在宅酸素療法
(1)在宅酸素療法の適応判定
在宅酸素療法(HOT)の健康保険適応基準は以下の通りですが1.に関してはパルスオキシメーターによる測定でも可能となっており、血液ガスとの併用が一般的です。
1.高度慢性呼吸不全例
病状が安定しており、空気吸入下で安静時のPaO2 55mmHg 以下、もしくはPaO260mmHg 以下で睡眠時又は運動負荷時に著しい低酸素血症をきたすもの。
2.肺高血圧症
3.慢性心不全
医師の診断により、NYHA III 度以上であると認められ、睡眠時のチェーンストークス呼吸がみられ、無呼吸低呼吸指数(1時間当たりの無呼吸数及び低呼吸数をいう)が20以上であることが睡眠ポリグラフィー上確認されている症例。
4.チアノーゼ型先天性心疾患
(2)酸素処方の決定
酸素の必要量などは個々の病態によって異なるので、主治医は、患者ごとに適切な酸素供給源、酸素流量、吸入方法、吸入時間、安静時・労作時・睡眠時の吸入量を処方します。
(3)在宅酸素療法患者の指導管理
保険診療上、在宅酸素療法患者は最低1ヶ月に一度の医師による診断・指導管理を受ける必要があり、血中酸素飽和度のチェックを必ず行う必要があります。
また長期HOT患者では、定期的に終夜SpO2 モニターして、睡眠時に低下していないかを確認し、必要があれば睡眠時低換気の有無を検討するために睡眠ポリグラフィー(PSG)が行われます(血中酸素濃度計)。
(4)在宅酸素療法患者への教育
自覚症状に乏しい、在宅酸素療法への心理的抵抗が大きいなどの理由で酸素療法を医師の処方通りに行えない患者に対し、日常生活においてパルスオキシメーターを携帯させ酸素飽和度の低下を実感させることで、患者の酸素療法の取り組み意識を高めることにも利用されています(生体情報モニタ)。