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子どものおやつ何あげる?歯科医が教える「虫歯になりやすいお菓子」の特徴

子どもにお菓子を与える、親としてちょっと不安になる瞬間ですよね。特に虫歯の問題がありますので、できれば控えさせたい気持ちもありますが、子どもの満足感や幸福感を考えると与えないわけにはいきません。 そこで今回は、厚生労働省のホームページ情報や、渡辺歯科医院院長の渡辺智良先生のお話を参考に、虫歯になりやすいおやつの特徴をまとめました。 ■砂糖を多く使っている・歯に残りやすい食品 そもそも虫歯になりやすいお菓子の特徴は、 ・砂糖を多く使っている ・歯に残りやすい といった点が重なる食べ物だとか。 1940年代後半から50年代にかけて、食べ物が虫歯に与える影響を436名を対象に調べたスウェーデンの研究では、「砂糖が入った食べ物を食べると虫歯リスクが増える」「歯に付きやすいおやつを食べると虫歯リスクが増える」「歯に付きやすいおやつを減らすと、口腔内カメラ虫歯リスクが減る」といった現象が確認されたそうです。 その後1984年に英国で行われた2年間の追跡調査でも、砂糖を最も消費したグループは砂糖摂取が最も少なかったグループと比べて約倍の虫歯増加傾向が確認されたそう。 もちろん、歯磨きの習慣や磨き方で虫歯の増減は大きく変わるはずですが、いずれにせよ砂糖の多く、歯に付きやすい食べ物は要注意なのですね。 ■2:ビスケットやあめ、ガムなどに要注意! では、具体的に要注意なお菓子は何でしょうか? 子どもがよく口にする食べ物を考えると、 (1)ビスケット、クッキー (2)あめ、キャンディー (3)ガム (4)炭酸飲料、乳酸菌飲料 上記4つのリストを渡辺先生に見てもらったところ、「正しいと思います」との回答が得られました。 ビスケットやクッキーを食べれば分かりますが、歯のすき間や親知らずの周辺に残ってしまいますよね? あめ、キャンディーも長く口に残りますし、「歯に細菌が付着する接着剤の役割を(あめの砂糖が)果たしているのだと思う」と渡辺先生は教えてくれました。 ただ、ガムに関しては「キシリトール100%のガムは事情が違います。唾液の分泌も増え、機械的にガムが歯に触れるのでプラークを落とす効果もある」とのこと。要注意なガムは砂糖の多く入ったガムですね。 以上、虫歯になりやすいお菓子をまとめましたが、いかがでしたか? プリンやゼリーなど、歯に残りにくいお菓子は砂糖が多くてもまだ虫歯のリスクは少ないという意見もあるようです。 ただ、なんであれお菓子を与えた場合は、日本小児歯科学会からも助言が発表されているように、すぐに水やお茶を飲ませるだけでも虫歯予防の効果があるそうですよ。
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歯科医に聞いた!虫歯の自然治癒を促進する方法

虫歯が自然治癒する? 虫歯は「一度できてしまうと、歯科医で治療を受けない限り、治ることがない」と思っていませんか?でも実は、虫歯も自然治癒するのです。 虫歯の原因菌は、食べ物に含まれる糖分をエサにして酸をつくり出します。そしてこの酸によって、歯の表面の「エナメル質」の中から、カルシウムやリンが溶け出してしまい、虫歯となるのです。このように、エナメル質から歯の成分が溶け出してしまうことを「脱灰」といい、脱灰は、食事をするたびに起こっています。 しかし、カルシウムやリンは唾液にも豊富に含まれているので、少し時間が経つと、唾液によって歯の表面に補充され、歯が修復されていきます。これを「再石灰化」といい、虫歯を自然治癒させためには、脱灰をできるだけ抑え、再石灰化を多くさせることが重要です。 再石灰化を促すには? 歯の自然治癒を促すためには、次のことを心がけましょう。 【歯磨きとデンタルフロス】 虫歯の原因菌は、歯に付着しているプラーク(歯垢)の中にいます。酸によって、歯を溶かされないように、毎日の歯磨きを徹底しましょう。また、歯ブラシだけでは、歯と歯の間のプラークを取り除けないので、デンタルフロスも併用することが大切です。 【フッ素を塗布する】 フッ素には、初期の虫歯を治す、歯を強くする、虫歯菌の活動を抑えるという3つの効果があります。フッ素入りの歯磨き粉を使ったり、歯磨き後にジェルタイプのフッ素を歯に塗ったりしましょう。 【間食の回数を減らす】 ちょっとした間食でも、口の中で酸が作られ、歯が溶かされてしまいます。もちろんその後で、再石灰化も行われますが、食事の回数が多かったり、ダラダラと食べ続けたりしていると、歯が溶ける時間が長くなります。1日3食の規則正しい食生活を送り、間食を控えるようにしましょう。