外出先で歯みがきができない時に、ついつい砂糖不使用のガムを歯みがき代わりにすることはありませんか? でも、この“砂糖不使用ガム歯みがき”、実は歯をむしばむ危険があるようですよ。

イギリスのニュースサイトdailymailから、最新の研究に関するニュースをお伝えいたします。

イギリスの歯科雑誌に掲載された研究論文によると、歯に優しいとされている砂糖不使用製品には“隠れた危険”があるとのこと。

ボストン大学、ヘルシンキ大学などから構成された研究チームが、虫歯対策に使われている砂糖の代用品の調査をしたところ、砂糖不使用の菓子や飲料に含まれる酸味料の“認識されていなかったリスク”が判明しました。

そのリスクとは、キシリトールやソルビトールが、口内の酸度を高める働きがあるという点です。(このふたつだけでなく、糖アルコールの代用品や多価アルコールに酸度を高める働きがあるとか)

口内の酸度が高まると、歯の表面のエナメル質をむしばみます。特にフルーツの風味がついていると、そうなりやすいことが明らかになりました。

糖アルコールの代用品や、多価アルコール(キシリトールやソルビトールなど)は、虫歯リスクを減らす効果があるのですが、同時にこんなリスクも存在していたというわけです……。

では、砂糖不使用のお菓子は実際に歯にとってよいものなのでしょうか? 研究チームは、ソルビトールやキシリトールを含む商品が増えている昨今、消費者は口内酸度アップという隠れた危険についても知るべきだと警告しています。

ボストン大学のソック・ジャ博士は、「砂糖不使用の製品は歯に安全だと思いこんでしまい、安全性を過信しがちです」と警告しています。口腔洗浄器

メーカーはどのように考えているのでしょうか? チューイングガム会社スポークスマンのリグリー氏は、下記のように答えています。「過度に大量な砂糖不使用ガムを毎日噛まない限り、この研究にある問題はさほど心配する必要がないものと考えます」

当然かもしれませんが、研究者vs.メーカーで、意見が対立してしまいました。そこで最後に、この研究についてdailymailにコメントを寄稿した英国歯科医師会科学顧問のダミアン・ウォルムスレー教授の意見で締めくくりましょう。

「砂糖不使用であっても、酸味のフルーツ風味の食品を使用することには注意が必要だということですね。外食時などに多用すると、虫歯リスクを高める可能性があります。

食後に砂糖不使用ガムを噛むことで、虫歯のリスクを下げることは可能ですが、そこでフルーツ風味以外のものを選ぶことが必要です。そして一日に2回、食後に歯をみがくことや、定期的に歯科検診を受けることも大切です」

間をとった感のあるコメントですが、やっぱり歯みがきが大切なんですね。とは言え、最近は食後すぐの歯みがきは良くないとの意見もあるので、念の為ちょっと時間を空けてからするようにした方がいいかもしれません。

これを読まれたみなさん、どうか面倒がらずに歯みがき&歯科検診で、歯の健康をしっかり守ってくださいね。