舌の痛みを伴う病気
慢性的な刺激による舌炎
詰め物・かぶせ物に突起がある場合、かぶせ物が外れた箇所がとがっている場合など、たびたび舌に引っかかって刺激を与えることがあります。こういった物理的な刺激が慢性化すると、舌表面に「びらん・潰瘍(かいよう)」などの炎症が生じます。
ドライマウス
ドライマウスで口の中が乾燥すると、舌が傷つきやすくなります。唾液は「粘膜の保護作用」を持ち、潤滑油のような役割を果たしています。唾液が不足すると、舌の表面は簡単に傷つくようになってしまいます。この場合は、ドライマウスの治療をすることが、舌を守ることにつながります。(歯科診療ユニット)
鉄欠乏性貧血
鉄分の不足による貧血です。赤血球が酸素を運ぶのに使うヘモグロビンは、鉄分がなければ生合成できません。そのため、「鉄の欠乏」はヘモグロビン不足に直結します。鉄欠乏性貧血の症状には、めまい・疲労感などがあり、さらに「プランマー・ヴィンソン症候群」と呼ばれる合併症を引き起こすリスクがあります。このプランマー・ヴィンソン症候群の症状として、舌が痛む「舌炎」があげられます。
悪性貧血
萎縮性胃炎などで胃粘膜が収縮すると、ビタミンB12をほとんど吸収することができなくなります。ビタミンB12は赤血球や白血球をつくるために必要なので、ビタミンB12が欠乏すると、血液をつくっても血球が足りず、きちんと機能しません。この状態を「無効造血」と呼びます。「悪性貧血」は、ビタミンB12欠乏による無効造血で、貧血症状をきたす病気です。この悪性貧血の症状として、舌の痛みが生じます。