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差し歯治療はもう古い!今主流のクラウン治療
「差し歯」治療って? 耳にすることの多い、「差し歯」という歯科治療。実は「差し歯」は正式名称ではなく、しかも今はほとんど採用されない治療方法です。差し歯の正式名称は”歯冠継続歯”(しかんけいぞくし)。歯の根っこに差し込むようにして人工の歯をセットする治療法だったため、「差し歯」という名前が広く知られるようになったと言われています。 「差し歯」の治療法 差し歯の治療法は、歯の神経を取り除いたところに、人工の歯に支柱のような芯を立てて差し込むようにセットします。人工の歯と支柱はセットになっており、特殊な接着剤を使用して歯のあるべき部分にセットします。一般的に前歯の治療に採用される治療方法で、保険適用の治療としても広く採用されていました。 多くの方に広まった差し歯ですが、デメリットもあります。人工の歯と支柱が一体となったものをセットするために繊細な施術がしにくく、取れてしまうケースも多くありました。またセットしたあとにすき間が出来て虫歯になったり、人工の歯などに使用された素材の経年劣化による変色・変形などにお悩みのケースも多く見受けられます。それでは、現在はどのような治療法で前歯をキレイにするのでしょうか? 「差し歯」治療はもう古い!今の主流はクラウンによる「かぶせ物」治療 差し歯に替わって現在広く採用されている治療法は、クラウンと呼ばれる人工の歯をかぶせるようにセットする、いわゆる「かぶせ物」治療です。クラウンによる治療法は、神経を取り除いた部分にまず「土台」を立て、その上にクラウンをかぶせる、二段構造によるものです。(土台を立てる前には神経の跡をキレイに消毒・ケアします。)セットするパーツが増えたことで、より精密で繊細な治療を行うことが出来るようになりました。またセットした際の安定度が抜群に良くなり、取れてしまうケースも少なくなりました。 現在主流のクラウンによる治療の場合、「土台」の素材と「クラウン(かぶせ物)」の素材を選択出来ます。希望する仕上がりや治療後の美しさの保ち、金額などを知って選択されることをオススメします。 一般的に、金属やプラスチックを含んでいる素材は治療後数年経つと、少しずつ変色や黒ずみを起こしてしまいます。これは土台やクラウンに含まれている金属の成分が流出してしまったり、プラスチックが水を含んで変色してしまうことなどが原因です。また特に金属を含むタイプの場合、仕上がりの透明感に差が出てきます。金属は光を通さないので、歯本来の白い透明感を表現したい場合には、金属を含んでいるタイプはオススメ出来ません。 キレイに治したいなら審美歯科へ 今では歯科クリニックで「差し歯にしてください」と希望を伝えれば、ほとんどのクリニックでクラウンによるかぶせ物の治療を行います。ですが、保険適用の治療をメインに行っているクリニックでは、保険適用になるクラウンを選択することが一般的です。保険適用のクラウンは費用が安く、お手頃なものが多いですが、どのタイプも金属やプラスチックを含んでいます。治療後数年にわたって白く明るい口元をキープしたい、今の変色を治したいと希望される場合には、自費の治療を行っている「審美歯科」や「美容歯科」に相談されると良いと思います。 以前の差し歯治療の変色や歯ぐきの黒ずみで悩まれている方も、審美歯科や美容歯科では、きちんとキレイに治ります。もっともオススメする素材の組み合わせタイプは、土台はグラスファイバー製の白いポストコア、クラウンはオールセラミックのクラウンです。どちらも一切金属やプラスチックを含まないため、治療後の変色や変形、歯ぐきの黒ずみを引き起こしません。仕上がりも、自然の歯のような白さと明るさ、透明感を持っているので、隣りのご自身の歯と見分けが付かないほど自然に仕上がります。 また歯ぐきの黒ずみも、現在の差し歯をすべて取り除き、神経の跡をキレイに消毒して土台を立て直し、新しいクラウンをセットすることでキレイに治るケースがほとんどです。多くの方は治療が完了する前に、見違えるほど健康的なピンクの歯ぐきを取り戻します。電気的根管長測定器 まずは気になるクリニックで無料相談などを 現在の差し歯をキレイにしたいと考えている方には、ぜひ一度、クリニックでの無料相談を利用されることをオススメします。差し歯の変色などは放置しすぎると、虫歯や歯周病、口臭などの原因ともなってしまいます。無料のカウンセリングやメール相談を行ってくれるクリニックが増えていますので、信頼出来るクリニックを選びましょう。口元が明るくなると、お顔全体も明るく若々しい印象に変わります。ぜひ素敵な口元を手に入れてくださいね。
