オフィスにはたくさん先進的機器や薬剤はあるけど…。どんな薬剤や最先端医療機器を使おうが基本で必須はマイクロスコープ顕微鏡歯科治療でなければ始まらない。

学生時代は根管治療ほどつまらない学問はないと感じていた。マイクロスコープがなかった時代は全ての歯科医師の根管治療は天井を見ながらもしくは目をつぶりながら指先の感覚だけを頼りに根管治療根管長測定器をしていたからだ。今となってはレントゲンだけで神の手と目があるかの如く何もかも分かったかのように自慢する歯科医師や電気的根管長測定器すら使っていない歯科医もいた多くいた時代である。どんな科学的なことを語られようが全く見えていない指先の感覚だけの治療には興味はわかなかった。

2000年代に入りマイクロスコープ顕微鏡歯科治療が普及し始めると未知だった世界が見えるようになった。根管の中が見ながら治療出来るようになり、根管拡大形成用ファイルマイクロがないそれまでの時代は歯をブチ抜いて『ネジコロインプラント』をネジネジブチ込みましょうという歯が、いとも簡単に誰でも治せるようになり(治せない歯もたくさんありますよ)自分の興味は顕微鏡歯科治療の可能性を追求することへと移り変わった。
この患者さんは何年もの長いあいだ歯肉から膿みが出てニキビのようになり悩んでいたとのことである。治療は複数回いろんな歯医者でしたようだ。抜くしかないと諦めていたようだ。今回は顕微鏡で治療を行う歯科医師を探し。

長い間悩んでいるという膿みが外側に出ている

内側にも膿みが出ている。(下の真ん中やや右寄り辺りのデキモノ)

世界最先端のコーンビームCTを開発している教授へ歯のCT撮影依頼をし、治療に取りかかった。

歯の中は汚染された物質で感染。肉眼での治療を複数回を受けたとのことであるが見えなかったために困難であったと思われる。この汚染物を顕微鏡歯科治療下できれいにすることから始める。

患者さんが何年も悩んでいたという外側の膿みが無くなった。内側(舌側)はその後数回の治療で消失。根管を開けるのには数回の治療を要した。