歯茎が痛いときの対処法と原因
急に歯茎がいたくなることってありますよね。歯茎の痛みは疲れているときや体調が悪いときに出やすく、体の変化を敏感に感じ取る場所でもあるのです。特に歯茎の中に原因があると痛みは出たり引いたりを繰り返します。一番多い原因の歯周病は成人の80%がかかっていて、次に多い原因の根の先の膿は治療の成功率が60~80%です。それだけ歯茎は痛くなる可能性が高いのです。今回は歯茎が痛いときの応急処置と痛みの原因および治療法についてお伝えします。参考にしてください。
1.歯茎が痛いときの応急処置
注意:この方法は根本的な解決方法ではなくとりあえず改善する方法です。
1-1.「ロキソニンS」市販の痛み止めをのむ
歯医者にすぐにいけない時は、とりあえず市販の痛み止めを飲んでください。歯茎の痛みは繰り返すことが多く、痛みが出たり、引いたりします。痛みが強い時は我慢をせずに痛み止めを飲んだ方が体が楽になります。現在市販されている痛み止めは医療機関で出されるものと成分が近いものも販売されています。痛くて何も食べられず体力が低下するより、痛み止めを飲んで体を楽にしてあげてください。詳しくは「ロキソニンやロキソニンSで歯痛を効果的に止める方法と注意すべき副作用」参考にしてください。
1-2.冷えピタで痛い部分を冷やす
腫れや痛みを減らすために冷やします。ぬれタオルや、冷えピタなどで冷やして、血液の循環を抑えます。腫れて痛い部分は、血液や膿で内圧が高くなっています。冷やすことによって多少でも内圧を下げ痛みを軽減させます。
1-3.軟らかい歯ブラシで磨く
歯茎が痛いときは軟らかい歯ブラシで磨くようにしてください。お口の中に細菌が多くなるとますます痛みが強くなります。また、痛い部分は歯茎が弱くなっているので無理に磨くと、傷がつき痛みが増してしまいます。
1-4.イソジンでうがいする
うがい薬でよくお口の中を消毒してください。イソジンやコンクールなどの殺菌作用が強く、刺激が少ないものが効果的です。
1-5.よく寝て体力を回復する
歯茎の痛みは細菌と体の抵抗力のバランスが崩れた時に痛みとして出てきます。歯茎は体の変化を敏感に感じ取り、風邪を引いたり、疲れている時に体の抵抗力が下がると腫れや、痛みが出やすい場所です。休養をとって体力の回復に努めてください。
2.歯茎の痛みの原因と治療法
2-1.歯茎が腫れて痛む歯周病
swollen-gums-1歯茎の痛みで最も多いのが歯周病です。 歯周病によって歯の周り
の骨が溶かされて、歯と歯茎の間に膿がたまり、歯茎が腫れて痛みます。自然に膿
が出こともありますが、何度も繰り返します。歯周病が進行すると口臭や歯が揺れるようなことが起こり 、最終的には抜けてしまいます。
治療法
早期の治療が必要になります。大きく腫れている場合は歯茎から中に溜まった膿を出します。必要であれば麻酔をし、切開をして膿を出すこともあります。腫れが引いてから歯周病の治療(ブラッシング方法、歯石除去、場合によっては外科的な処置)を行い、これい以上歯周病が悪化しないようにメンテナンスをしていきます。詳しくは「30代以上の方必見!歯周病に負けない5つの知識と3つの治療法」を参考にしてください。
2-2.歯の根の先が腫れて痛む根尖病巣
images (12)歯の根の先に膿が溜まる根尖病巣(こんせんびょうそう)
が痛みの原因です。腫れと痛みは繰り返すことが多く、最後には歯が
揺れてきます。虫歯が深くなり神経が自然に死んでしまったり、根の
治療が不十分な場合に起こります。根の先の膿は鼻の副鼻腔に入って
上顎洞炎になることもあります。詳しくは「虫歯じゃないのに歯が痛
い上顎洞炎で起こる8つの症状と最適な治療法」を参考にしてください。
治療法
