歯ブラシが真っ赤に! 歯茎から出血する主な原因2つ
【男性からのご相談】 最近、歯磨きをしていて歯ブラシを見ると血がついていたり、歯磨きの後、口をすすぐと血が混じっていたりします。ひどい虫歯もないのになぜですか? どうしたら出血は止まりますか?
●A. 歯茎からの出血はまず歯周病が疑われます。
こんにちは。健康管理士のSAYURIです。スッキリするはずの歯磨きも、出血があると、なんだか心配になってしまいますよね。
歯茎からの出血には大まかに2つの原因が考えられています。1つは間違った歯磨き、もう1つは歯周病です。
●歯磨きの方法は大丈夫?
男性に多いのが力を入れ過ぎた歯磨き。特に歯ブラシの毛の部分が硬いものを使い、それでも毛先が広がるようであれば力が入りすぎている可能性があります。力が入りすぎた歯磨きは歯茎を傷つけてしまい、出血の原因になります。
もうひとつは歯周ポケット用の極細毛の歯ブラシ。こちらは毛は柔らかいのですが、歯周ポケットを素人が磨こうとすると、極細毛が毛細血管の多い歯肉の内側を傷つけてしまうだけでなく、汚れを奥に押し込んでしまい、かえって細菌を繁殖してしまう可能性もあります。
●なんと! 成人の約80%が歯周病!?
公益財団法人8020推進財団の調査によると、日本人成人の約80%が歯茎に炎症が認められているそうです。これは成人だけでなく、5~14歳の33.4%、15~24歳の70.3%の歯ぐきに炎症がみられるのだそうです。
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私たちの歯にこびりつく歯垢(プラーク)は、まさに細菌のかたまりです。わずか1mg中に10億もの細菌がすみついているといわれています。その細菌の中に、むし歯の原因菌や歯周病の原因菌がいるのです。
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現在、歯周病の原因菌だと分かっているのはその中のわずか10種類に過ぎませんが、歯周病は細菌感染症であることに間違いはなさそうです。
そして、この歯周病が厄介なのは、歯や歯茎だけでなく、全身に影響を及ぼしてしまうことです。歯周病がはっきり影響していると報告のあるものだけで、肺炎、動脈疾患、低体重児の出産、感染性心内膜炎があり、他にも潜在的な影響が指摘されているものとして、骨粗鬆症や社会的心理的ストレスなどが挙げられています。
●食事はよく噛んで、正しい歯磨きを!
歯周病の増加と大きく関係しているのが、食事口腔内カメラの咀嚼(そしゃく)回数。
今の日本人は加工食品などの発達で柔らかいものを好むようになり、食事1回当たりの咀嚼回数は約600回。1口当たり6~8回程度の咀嚼です。これが70年前だと、食事1回当たりの咀嚼回数は約1,400回。弥生時代まで遡ると4,000回。
随分、噛まなくなっているのが分かると思います。よく噛むことで唾液の分泌が促進され、口の中の殺菌をしてくれるのですが、咀嚼回数が少ないほど、その効果は期待できないので、まずはよく噛んで食べることが大切です。
そして、歯科などで、正しい歯磨きの方法を習って実践することが、歯周病の最も効果的な予防法かと思います。正しい歯磨きの習得のため、現在の出血を早く止めるためにも一度歯科医を受診した方が良さそうですね。