こんな症状があったら歯髄炎を疑ってみよう
歯に強い痛みが生じるのは、歯の内部の歯髄と呼ばれる神経組織に、何らかの刺激が加わっているからです。神経付近での炎症になるので、通常は大きな痛みを伴いますが、自覚症状の少ない慢性的な歯髄炎もあります。
歯髄とは、歯の組織の中心部で、血管や神経が通っているところです。歯髄炎とはその部分が炎症している状態。神経が通っているので、ここに細菌が入り炎症が起こると、当然、大きな痛みを伴います。
1 激痛をもたらす歯髄炎とは
歯髄が炎症を起こすと、血液が増えるとともに免疫細胞が送り込まれ、すぐ近くの神経を圧迫するので、激しい痛みが生じます。従って、脈のリズムに合わせて、ズキズキとした強い痛みになります。主に、虫歯や歯周病が原因で、歯髄に細菌が入り、歯髄炎へと至ります。
2 急性の歯髄炎の症状
急性状態の場合、食事中以外の、何もしていないときにもズキズキとした強い痛みがあります。また、歯を噛みあわせたときに痛みが生じ、冷たいものや熱いもの、甘いもの、酸味のあるものを食べたときなどにも、大きな痛みを感じます。
3 自覚症状の少ないのが慢性歯髄炎
慢性状態の場合には、噛んだ時の歯の不快感や違和感はあるものの、激しい痛みを伴うような大きな自覚症状がないケースもあります(電気的根管長測定器)。
4 歯髄炎かどうか歯科医に診断を
大きな痛みを伴う場合は、歯髄に何らかの刺激が生じていると考え、少しでも早く、歯科医に診てもらうべきです。噛んだ時の不快感や違和感がある場合でも、そのまま放置せずに、歯髄炎を疑って、速やかに歯科医に相談してみましょう。