グラグラ乳歯はどうする? 歯の生え替わりの予備知識
乳歯の生え替わりの予備知識 ■いつ頃からいつまで続く? 個人差がありますが、6歳頃からはじまり、15歳ころまでに永久歯に生え替わることが多いようです。 ■どの歯からはじまるの? 上か下の前歯から生え替わることが多いようです。さらに乳歯の後方に6歳臼歯と呼ばれる新しい永久歯の奥歯も生えてきます。 ■乳歯が虫歯だと永久歯も虫歯で生えてくる? 永久歯は必ず虫歯のない状態で生えてきます。しかし乳歯に虫歯があれば、口の中に虫歯菌が常に漂っている状況になるため、新しい永久歯の虫歯リスクは高くなると考えられます。 ■永久歯が生えてこない!? 生え替わりは個人差があるため、なかなか生え替わりがはじまらず心配であればレントゲンで簡単に確認することができます。 乳歯の抜歯は無理は禁物 ■前歯は簡単、奥歯は大変 乳歯の抜歯については、自分で抜歯する方法と病院で抜歯する方法があります。しかし全部の乳歯を自分で抜くことができるのは、本当に良い条件の時です。乳歯をよく見てみると、前歯は根の横方向の断面積が小さくて歯ぐきに接する部分が少なくなっています。 このため最後は歯ぐきの一部が切れて自然に取れることもあります。しかし奥歯になると大きな面積で歯ぐきについているため、自分で無理に取ろうとすると痛みや出血が大きくなります。このため前歯を自分で抜くことができたとしても、奥歯は歯科医院で抜歯になるケースが一般的です。 ■食事で痛い時は抜歯が近い 食事の際グラグラして痛みを訴えるようであれば、しばらくすると自然に取れることがあります。しかしグラグラするだけで2週間程度経っても抜けないような時は、前歯であっても歯科医院で相談してみるとよいと思います。 ■永久歯が違う場所に生えてきた 一般的には、乳歯の真下から永久歯が出てくるため乳歯の根が溶けたようになってグラグラしますが、永久歯が全く違う場所から生えてくると乳歯の根が吸収されずに残ってしまうようになります。このため歯科医院で麻酔をしてから抜歯する方が懸命です。 ■左右で同じように生え替わることが多い 左右の同じ位置にある歯は、生え替わりのタイミングが同じ時期になることが多いため、片側だけ乳歯が残って時間が経過しているような時は、歯科医院でレントゲンでの確認をオススメします。 ■乱暴な抜歯は厳禁 今はほとんど見かけませんが、糸を乳歯に巻き付けて、もう一方引っ張るやり方は、指で取れるほどグラグラしていなければ、失敗して痛みと出血がひどくなる恐れがあります。前歯で成功しても奥歯では失敗する確率が高いため、無理に取ろうとしてはいけません。歯科用ルーペ 永久歯の歯並びについて ■歯の大きさとあごの大きさの関係 歯の生え替わりの最初の頃は、永久歯が大きすぎて不安になることもあります。しかしあごを含めた顔全体の大きさは発育途中のため徐々にバランスがよくなっていきます。あごの成長とともに永久歯が出てくることが理想です。 ■前歯の隙間が気になる 上の前歯が生え替わるとしばらく歯と歯の間が広がった「すきっ歯」になることがあります。その他の永久歯が生えてくると横から押されて自然に閉じることが多いので過度な心配はいりません。 ■反対咬合(受け口) 永久歯の下の前歯が、上の前歯の前に出てくることがあります。完全に出てしまう前であれば、簡単な矯正で治ることもあります。歯科医院などで気軽に相談してみましょう。 ■矯正のタイミング 最近はあごが小さい人が多く、歯並びが悪くなりがちです。完全に生え替わる前にはじめた方が効率的に矯正ができるケースも多いので、歯並びに不安を感じるのであれば、歯科医院や矯正専門の歯科医院などで相談してみましょう。
歯周病?年齢別「歯茎の出血」対処法!