また間食をするなら、ちょこちょこ食べたりせず、時間を決めて食べることが大切です。 【キシリトールガムを噛む】 キシリトールには、虫歯の発生や進行を抑制する効果がある上に、キシリトールガムを噛めば、唾液がたくさん分泌され、再石灰化を促進してくれます。食後はキシリトールガムを噛むのがおすすめです。 【就寝前に食べない】 睡眠中は唾液の分泌が減って、再石灰化が起こりにくいので、寝る直前に食事や間食をすると、歯が溶け続けてしまいます。夜寝る前に歯を磨いたら、それ以降は飲食をしないようにしましょう。光照射器 歯科 再石灰化の注意点 今回は、虫歯の自然治癒を促進する方法をご紹介しました。しかし、再石灰化で修復できるのは、穴が空く前の初期段階の虫歯で、穴が空くほど進行した虫歯では、唾液の力で進行を止めることはできても、治すことはできないといわれています。 また、虫歯が治っているのか、進行が止まっているのかは歯科医でないと確認できません。「再石灰化されているから大丈夫」などと考えず、定期的に歯科医院で歯の検査を受けましょう。その際、歯のクリーニングを受けるのも、虫歯の予防に大いに役立ちます。
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えっ…噛む回数が関係?「虫歯を出来やすくする」食習慣4つと予防法

キィーーンというむし歯を治療する音は子どもだけでなく、大人になっても嫌なものですよね? だからこそむし歯にはなりたくないもの。 しかし毎日きちんと歯を磨いているつもりでも、むし歯ができてしまうことってありますよね? これはなぜなのでしょうか?歯科ユニット 実は、毎日のなにげない行動がむし歯を引き起こす原因となっているからかもしれないのです。そこで今回は、管理栄養士である筆者が、むし歯の要因となる食生活についてご紹介致します。 ■甘いもの好きがむし歯の原因ではない!? 甘いものが好きでもむし歯にならない人がいるように、砂糖を食べただけではむし歯になりません。 むし歯の感染には、以下の3つが関係しています (1)細菌で歯を溶かす元となる“ミュータンス菌” (2)ミュータンス菌が歯を溶かすためのエサとする“糖質” (3)個々人の歯の“質” これらが組み合わさり歯の表面に菌や糖質が多くなると、酸が作られ歯をどんどんと溶かして、むし歯を作ります。 ■むし歯ができやすくなる食習慣 それでは次に、むし歯ができやすくなる食習慣をみていきましょう。 (1)キャラメル・ソフトキャンディの間食 お菓子は糖分が多く使われているものがほとんどですが、特にキャラメルやソフトキャンディは歯にペタッと貼り付きやすく、歯に糖分をべったりとつけてしまいます。 また、口の中で糖分が滞っている状態を作るので、むし歯を作りやすくしてしまいます。 (2)噛まない食事 大人も大好きなファーストフードやハンバーグ、パスタなどはあまりよく噛まなくても食べられる食事です。手軽に食べられるので、ほぼ毎日食べている人も多いのではないでしょうか? 噛まない食事は顎を使うことが少なく、歯の土台の歯茎が弱くなり、歯の質を悪くしてしまいます。 さらにこれらは糖質も多い食事です。これだけでもむし歯の要因が2つあるのに、加えてむし歯予防となる唾液があまり分泌されないのも原因となるのです! (3)欠食 朝ごはんを食べない人も多くいますよね。そうすると、夕飯から次の日の昼食まで、ほとんど唾液を分泌する機会がありません。それが原因で、口の中は菌が繁殖し、口臭の原因にもなります。 (4)不規則なだらだら食事 朝・昼・夜以外にも、いつも口の中に食べ物が入っている状態だと、むし歯になる菌のエサが常にある状態になり、むし歯ができやすくなります。 ■むし歯の進行を遅らせる・なりにくい歯をつくる方法 一方で、むし歯は毎日の食事の中で予防することができます。今度は、むし歯の進行を遅らせる、むし歯になりにくくする食品や食習慣をご紹介します。 (1)よく噛むもの・硬いもの むし歯になりにくくするためには、唾液をしっかり出すためにもよく“噛む”もの、“硬い”ものがオススメです。 唾液には食べたものや食べカス、むし歯の元となる細菌を洗い流したり、酸を中和させてむし歯を予防したりする働きもあります。玄米や大豆製品、ゴマやごぼうなどを食べるようにするといいですね。 子どもが好きなラーメンやオムライス、カレーなどは、あまり噛まなくても食べられてしまうので、雑穀米を混ぜたり、こんにゃく、生野菜、根菜野菜などを厚く大きく切って具材に使ったり、よく噛むような工夫をするといいですね。 (2)キシリトール…
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むし歯にならない「正しい仕上げ磨き」とは?

