みなさんは歯磨きするときに、“歯と歯の間”まできちんとブラッシングしていますか?

サンスター株式会社が60歳以上の男女312人に行なった調査によれば、歯と歯の間を手入れするための歯間清掃具を毎日利用している人は、全体の17パーセントしかいないという結果が出ています。

このように、日常的に歯を磨く人でも、毎日歯の間を歯間ブラシやフロスで清掃している人は少ないというデータは、類似の調査でも繰り返し判明しています。そして、その現状に歯科医は強く注意を訴え続けています。その理由は何なのでしょうか?

そこで今回は、富山県の小矢部市でクリニックを開業している歯周病専門医の渡辺先生の協力の下、歯間の掃除を怠ることによる歯周病リスクについてお伝えします。ウォーターピック

■歯と歯の間に隠れている歯茎には“角化層が無い”

歯と歯の間に隠れている歯茎には、重大な弱点があります。じつは歯間の歯茎だけは、他の部位と異なり表面が“角化”されていません。そのために、細菌などの外敵に極めて“弱い”のです。

“角化”とは耳慣れない言葉ですが、歯茎の表面が硬い層で覆われた状態のことを言います。残念ながら歯と歯の間に隠れている部分の歯茎だけは、硬い層が存在しないのです。

歯周病菌などの細菌は、歯垢(プラーク)の中にぎっしりと詰まっています。歯間ブラシやフロス(糸状の清掃具)で、歯と歯の間にある歯垢を毎日かき出してあげないと、無防備な歯間の歯茎が真っ先に歯周病菌などに感染してしまう恐れがあるのです。

毎日、フロスや歯間ブラシなど歯間清掃具を利用した方がいい理由は、まさにそこにあるのです。

■歯周病の人は不自由な思いをしている

冒頭の意識調査でも、重い歯周病患者の6割以上が、

「歯と歯茎さえ健康であれば、もっと食べたいものが自由に食べられるのに」

と不都合を感じていると判明しました。

歯周病の最大の予防策は、日常的な歯間の清掃です。そのための道具が歯間ブラシとフロスです。

歯科医や関連メーカーが、通常の歯ブラシだけでなく歯間ブラシやフロスを繰り返し勧める理由は、歯と歯の間にある歯茎に、決定的な弱点があるからなのです。

以上、歯間の掃除を怠ることによる歯周病リスクについてお伝えしましたが、いかがでしたか?

今からでも遅くはありません。歯間の清掃は口臭予防にもなります。歯間ブラシもフロスも100円ショップで売っています。人生の最期まで歯と歯茎の健康を保つために、あなたもぜひ今日から歯間清掃をスタートしてください!