣。口のなかは本来、唾液の作用で中性な状態で、歯のミネラル分は口のなかが酸性の状態が続くと、溶け出してしまいます」(同)(超音波スケーラー)

市販の飲み物の多くは酸性なので、休まずに飲み続けると、歯全体がもろくなるし、むし歯にもなりやすいそう。むし歯菌が酸を発生させるので、さらに歯のミネラル分が溶けてもろくなってむし歯が増える…という悪循環に陥ることも。

「こまめに水分補給をするなら、水かお茶、あるいは砂糖が入っていない炭酸水を選びましょう。だらだらと食べることも、口のなかを酸性にする原因に。おやつを食べるならランチの後など、まとめて食べるようにしましょう」(同)

仕事の合間にジュースやおやつをつい口にした場合は、すぐに歯を磨いたほうがベター。ただし、口の中が酸性のまま普通に磨くと、歯を削ってしまう可能性もあるとか。酸性に傾いた口の中を中性に戻す作用がある歯磨き粉やマウスウォッシュを使うといいそう。

ちなみに、“むし歯”とは、歯が黒くなったり欠けたりした状態のことだと思いがちだけど、初期のうちは見た目では分からないとか。そのため、定期的にデンタルフロスで初期虫歯をセルフチェックするのがおすすめとか。

「ワックスでコーティングされていないデンタルフロスを選び、歯と歯の間をケアしてみましょう。糸がささくれたり、歯の間でひっかかる感触があったりすれば、むし歯が始まっている可能性があります。早めに歯科医院でチェックしてもらってください」(同)

ちょこちょこと食べたり飲んだりするのは、歯にとって百害あって一利なし。長く健康な歯を保つためには、間食は控えるか、その後には歯磨きを忘れずに!(ウォーターピック)

高島美祐
歯科医師/神谷町デンタルクリニック院長。奥羽大学歯学部卒業。東京、神奈川、大阪の歯科医院で院長、副院長を歴任し、海外でのインプラントトレーニングにも多数参加。2014年開業。日本では珍しいマイクロスコープを使った精密歯科治療も行っている。