子どもが1人で歯を磨けるようになるまで、子どもが歯磨きをしたあとに親が行う仕上げ磨き。むし歯にならないよう、親がきちんと磨いてあげることが大切です。そこで、正しい仕上げ磨きの方法について、小児歯科専門の歯科医院「アリスバンビーニ小児歯科」で理事長を務める丸山進一郎先生に伺いました。 ■口の中がよく見える姿勢、場所で毎食後、仕上げ磨き 「仕上げ磨きをする時は、姿勢、場所、タイミングが重要」と丸山先生。それぞれのポイントを紹介します。 ■子どもの頭を固定できる姿勢で 「親の膝の上に子どもの頭を乗せるように寝かせます。頭と体が安定し、口の中もよく見えるのでおすすめです。頭を固定しないと、歯を磨くときに力がかかって子どもが動いてしまい、口の中を傷つけてしまう場合があるので気をつけましょう。」 「1歳半から2歳半ぐらいまでは、平衡感覚をつかさどる三半規管の近くの脳細胞が盛んに発達するとき。仰向けに寝るのが不安定で、嫌がる子どもがいます。そのときは無理をせず、膝の上に座らせ、後ろから子どものあごを利き腕でない方の腕で支え、顔を少し上向きにしながら磨きましょう。」 ■口の中がよく見える明るい場所で 「口の中がよく見えるよう、昼間なら光がよく入る窓側、夜なら家の中で1番明るい場所を選びましょう。夜にしかしっかりと仕上げ磨きができない場合は、週に1度ほど、市販されている歯垢の染め出し剤を利用し、磨き残しがないかチェックしましょう。 ■できれば毎食後、夜寝る前は特にしっかりと 「食べたら磨く、という習慣を覚えてもらうためにも、食事やおやつの後は毎回歯磨きをするのが望ましいですね。特に、夜寝る前は必ずしっかりと仕上げ磨きを行って下さい。寝ている時は唾液の分泌量が少なくなるため、むし歯菌が繁殖しやすくなるためです。」 ■子どもが使う歯ブラシと仕上げ磨き用は分けよう 歯ブラシを選ぶ時には、子どもが自分で磨く歯ブラシと、仕上げ磨き用の歯ブラシは分けたほうが良いそうです。仕上げ磨き用はできるだけ頭の部分が小さくて、柄が長めで大人が持ちやすいものを選ぶと良いとか。ペンを持つようにして、反対側の手指で子どもの唇を軽くめくり、歯ブラシを動かしましょう。 では、仕上げ磨きをする時には、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。 「歯磨きの基本は、(1)歯ブラシの毛先を使う、(2)毛先の部分を歯の面に対して直角方向に当てる、(3)軽い力で小刻みに動かす、の3つ。むし歯の原因となる歯垢をより効果的に落とすためにも、磨く場所に合せて毛先の面を使い分けましょう。」 歯ブラシの毛先には名称があり、左右の両端を「わき」、ブラシの一番上の部分を「つま先」持ち手に近い方を「かかと」と呼ぶそう。 「歯並びや歯の形は人によって様々。歯ブラシの毛先の面を使い分けながら、歯の形、歯並びにあわせて磨きましょう。ゴシゴシと力を入れれば歯垢が落ちるわけではありません。歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で磨きましょう。」 それでは、具体的な磨き方を紹介します。 ■正しい仕上げ磨きの方法と、特に注意すべきポイントは? ■前歯は隣の歯との境目までしっかり磨く 「歯の中央部は毛先全体を使って磨きます。1本1本の歯の左右の端のほう、隣の 歯との境目あたりは磨きにくいので、右側部、左側部それぞれ『わき』を使い歯ブラシを立てた状態で1本ずつ磨いていきます 。磨きにくい歯の裏側は『かかと』を使い、1本ずつ磨きましょう。」 ■奥歯は表面の溝に磨き残しが多い 「奥歯は、歯の表面に溝や凹凸があり、磨き残しが多いところ。歯の面を奥側、中央、手前側に分けて磨きます。歯列と並行になるように歯ブラシを入れ、中央部は歯ブラシを少し傾けて毛先の『わき』を、手前側は『かかと』、奥側は『つま先』を使うと磨きやすいです。 」 ■小さなすき間の磨き残しはデンタルフロスで 「歯と歯の間など、歯磨きだけでは汚れが落ちにくい箇所があります。子ども用のデンタルフロス(糸ようじ)が市販されているので、歯磨き後に使用すると良いでしょう。歯と歯の間のすき間が狭い子どもはとくに習慣づけたいですね。」 ■歯磨き後のうがいもしっかり行って 「歯磨きが終わったら、うがいをしてばい菌の固まりを吐き出しましょう。ただし、うがいができない年齢の子どもは、しなくても問題はありません。」 ■乳歯が生え始めたら、歯磨きの習慣づけをスタート…
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ストレスが溜まると虫歯になっちゃうの?