食事や歯磨きの際、歯茎から血が出たりすることがありませんか? 原因として最も多いのは、歯周病(歯槽膿漏)ですが、それ以外にも、いくつか原因が考えられます。今回は歯茎からの出血についてガイドが解説します。 歯茎からの出血は炎症の証拠 歯茎は、毛細血管などが多いため、皮膚などに比べてデリケートな場所です。しかし毎日歯磨きで長期間にわたって出血を繰り返す場合は、炎症が起きていると考えられ「少しぐらい出血するのが正常」というわけではありません。歯磨きなどでは、出血しないのが本来の歯茎です。 歯茎からの出血の原因 歯茎の出血が起こる可能性があるのは、次のようなものがあります。 ■歯周病(歯槽膿漏) 歯茎からの出血で、最も多いのが、歯周病菌が原因の、歯茎の炎症です。歯と歯茎の境目の溝の内部にある汚れや、歯石などを完全に除去できれば、炎症が収まり、出血しなくなります。 ■歯と歯の間の詰まり 歯と歯の間に物が挟まりやすいのは、繊維質です。次から次へと挟まるために、歯茎を圧迫していきます。歯周病菌の温床となりやすいので、出血が起こりやすくなります。 ■不適切なブラッシング ブラッシングの際、硬い歯ブラシを使用して、力任せに大きなストロークで擦ると歯茎に傷をつけてしまいます。この場合の出血は僅かに血が滲む程度です。出血しない時もあります。 ■歯肉癌 きわめて稀にですが、「歯肉癌」が原因となってなかなか改善しない出血が続くことがあります。歯以外のすべての組織に影響を及ぼすため、進行すると歯が完全にぐらぐらになったり、唇や舌、顎などの感覚が無くなったりすることがあります。 ■全身疾患の影響 血管に異常がある場合や、血液の病気を伴う場合、特に白血病などの初期の段階では、多くの場合、歯肉の出血が現れることがあります。歯科用無影灯 年齢別「歯茎の出血」の注意点 主に歯肉炎や歯周病が原因で起こる出血での、年齢別の注意点などを紹介します。 ■10~20歳 10代の歯茎の出血は、ほとんどの場合、歯磨き不足から起こる「歯肉炎」が原因です。 歯の表面の「白い歯垢」が出血の原因を作るため、病院での治療というより、家での毎日のブラッシングで出血は次第に収まってきます。歯磨き後に就寝前の飲食などを控えることも、歯垢の発生を予防するのに大切になります。 ■20~30歳 20代の歯茎の出血は、「歯肉炎」が進行した「歯周病」の影響が少しづつ見られるようになります。歯肉炎と同じように、まずは歯磨きをしっかり行いましょう。その後病院などで歯石の除去を行えば、より確実に歯茎の出血を予防することが出来ます。 ■30歳~ 30代以上になると、「歯周病」が多くなってきます。歯磨きだけで改善しないことも多く、病院での歯石の除去や噛み合わせの調整などを組み合わせた治療が必要となってきます。 20代以上で、病院での検診からしばらく遠ざかっているような場合は、歯茎の出血が、歯周病の初期のサインとなるので、一度病院で確認することをオススメします。
ちょっと痛いけど……我慢したい歯の治療 Best 5
第5位 歯ぐきの検査 歯周病の治療には必須ともいえるのが、「ポケット測定」という歯ぐきの検査です。歯の周囲に存在している「ポケット」と呼ばれる溝の深さを測るため、プローブと呼ばれる直径~程度の金属の棒を歯の周囲の歯ぐきの溝に軽く挿入します。 そして約25gの力を加えたときに停止した場所をポケットの底と考えて深さを計測します。この深さが1~2mmだと健康な歯ぐき、4mm以上の深さは、歯周病と診断されることが多くなります。 わずか25gの圧力ですので、健康な歯ぐきであれば、ほとんど痛みも感じませんが、歯肉炎や歯周病などの出血しやすい状態の歯ぐきの場合、触れるだけで出血して痛みを感じてしまうことがあります。 歯周病の診断には欠かすことのできない検査のため、正しい診断のためにもぜひやっておきたい検査です。 第4位 型を取る前の歯の修正 歯にかぶせものや、はめ込み金属などを作る時に歯を削りますが、神経を取ってある歯などは、麻酔しないで削ることがあります。このとき歯は痛くありませんが、歯と歯ぐきの境目付近を削っているうちに、歯ぐきの痛みや出血が起こる事があります。 審美的によいかぶせものにするためには、歯とかぶせものの境目を自然な感じに見せる必要があります。そのため歯ぐきの少し下の部分まで、歯を削ることになります。