腫れが大きく痛みが強い場合は根の中から膿を出します。必要であれば麻酔をし、切開をして膿を出すこともあります。その後根の中を消毒する治療をしていきます。詳しくは「歯の神経の治療はなぜ何回もかかるのか?実は90%が3回以内に終わる」を参考にしてください。
2-3.物が詰まって痛む食片圧入
歯に虫歯が出来て穴が開いたり、詰め物が取れたり、歯周病で歯が動いたりすると、歯と歯の間に食べかすがどんどん詰まります。これによって歯茎を圧迫して食片圧入(しょくへんあつにゅう)が起こり、歯茎に痛みが出ます。特に子供の場合は気づきにくく、歯ぐきが大きく腫れて痛みが強くなることがあります。詳しくは「乳歯の虫歯について母親が知っておかなければいけない6つこと」を参考にしてください。超音波スケーラー 家庭用
治療法
詰まった食べかすをきれいに取り、虫歯の治療をすれば詰まらなくなります。また、歯周病の場合は毎日デンタルフロスや歯間ブラシを使って、食べかすを貯めこまないようしていきます。
2-4.さわると痛い口内炎
歯茎に口内炎ができると、痛みが強くなります。口内炎は米粒みたいな小さなものから、歯の3本分ぐらい広がる大きなものまであります。原因はウィルスや鉄分、ビタミン不足、ストレス、睡眠不足など色々原因はあります。また、お口の中は細菌が多い場所なので治りにくく、痛みが続く場合も多いです。詳しくは「口内炎!知っておきたい7つの原因と治療法/薬の使用法」を参考にしてください。
治療法
ケナログやアフタゾロンなどドラッグストアで売っている薬を塗ると比較的早く治ります。塗るときは口内炎の部分を少し乾かして軟膏で覆ってあげるようにすると効果的です。治りが悪い時は体の病気からきている場合もありますので、内科に受診して下さい。
2-5.厄介ものの親知らず
親知らずは横や斜めに生えていることが多く、親知らずの周りに被っている歯茎の中に細菌が溜り、歯茎が腫れ痛みが出ます。また、腫れて歯茎が盛り上がると、噛み合う親知らずに刺激されより痛みが強くなります。
治療法
噛み合わせに関係していないようであれば早期に抜歯をしたほうがいいです。抜歯をすることによって親知らずの前の歯に悪い影響が及ぶのが抑えられます。詳しくは「親知らずの痛くない抜歯法」を参考にしてください。
2-6.歯ブラシで磨きすぎのキズ
歯茎は粘膜なので歯ブラシで磨きすぎると傷がつき痛みが出ます。この傷にお口の中の細菌が感染すると口内炎のようになって痛みが強くなったり、歯茎が下がってしまうこともあります。
治療法
痛みが強いときは口内炎のお薬を塗って、唾液を遮断するようにすると比較的早く痛みが取れます。正しい圧のブラッシングを行い歯茎に傷がつかないようにします。詳しくは「虫歯や歯周病を徹底的に防ぐ「歯磨き力」をつける6の秘訣」を参考にしてください。
2-7.粘膜がヒリヒリ痛むカンジダ菌
カンジダ菌はカビ菌の一種です。体の抵抗力が下がったり、長期間抗生物質を飲んでいるとカンジダ菌が増え、歯茎がヒリヒリ痛むことがあります。また、お口の中の清掃状態が悪いときにも起こり、特に入れ歯を使われている方は毎日入れ歯の洗浄剤を使わないとカンジダ菌が発生しやすくなります。
治療法
カンジダ菌の検査を行い、原因を特定します。菌が特定されればお薬でカビを退治します。再発しやすいためお口の中は常に清潔な状態に保つ必要があります。
2-8.上あごに多いやけど
意外に多いのがやけどです。特に上あごに多く全体的に赤くなり、ただれてしまうこともあります。また、お口の中の細菌が感染するとより悪化してしまいます。
治療法
痛みが強いときは口内炎のお薬を塗って、唾液を遮断するようにすると比較的早く痛みが取れます。刺激が強い食事は避けるようにしてください。
まとめ
歯茎の痛みは繰り返すものが多く、時間がたつと痛みが引いてしまうものもあります。ただ原因が改善されなければより悪化してしまいます。我慢するよりも早期に歯医者で治療したほうが歯を守ることができます。