大人になってからでも間に合う? 子どもとは違う? 反対咬合(受け口)の矯正方法
上の歯よりも、下の歯が前に出てしまう反対咬合。
遺伝することが多く、両親のどちらかが反対咬合のとき、多くの場合子どもにもその特徴があらわれます。
幼児のときに発覚するので、子どものうちに矯正してしまう人も多いよう。
また、大人になってから反対咬合の矯正を始める場合、子どもの矯正とは違った方法をとるそうです。
反対咬合の矯正方法
反対咬合の基本的な矯正方法をまとめました。
■ 前歯が乳歯のとき:マウスピース
前歯の永久歯が生える前に行うのがマウスピースによる治療法です。
ムーシールドやT4K、拡大床などのマウスピースを使い治療します。口の中に透明のマウスピースを入れるので違和感が最初はありますが、子供の場合すぐ慣れます。
子どもは無意識に外してしまうことがあるので、慣れるまで大人のフォローが必要になります。
舌の位置や使い方にも支障があるので改善するような訓練も必要です。
期間は半年から1年半年程度かかり、金額は症状よって7万~35万円程度とひらきがあります。
■ 前歯が永久歯になってから:矯正治療
前歯が永久歯になってからは、上あごを広げて上あごの成長を促す矯正治療をおこないます。
期間は1年半から2年くらい、費用は15万円程度から50万円位が一般的。また、治療が終わってからも定期的な検診をおこなう必要があります。
「子供の場合、身長の伸びと下あごの成長は関連があるため、成長が完了する年齢までは定期的な検診が必要です。女子は16歳くらい、男子は19歳くらいまでです。」
– (中村デンタルクリニック 院長 中村朋美)
■ 永久歯が生え揃ってから:ブラケット矯正
歯がすべて永久歯になった後は、ブラケット矯正という方法をとります。
歯の1本1本にワイヤーを通して歯の位置を治療していきます。
大人の反対咬合矯正、ブラケット矯正って?
ブラケット矯正は一般的な矯正方法です。
期間は人によって違いますが、だいたい2、3年程度で金額は80~140万円程度が一般的です。
また、ブラケット矯正には歯の表側につけるものと裏側につけるものがあります。
表側は目立ちやすいので、すぐに「矯正している」というのが分かります。
一方、裏側は目立たずに矯正をすることができます。ただ、まだ対応している歯科が少ないようです。
ブラケット矯正は、装着してすぐには鈍い痛みや違和感を感じます。また、歯ブラシや歯間ブラシが届きにくく、虫歯や口内炎になることもあるそうです。
■ 外科治療
反対咬合の治療方法には、外科手術を行う場合もあります。
期間は3、4年かかります。下顎全体を手術で移動させてかみ合わせをキレイにする方法です。
「こちらは術前と術後に矯正が必要となります。」
– (中村デンタルクリニック 院長 中村朋美)
解決に向かって前向きな治療を
反対咬合の矯正は長くかかるので気持ちが折れてしまうこともあります。
しかし、少しずつでもキレイなかみ合わせに近づいていってるはずなので、諦めずに続けていきたいものです。
治療が終わった人は、みんな自信を持っているように感じました。見た目だけではなく心にも効果のある矯正のようです。歯科矯正器具