このときの歯ぐきの出血の多くは、歯ぐきを削るからではなく、歯の削りカスや水が空気の力で吹き飛ばされて、歯ぐき傷をつけることがほとんどです。 歯の周囲にプラークが付着して歯肉炎の場合は、さらに簡単に出血しますが、歯ぐきをわざと削ることはありませんし、少し傷がついても歯ぐきの回復は早いので過度な心配はしなくても大丈夫です。 第3位 小さな虫歯の除去 臨床の現場では虫歯の治療の際、麻酔をするかしないかを決める明確なルールはありません。麻酔も薬である以上、できるだけ使用しないほうがよいという考え方をするのが一般的でしょう。そのため小さな虫歯を治療する際には、麻酔を使用しないケースも考えられます。 そんな小さな虫歯の治療のとき、場所によってはチクチク感じることがあります。実はこの痛みを参考に虫歯を削る量の判断材料にしていることもあります。こんなときは、個人差もありますが、少しの痛みで短時間で終わるのであればそのまま治療を行ないます。ある程度の痛みや長時間になるようであれば、途中から麻酔の追加をアピールするのがよいと思います。 第2位 麻酔 最近では針を刺す部分にあらかじめ表面麻酔を塗り、さらに針も極細の針を使用するため、麻酔の針を刺す瞬間の痛みは、かなり少なくなっています。それでも歯科で利用する局所麻酔は、見えない部分(口の中)に注射されるイメージがあるためか苦手な人が多いようです。 注射ぎらいの人の中には、麻酔をしないで治療をして欲しいという人もいます。しかし神経がある歯は表面のエナメル質より内部の刺激は全て痛みとして感じます。そのため大きくて深い虫歯には、麻酔が欠かせません。 また歯周病の治療に関しても、中程度から重度の歯周病では、治療で歯石を除去する際に痛みが出やすいので、麻酔をした方が痛みもなく快適に治療ができます。麻酔する際のわずかな痛みは、麻酔なしでの治療の痛みよりはるかに少ないものです。デジタルレントゲン 第1位 歯石取り ちょっと痛いけどやっておきたい歯の治療の第1位は歯石取りです。軽い歯石であれば麻酔を利用せずに歯石を取ることが多いためか、チクチクすることもしばしばです。 歯石取りがどうしてチクチクしやすいのか? それは歯石があるために歯石に接触している歯ぐきに炎症が起こっているからです。もし歯石のない健康な歯の部分を同じように刺激しても出血や痛みはそれほどでもないのですが、炎症があって敏感な部分を歯石を取る際、刺激してしまうので痛みが出やすいのです。 定期的に歯石を除去すると、取るときの痛みが少なくて済みます。さらに一度しっかり除去できれば、あとは自分の管理で歯石がつくのを防ぐことが可能なので、歯石を取ったら歯垢が歯石になる前に取り除くようにブラッシングを頑張りましょう。
歯科医は見た!歯周病が限界を超えて骨髄炎になるまで
歯周病で骨が溶ける仕組みとは? 歯周病になると歯の周囲の骨が溶かされて、グラグラして歯が抜けてしまうイメージがあります。でも、骨は全身にあるのに、どうしてアゴの骨だけが溶けてしまうのかご存知でしょうか? 歯は骨に固定されていますが、歯ぐきを貫通して口の中に露出しています。全身の骨では、このように骨につながった部分が体外に露出している部位はありません。アゴ以外の骨は常に組織に覆われて、隠れているのです。 歯周病の原因でもあるプラークが歯の周囲のポケットなどに溜まると、歯の表面に機械的に付着して固まり、歯石となります。そして、骨に付着している歯を道標の役割として、迷うことなく細菌が骨に近づいてしまいます。身体の防御反応は、歯石を溶かして分解するまでの力はありません。 さらに、歯ぐきの厚さは数ミリ程度しかないため、細菌の侵入を防御する距離にも限界があります。防御できる許容量を超えると、どんどん内部に細菌やその毒素の侵入が続いてしまいます。そのままでは、アゴの骨が細菌に感染してしまうので、アゴの骨はまるで歯ぐきから侵入した細菌などから逃れるように、自らを溶かして逃げていくのです。 一般には歯ぐきが炎症を起こしても、歯を抜歯したり、歯石を取り除くことができれば、アゴの骨は再び健康な歯ぐきに覆われます。そして、アゴの溶解が停止したり、溶け過ぎた部分が元に戻ったりして安定します。 歯周病が限界を超えるとどうなるの? 普通に思いつくことでは、歯周病の最悪な状態は「自然脱落」。つまり自然な抜歯が起こり、歯が抜けることと考えがちです。