疲れやストレスで虫歯リスク増加? 日ごろ生活していると、どうしてもストレスが溜まってしまいます。『最近疲れが溜まってきたわ~』とか『ストレス溜まってムシャクシャしてる』って言ってる方近くにいますか?もしかして貴方自身が言ってやりしますか?忙しい現代人、ストレスが溜まった状態になっている人は”虫歯になりやすい”環境に口の中がなっているかもしれませんので注意してください。 疲れやストレスを感じることで交感神経が過剰に反応して優位になり、副交感神経の働きが鈍くなります。 副交感神経というのは唾液の分泌にかかわっている重要な神経です。この神経が鈍くなることによって唾液の分泌が減少します。超音波スケーラー 家庭用 このサイトの中で何度も書いていますが”唾液”というのは歯を虫歯から守るのにとても重要です。”唾液”は酸を中和しpHバランスを維持して口腔内を中性に保たせます。これにより虫歯菌の活動を抑制させる効果があるなど大活躍です。それだけでなく自浄作用効果や歯の再石灰化にも大きく関わってきます。 ですから、その”唾液”が減少してしまうと、口腔内の環境が悪くなってしまい、虫歯の発生につながってしまうのです。
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赤ちゃんの卒乳が遅れると「乳歯の虫歯リスクが高まる」と判明

子どもとのスキンシップを重視するため、あるいは子どもが泣き叫んで求めるために、なし崩し的に卒乳の時期を逃しているお母さんもいるかと思います。 しかし実は、乳歯が生えそろっている子どもに母乳を与え続けると、虫歯のリスクが高まるとご存じでしたか? そこで今回は、子どもの卒乳時期と虫歯の関係についてお伝えします。 ■卒乳の遅れは子どもの歯に悪影響 卒乳は、できるだけ乳歯の生えそろう前に行なってください。母乳には7パーセントほど、“乳糖”と呼ばれる糖分が含まれています。その糖分が虫歯菌のえさとなって、口の中の細菌が増え、乳歯の虫歯が増える可能性が高まるからです。 実際に虫歯と母乳の関係を調査した研究によると、2歳でも母乳を長期間飲んでいる乳幼児は、卒乳をした子どもと比べて虫歯が多いとわかっています。 ■理想的な時期は、乳歯が多く出てくる前 乳歯が生えてくる時期は、子どもによってかなり異なります。生後3カ月ごろから最初の歯が生えてくる子どももいれば、1歳になってようやく1本目が生えてきたという子どももいます。 そのため、“生後1年できっかりと断乳をするべき”など、時期を明示できない難しさがあります。大まかな目安は、乳歯が多く出始める前です。そのころに自然と卒乳をさせていくスケジュールが、虫歯予防の点から言えば理想的とされています。 この日に断乳と区切るのではなく、子どもの成長と歯の生え方を見ながら、自然と卒乳できるように調整できると理想的です。 ■寝かし付けながら、あるいは寝る前の授乳には注意 子どもが泣き叫ぶなど、卒乳が簡単ではない場合でも、寝かし付けながらの授乳や寝る直前・夜間の授乳には注意してください。 大人でも同じですが、夜間は唾液(だえき)の量が減るので、口の中が細菌にとって好ましい環境になります。口の中に母乳の糖分が残っていると、dentalzz虫歯菌に大量のえさを与える形になってしまいます。 以上、子どもの卒乳時期と虫歯の関係についてお伝えしましたが、いかがでしたか? 子どもの反応を見ながらつい許してしまう場合も多いとは思いますが、乳歯の生えそろった状態で母乳を与え続けると、虫歯のリスクが高まると改めて理解しておきましょう。 これから卒乳期を迎えるお母さんは、お父さんとも協力するなど、いろいろ工夫してみてくださいね。
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虫歯になりやすいかは4歳までに決まる? 歯科医師が母乳を推奨するわけは?

