歯周病があると動脈硬化の危険あり
歯周病と心臓や血管の病気との関係があるという事実はこれまでも分かってきていた。歯の健康を見るだけで、全身の病気が分かるならば便利だ。
このための研究発表によると、歯の衛生度を調べると、頸動脈の血管の動脈硬化の程度を察することができるようだ。
北京大学の研究グループが、歯学の国際誌ジャーナル・オブ・デンタル・リサーチ誌6月号で報告している。
頸動脈の壁の厚さを推し量れる
血管の内側にのりのように脂肪のような異物が付いてしまう「アテローム性」の動脈硬化と歯周病とが関係すると従来の研究で分かっていた。超音波クリーナー
今回、さらに、頸動脈の内側にのりのように脂肪のような異物が付着して、内側の壁が厚くなるかを調べるため、頸動脈の内側の壁の厚さである「頸動脈内膜中膜厚(cIMT)」を調べて、歯周病との関係を検証した。
対象は、60~70歳代で10本以上の歯が残っている高齢者847人。
歯周病の衛生状態を示す「プラーク・インデックス」の平均値を取っていくと、頸動脈内膜中膜厚(cIMT)を見たときの頚動脈の中での最大値と関係していると分かった。
さらに、血糖値の高い人では、歯肉が後退して歯の露出が1mm増えるごとに、cIMTの最大値が増すほか、動脈硬化の程度も2割程度も増えていくと分かった。
口の中の衛生度を調べると、動脈硬化の程度を推し量れると言えそうだ。