時折、治療したはずの歯がむずがゆくなったり、再び痛みを生じることがある。時間とお金をかけて治療したのに、なぜこのようなことが起こるのか。海老沢歯科医院の院長・海老沢聡氏にお話を伺った。

「治療した歯が痛むと再治療に来られる方の多くは、歯の根っこ、つまり根管部分に問題があります。根管に潜んでいた菌が、風邪などが原因で再び増殖し、痛みを引き起こしているのです」

実は、根管治療の成功率は50%程度と言われている。というのも、歯の根っこにある菌をすべて取り除くことは難しく、残った菌は自らの体の免疫力でやっつけるしかない。ところが、風邪をひくなどして全身の抵抗力が弱まると、歯の根管に潜んでいた菌が再び増殖し、痛みを引き起こす。その結果、再治療が必要になるというワケだ。

ちなみに、同じ歯を治療する場合、治療費がかからないケースがあるという。

「銀歯などの被せ物(クラウン)は、多くの歯科医院で2年間の補償がついています。被せ物が取れたとか噛み合わせが合わないなどの問題が起きた場合、2年以内なら無料で再治療することができますよ」

補償が適用されるのは、あくまで“被せ物”だけ。歯に痛みを感じたら、やはりイチから治療し直すしかない。できるだけ再治療を避けるにはどんなところに気をつけたらいいだろう?

「完全に治したければ、早い段階で歯科にかかることですね。これしかありません。歯の痛みがひどくなってから歯科に行く人が多いのですがそれでは遅すぎます。時間が経つほど、治療の成功率もどんどん下がっていきますよ」

当然のことながら定期検診に行くことが虫歯根絶につながるという。虫歯ゼロは一日にしてならず。日々のケアを怠ることなかれ。
(中村未来/清談社)
(R25編集部)

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