虫歯の原因となる菌の中で、最も虫歯への影響力が大きいのは「ミュ―タンス菌」だと考えられている。この感染を防ぐ一番のチャンスが、生後すぐに訪れることをご存知だろうか。そこで今回、子どもの歯の健康・歯並びのために生後すぐに気をつけておきたいことを、歯科医師の倉治ななえ先生にうかがった。 乳歯が生えそろうまでの期間が大事 生まれたばかりの赤ちゃんはミュ―タンス菌をもっていないにも関わらず、日本人の約9割はミュ―タンス菌に感染しているという。この感染は、母親から子どもにうつる「母子伝播(でんぱ)」の割合が高い。つまり、これを防げるかどうかで、子どもの歯の環境が変わってくると言っても過言ではない。 ミュ―タンス菌はどのようにして虫歯をつくるのか。まず、ミュ―タンス菌は口腔内でグルカンというネバネバした物質を生成し、歯の表面に張り付いて歯垢(プラーク)を形成する。このミュ―タンス菌由来のプラークは非水溶性のため、歯ブラシでブラッシングをしても落ちにくいという特徴がある。プラークの中でミュータンス菌は糖分をエサとして「酸」を発生、その「酸」によって歯のエナメル質が溶け、表面から深部へと侵食し、虫歯になる。 ミュ―タンス菌に一度感染すると、根絶させることは難しい。だが、ミュ―タンス菌の感染年齢が遅いほど、虫歯リスクは低くなると倉治先生は言う。「成長とともに感染率は減り、大人になればほぼ感染しません。目安としては子どもが4歳になるまで。その中でも特に、歯科医療機器乳歯が生えそろうまでの1歳6カ月~2歳7カ月は感染を防ぐ大切な時だと思ってください」(倉治先生)。 特に子どもと一番接する機会が多いのはお母さんなので、お母さん自身のミュータンス菌レベルを減らすことも大切になる。ミュータンス菌を減らすため、「フッ素が配合された歯磨き粉を使う」「キシリトールをかむ」「歯をクリーニングする」等は有効だ。 なお、ミュ―タンス菌の感染率が高いのは、日本のほかにタイやベトナムなどアジア圏などでみられる傾向だという。これは、ミュ―タンス菌が周囲の大人の唾液を通じて感染するからであり、子どもが食べやすいように食べ物をかみ砕いて与えるなどの習慣が、アジア圏に共通して言えるからではないか、と倉治先生は考えている。そのほか、子どもと同じ箸やスプーンを使って食べることも感染のリスクとなりうる。 あごを鍛えて歯並びを整える 出産後すぐにできる歯の対策として、授乳は子どもの歯にとって大切、と倉治先生は指摘している。母乳がいい、という意味ではなく、乳房から自分の力で飲み込む行為が、子どもの歯並びに影響を与えるからだ。 「母親のおっぱいから母乳を飲むために、赤ちゃんはかむ・ベロを引き込む・筋肉を働かせることを自然と行います。そうすることであごの発育が促されます。あごの発育が悪いと歯並びが悪くなるだけではなく、かみ合わせが悪くなり、虫歯や歯周病等の歯のトラブルにもつながります。離乳食を食べる時に『しっかりあごを使って』と言っても、まだ言葉を理解できない内はなかなかコミュニケーションができないでしょう。ですが、母乳で育っていると自然とあごの使い方を身につけられるものです」(倉治先生)。 実際、さまざまな理由で授乳ができないこともあるだろう。その場合は、母乳に近いタイプの人工乳首を使うことを推奨している。近年の人工乳首には、形状や硬さ、大きさなどが異なるさまざまなタイプがある。飲みやすさだけではなく、より授乳と近い環境でミルクが飲める人工乳首を選ぶことが大切になる。
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朝食抜きもNG!万年「口臭キツ子」が知らずにやってる悪習慣5つ

