歯周病 歯垢中の細菌が原因、歯磨きで除去を
今回は歯周病の予防について紹介します。歯周病は中高年からの病気と思われがちですが、小中学生の約4割、20代で約7割がかかっているとされ、子供から大人までの病気です。
歯周病は、歯と歯茎の隙間の歯周ポケットにたまった歯垢(プラーク=細菌の塊)中の細菌が出す毒素などで歯周組織に炎症が起こる病気です。炎症が歯茎だけにある状態を「歯肉炎」、炎症が進行して歯周組織の奥にまで広がり歯を支えている骨が破壊された状態を「歯周炎」と言い、最後には歯が抜け落ちてしまう場合もあります。
口の中だけの病気と思われがちですが、歯垢中の細菌や歯茎の炎症によって作られた物質が血中に入り込み、糖尿病や早産のリスクが高まるなど全身の健康も影響を及ぼすことが最近の研究で分かっています。
歯周病の直接の原因は歯垢なので、予防のためには毎日の歯磨きで歯周ポケットをきれいにすることが大切です。歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、5ミリ程度に細かく動かしながら軽い力で磨きましょう。先端が細く加工された超極細毛の歯ブラシは、歯周ポケットに毛先が届きやすいので効果的です。
歯磨き剤は、歯垢の中に潜む細菌を殺菌する成分に加え、歯茎の腫れや出血を抑えたり組織を修復したりするなど歯茎に作用する薬用成分が配合された製品がお勧めです。歯ブラシに加え、デンタルフロスや歯間ブラシなどの歯間清掃用具を使えば、より効果的に歯垢を除去できます。歯垢中の細菌は寝ている間に増殖しやすいので、就寝前には殺菌剤入りのデンタルリンスを使いましょう。(根管治療機器)
歯周病は生活習慣病の一つとも言われています。バランスの良い食事や十分な睡眠で抵抗力をつけることも大切です。タバコは歯周病のリスクを2~8倍に高めると言われています。歯茎の健康のためにも喫煙は控えましょう。
かかり始めは痛みも少なく気づきにくいものですが、歯肉炎の段階ならば、きちんと歯を磨くなどのセルフケアで改善できます。少なくとも1年に2~3回は定期的に歯科健診を受け、歯茎の状態をチェックしてもらいましょう。=次回は15日掲載予定