智歯周囲炎(親知らず周辺の疾患)による口臭と治療法
智歯周囲炎をご存じでしょうか?その名の通り、智歯(ちし)の周辺で起こる炎症のこと。智歯とはいわゆる親しらずのことを指します。この炎症による影響のひとつに口臭があります。ここでは、智歯周囲炎が起きる原因と口臭との関係について詳しく解説します。
智歯周囲炎とは
智歯周囲炎とは親知らずの周囲の炎症疾患のことを言います。
この炎症は、親知らずが完全に生えきっていない状態で起こります。
親知らずがしっかり生えずに斜めに生えたことで隣の歯との間に深い歯周ポケットができてしまったり、中途半端に生えた親知らずに歯肉が被さってしまったりすると、歯のすき間にできた歯周ポケットに汚れが溜まり、細菌が繁殖して腫れや痛みといった症状が現れます。
智歯周囲炎と口臭の関係
“親知らず”が不規則に生えてしまったことによりできた歯周ポケットの汚れは、歯ブラシやうがいで簡単には取ることはできません。
これらの汚れはそのうち発酵し、臭いを発します。化膿するとさらにひどい口臭となります。このような状態になってしまったら、無理矢理ブラッシングなどせず、歯科でしっかり治療してもらいましょう。
どのような治療かと言うと、半埋伏している智歯の上に、中途半端に覆い被さっている歯肉をメスや電気メスを用いて外科的に切り取って除去します。こうすると、隠れている智歯が露出し、自分で磨きやすくなります。軽度の智歯周囲炎は、これで完治する事も多いです。
智歯周囲炎の治療法
軽度の場合は、抜歯までには至らず、「歯肉粘膜弁除去術」と言う外科的な手術を行います。保険適応の手術になります。
炎症が進行し、鏡で見て明らかに頬周囲が左右非対称に見えるくらい腫れていたり、つばを飲み込むとのどが痛い、口が大きく開けられないといった場合は、親知らずの抜歯が必要になります。
薬で処置できるケースもありますが、それはあくまでも対症療法です。原因となる親知らずを抜くことが、再発を防ぐ根本的な治療と言えます。ニッケルチタンファイル
抜歯後は歯周ポケットの汚れや化膿した膿が残っていたりするため、口の中に不快感がある場合があります。傷の完治とともに、約1週間ほどで治まる傾向にありますが、不快感が残る場合はドクターに相談してください。
また智歯周囲炎は、体調が悪いときに発症すると、身体全体に悪影響を及ぼしたり、のどにまで炎症が広がってしまったりすることがあります。
親知らずは自然に生えてきた場合であれば抜く必要がないこともあります。その場合でも、ケアはしっかり行うことが大切です。