慢性的な口臭は、歯周病や胃腸の問題など、生理的な理由から起こることもありますが、それ以外のちょっとした習慣でも発生するんです。 そこで今回は、美容ライターである筆者が、私たちが知らずにやっている口臭の元になる習慣を、5つご紹介します。   ■1:コーヒーやお茶ばかり飲んでいる 口臭は誰にでもあるものですが、抗菌作用のある唾液が細菌の増殖を抑え口臭を防いでいます。ところが口が渇きすぎると細菌が増え、口が臭くなってしまいます。 カフェインの取りすぎは、ドライマウスを引き起こします。水の代わりにお茶やコーヒーを頻繁に飲んでいる方は、水にスイッチしてみて下さい。口臭がかなり改善されるはず。歯科用エアーコンプレッサー ■2:甘い物の食べすぎ ケーキやアイスクリームを食べると口のなかがパサつきませんか? 口のなかがお菓子のカスだらけになっていると、それらがガスを発生し酸化して口臭の原因に。また、口が渇いていると細菌が繁殖して虫歯や歯周病が進み、口臭を引き起こす場合も。 甘い物を食べた後は必ず歯を磨くか、水でうがいをしましょう。 ■3:エアコンが強い部屋にずっといる 冬は暖房、夏は冷房と、エアコンは私たちの生活と切っても切れない存在。ところが空調が効いた部屋にいつもいると、自律神経が上手く働かなくなり、唾液の分泌が低下することも。 お昼休みなどはできるだけ外へ出て歩くなど、自律神経の機能を調整しましょう。 ■4:いつも口を開けている 知らず知らずのうちに口を開けっ放しにしているときがありますよね? 口呼吸を常にしていると口が開いて渇いてしまいます。意識して口を閉じ、鼻で呼吸するよう心がけましょう。 ■5:朝食を抜く 睡眠中は唾液があまり分泌されず細菌が増殖し、朝起きたときに口臭が強くなっています。唾液は食事によって多く分泌されるので、朝食を抜いてしまうとますます細菌が増え、口の臭いがキツくなる悪循環となってしまいます。 朝は食欲がなくてもフルーツをよく噛んで食べるなど、唾液が出るように気をつけましょう。 常日頃から虫歯や歯周病にかからないようにデンタルクリーニングや、胃腸を痛めないための食習慣に心がけるのも大切ですが、口が渇かないよう水分をこまめに摂ったり甘い物を控えたりなどの注意も口臭予防に必要です。ぜひ参考にしてみて下さいね。
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子供が虫歯予防に必要不可欠!子供の「歯の教育」って?

子供の時の教育が歯の一生を左右する 虫歯や歯周病がない健康な口は、誰もが望むことですが、実際には大人になっても虫歯が1本もない人もいれば、たくさん虫歯を作ってしまい、口の中が詰め物だらけという人もいます。その人が虫歯になりやすいかどうかには、さまざまな要因がありますが、子供だった頃に親から受けた歯に対する考え方や、子供への歯の教育の仕方の違いも大きな要因です。 事実、子供の時に親から受けた歯に対する教育方針の違いは、その人の歯の一生を左右すると言っても過言ではないほどの影響があります。 歯は一生の宝物 子供が虫歯にならないためにするべき子育てで、基本となるのは、歯は一生使う大切な宝物という考えを子供へ伝えることです。虫歯になったら歯科医院で治せばいいと思っている人も多いのですが、歯は一度虫歯になると、自然に治ることはありません。また、いくら虫歯を削って詰め物をしても、歯が元の状態に戻ったわけではなく、詰め物の隙間から虫歯が再発して、さらに詰め物が大きくなってしまうことも多く、最終的には歯の寿命を短くしてしまいます。 ですので、子供に伝える一番大切なことは、歯は一度虫歯にしてしまうと、決して元には戻らないので、「一生使う宝物として大切にする」必要があるということです。 乳歯が虫歯になると大人の歯も虫歯のリスクが高くなる? 乳歯は抜けてしまうので、虫歯にしても大丈夫と思っている親御さんも多いのですが、乳歯を虫歯にしてしまうと、その後に生えてくる大人の永久歯も虫歯になる確率が高くなるといわれています。ですので、乳歯の時から虫歯を作らないように、毎日の歯磨きなど、親がしっかりとしたデンタルケアを子供のために行うことがとても大切です。 具体的には、歯磨きが自分ではできない乳幼児の時には、親が歯磨きやデンタルフロスをしてあげるのはもちろんですが、幼稚園児や小学生になって、自分で歯磨きができる年齢になっても、必ず仕上げ磨きやデンタルフロスをしてあげることがとても大事なポイントです。 「なにか食べたら歯磨きをする」習慣付けを 朝晩の歯磨きはもちろんですが、子供には、とにかくなにか食べたら歯磨きをする習慣を付けましょう。