歯のエナメル質について教えて下さい
◆◆◆ エナメル質 ◆◆◆
口をあけて白く見える部分、歯冠の一番外側の組織を 『エナメル質』 といいます。エナメル質の 構成成分は、ほとんどが リン酸カルシウムの一種である 無機質のハイドロキシアパタイトであり、ごくわずかに 有機質のエナメルタンパク質を 含みます。人間の体の中で 最も硬い組織で、水晶(モース硬度7)と同じくらいの 硬さがあります。しかし その反面、もろいという 実は 意外とデリケートな特徴も 持っています。同じ歯でも 場所によって 厚さが異なり、永久歯では 前歯の先端、また奥歯では 盛り上がった部分で 最も厚く(2~2.5ミリ)根元になるほど 薄くなっていきます。
歯の縦切断面図
エナメル質は 一度 その組織が 破壊された場合、再生することは ありません。一度 虫歯になってしまったエナメル質は もとの状態を取り戻すことができません。「虫歯にならないように 日頃からしっかりと歯磨きをして予防しましょう。」というのは、そういった理由からです。また、人間の体の中で最も硬い組織とはいっても、毎日使っているうちに 年齢とともに 少しずつ すり減っていき(咬耗:こうもう)薄くなっていく傾向があります。
エナメル質自体は知覚を感じないため、エナメル質自体が傷ついても痛みを感じることはありません。しかし、エナメル質が傷つき削れて、その下の組織、象牙質が露出すると、象牙質にさまざまな刺激が加わった際に、象牙質を通じて象牙細管⇒歯髄神経へ刺激が伝わり、「歯がしみる(痛む)」知覚過敏の症状が現れるのです。
ただエナメル質は強固なため簡単に削れることはないため、実際には、歯の根元部分のエナメル質がほとんどない部分(欠けやすいセメント質部分)で知覚過敏が起こることが多いです(根管長測定器)。