そのためには、親も子供と一緒に歯磨きをすることが重要です。子供は親の鏡といわれるように、子供は親の行動をよく見ていて、真似をするものです。子供には歯磨きをするように言っているのに、自分が実践しないのでは、子供の歯磨きの習慣付けをすることはできません。 おやつの時間と内容にも気をつける 毎日のおやつは必ず決まった時間に与えましょう。大人にも多いのですが、お菓子などを食べながら他のことをするダラダラ食べをすると、食べ物で口の中が長時間酸性の状態になってしまうため、虫歯になるリスクが高くなってしまいます。ですから、おやつは1日の中で決まった時間に短時間で食べられる物を与え、おやつを食べた後には、歯磨きをする習慣を付けましょう。また、おやつは甘い物と決まっているわけではありません。 歯や口の中に長時間残るような、クッキー、ケーキ、キャラメル、ヌガーなどの甘いお菓子は、やはり口の中を長い時間酸性にしてしまいますので、なるべく果物や煎餅などの口の中に残らない、糖分が少ないおやつを与えるようにしましょう。 定期的に歯科医院へ行く習慣を付ける 多くの人が、歯科医院は歯が痛くなった時に、治療をするために行く場所と思っているかもしれません。でも、歯科医院は、虫歯にしないために検診や予防のために行く場所でもあります。子供の時に虫歯の治療で歯科医院へ行って、怖かったり痛かったりしたことで、歯科医院はできるだけ行きたくない場所と思ってしまっている人も多いと思います。歯科機器通販 しかし、子供の時から歯の検診や虫歯の予防で定期的に歯科医院へ受診していると、歯のクリーニングや歯磨き指導などは、むしろ気持ちよいこと、楽しいことと感じるため、大人になっても歯科医院へ行くことに抵抗がなくなります。また、子供の時から歯科医院へ定期的に行っていれば、歯並びや噛み合わせなど、将来虫歯や歯周病になるリスクをこと前に指摘して
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SEや医師、看護師は虫歯になりやすい!? 歯科医が指摘する虫歯要注意の職業

歯の代表的な疾患・虫歯。誰もが、一度はその痛みに悩まされたことだろう。大人から子どもまで、年代を問わずに虫歯リスクはあるわけだが、なりやすい人や職業はあるのだろうか。 今回は、矯正歯科クリニック院長の今村美穂医師に、虫歯のメカニズム予防方法、なりやすい職業などについて伺った。レントゲン照射器 虫歯はこうしてできる まずは虫歯ができるまでの過程をきちんと理解しておこう。 私たちが食事をする際、細かな食べかすなどが歯に付着していく。このかすを歯垢(プラーク)と呼ぶが、1mgの歯垢の中には10億個の細菌が住みついていると言われている。 これらの細菌が、食事のたびに糖などの栄養を取り込み、酸を産生。この歯垢から産生された酸によって、歯の表面からミネラル成分が溶け出すことを「脱灰(だっかい)」と呼ぶ。この状態が虫歯の始まりとなる。 だが、食後しばらくすると自浄作用がある唾液などによって、歯垢は酸性から中性方向へと向かう。すると、カルシウムなどのミネラル成分が歯に戻っていき、虫歯ができにくい状態へと戻る。この状態を「再石灰化」と呼ぶ。 「歯の表面で脱灰と再石灰化が行われますが、そのバランスが崩れて脱灰が進み、再石灰化が追いつかないと虫歯になります。摂取した糖度が高かったり、唾液量が少なかったりすると、再石灰化への時間が長くかかりそれだけ虫歯になりやすくなります」。 「歯と歯の間」「溝などのへこみのある場所」「歯の詰め物と歯の境界」などの歯垢がつきやすい場所が、虫歯になりやすいと言われている。 虫歯予防を一挙紹介 虫歯で痛い目に遭わないようにするには、予防が肝要。予防には自宅・オフィスでも簡単にできる方法と歯科医などのプロにやってもらう方法があるので、まとめて紹介しよう。 自宅・オフィス編 ■就寝前の歯磨き……睡眠中は虫歯菌が活発になる一方で、歯を浄化する作用がある唾液の量も減るため虫歯になりやすい。理想は一日3回の歯磨きだが、忙しくてできない場合は就寝前に必ずしっかりと歯磨きをするようにしよう。 ■デンタルフロス……歯ブラシでは60%、デンタルフロスでは20%の歯の汚れを落とすことができると言われている。「見えない場所や、ブラシが届かないところあるため、歯ブラシだけで歯の汚れを100%取りきることは難しいと覚えておいてください」。2つの併用でも80%ほどの計算となり、歯のすべての汚れは取り除けないが、この20%の差は大きい。歯並びの悪い人は特に除去することが難しくなるので、普段から意識しておこう。 ■歯磨きできないときのガム……仕事が忙しかったり、会社のトイレで歯を磨くのが恥ずかしかったりして毎日3回の歯磨きをできないケースも多々あるだろう。そういう際は、歯磨き代わりに唾液を促すためのガムを1粒でもいいのでかむようにしよう。 歯科編 ■3DS……デンタル・ドラッグ・デリバリー・システムの略称。歯科で型どりをしてマウスピースを作ってもらい、フッ素などの薬を歯の表面や歯周ポケットの隅々まで浸透させる。唾液に洗い流されずに長時間の薬の効果が期待でき、ホームホワイトニングを実践している人もそのマウスピースを活用できる。 ■歯科用サプリメント……高濃度のビタミンCや、インプラント前後においてミネラルなどの微量栄養素を効率よく摂取できる製品など、歯科専用のサプリメントがクリニックで販売されている。「定期的に飲んでいただくことで、クリニックへの訪問間隔を徐々にあけていければと思っています」。 ■唾液検査……国をあげて虫歯予防に努めているスウェーデンでは、虫歯リスクを患者に説明するための専用ソフトなども開発されている。各種唾液検査も、唾液量や細菌の数・種類などを知るため、歯科医院でできる簡易検査から培養発注する精密検査まで行われている。唾液量や虫歯菌の数、食事の頻度、虫歯の経験、汚れのつき具合などを分析することで、自分の虫歯のなりやすさがわかる。 「今は、虫歯もソフトを使って管理する時代です。3DSのマウスピース自体は歯科で作ってもらう必要がありますが、あとは自宅でのケアとなります。日本における虫歯予防は、この『この歯科医院での予防&管理』と『ホームケア』が主流となります」。 医師やSEは虫歯になりやすい? 虫歯の主たる原因は食事に伴う糖の摂取のため、食事を含めた生活習慣が大きく虫歯リスクへと影響を与えていると考えられる。 そこで、今村医師に「虫歯になりやすそうな職業」について伺ってみたところ、「デスクワークが多い人」「医師・看護師」「介護士」「長距離ドライバー」「SE」などが該当する可能性が高いと回答してくれた。 「一日中デスクワークの方は、手軽に飲み物やおやつを摂取できる環境がありますし、仕事のストレスから甘い糖分摂取が進む傾向にあります。医師、看護師や介護士などの勤務時間が不規則な職業の方や、不規則な時間に食事を摂(と)る長距離ドライバーの方などは、缶コーヒーなどの嗜好品(しこうひん)の頻度が高いです。結果として生活や食事のバランスも崩れやすいので、口腔(こうくう)内の環境が悪い方が多いようです」。 また、SEなどのように休みの取りにくい人も該当するようで、特にSEは極端に対照的な2グループに分類できるという。 「SEの方は、虫歯がすごく悪くなっても放置している『極端に無関心なグループ』と、やや神経質気味で問題意識が非常に高い『毎月定期的に来院するグループ』に分けることができます」。 そのほか、「ストレスを受けやすい」「喫煙して唾液量が減少している」「ドライマウスになりやすい」「末梢(まっしょう)血管が収縮している」などの特徴がある人も虫歯になりやすいため、注意が必要だ。 将来の「おいしい食事」に備え、きちんとしたケアを 日本歯科医師会は、平成元年から現在の厚生労働省と共に「8020運動」を提唱してきた。この運動には、「80歳になっても自分の歯を20本以上持とう」という意味がこめられている。抜歯のリスクもある虫歯は、この運動の"大敵"と言える。 20本という数字の基準は、「少なくとも自分の歯が20本以上あれば、…
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