自然脱落は確かに見た目は最悪ですが、歯が抜けるということは、抜歯=原因除去→治癒となるため、自然に治療が完了したということになります。 実は解決が難しい問題になるのは、歯が抜けず、骨の溶けるスピードよりも早く炎症が進んだりした場合です。細菌の勢いが防御反応の限界を超えると歯ぐきの炎症ではなく、逃げていたはずの骨が炎症を起こします。これが顎骨骨髄炎と呼ばれるものです。 歯周病が骨髄炎に移行してしまうと、歯の抜歯をしても治らずにアゴの骨の炎症が続き、歯がないのに骨から膿が出てくることもあります。こうなるとなかなか治らない難治性となったり、完治までに数カ月以上の時間がかかるケースになることもあります。 歯周病から骨髄炎に悪化したケースとは? これまでの臨床経験の中で、歯周病から急性の骨髄炎になってしまったケースの共通点についてまとめてみます。 ■抜きたくない まずはこれです。過去に歯周病の診察を行っているが、抜歯せずに粘っているケース。ブリッジの土台のため、抜歯すると入れ歯に移行する必要があるなど、本人の強い希望で粘りたいと抜歯が先送りになっていたケースがほとんどでした。 ■咬み合わせ 上下の歯がしっかり噛み合わせている状態で、噛むたびに歯が押されて激しく動くことも多く見かけました。これは、細菌の固まりである歯を傷口の中でグリグリかき回すようなもので、炎症をよりひどい状態にする要因です。 ■メンテナンス不足 すでにグラグラしてしまっていても、定期的メンテナンスを行っていたケースにはあまり発生しませんでした。突然、顔から腫れがわかるほどになって来院したケースが多かったです。歯科機器通販 ■歯磨き不足 普段から歯磨きをしっかりしていないケースなどはもちろんですが、一度腫れてしまうと歯磨き時の痛みのためしっかりと磨くことができず、汚れが付着してしまうことが多いようです。炎症で磨けなくなっても消毒を行えるような洗口剤などを利用するのも大切です。 骨髄炎になるまでのよくある流れ 歯がグラグラして腫れてしまい、歯科医院で治療を行って、その時は一時的に落ち着きます。しかし、その際に治療のため抜歯を勧められても、自分の歯で噛めない、入れ歯に抵抗があるなどの理由で、できれば抜きたくないと考えます。 そして、その場は抜かずにやり過ごしますが、次に通院するとこの歯は抜歯されると思い、再来院が先延ばしになる。歯磨きはそれまでと同じように少しサボり気味で、そのまま噛んで痛い時があっても「抜くより我慢」を繰り返す。 その後、疲れたり身体の抵抗力が低下した時に、それまで経験したことのない腫れで驚いて来院する。今度こそ抜歯しますが、長期間の強い炎症に骨がさらされてしまい、抜歯を行っても膿が止まらず、痛みが残る。 さらに、大学病院などの大きな病院に紹介となり、完治するまで投薬やアゴの骨の手術を行い、数カ月以上を要する……。 これまでの臨床経験を元に考えると、歯周病をかなり悪化させてしまう人には上記のような流れが考えられます。抜歯を粘ると必ずトラブルになるわけではありませんが、抜歯をしない選択には思わぬリスクもあるということを覚えておきましょう。
親知らずが引き起こす最悪の結果とは?
親知らずから入り込んだ菌が心臓に到達する? 親知らずの炎症が胸や心臓にまで拡がる恐れも… 親知らずの痛みを放置し、歯の周囲に感染した細菌が、さらにその奥にある筋肉などの隙間に広がりながら顎の奥のほうまで伝わるという、最悪のケースを想定してみましょう。 1.親知らず周辺が腫れる まずはごく一般的に親知らずが痛くなる症状が現れます。 2.感染が顎の下に拡がる その症状が繰り返されたのち、だんだんと口もあけられないほど炎症がひどくなります。これは一般の親知らずの症状とまったく一緒です。 3.感染が喉周辺にまで拡がる生体情報モニタ 顎の下の部分が明らかに膨らみ、発熱や全身の倦怠感などがひどくなります。この時点で、病院で治療を行なったり、処方された薬を飲んでも症状がさらに進行してしまう場合は、一般の歯医者さんから「口腔外科」がある病院に紹介されて入院することもあります。 4.感染が心臓周辺にまで拡がる 一般的ではありませんが、可能性としては顎の下に拡がった感染がさらに喉の脇にまで進行するケースがあります。首を伝わり、胸の周辺に広がっていく。感染がここまで拡がると一刻を争う事態となります。胸にまで感染すると、一気に心臓周辺にまで広がるリスクがあるため、最悪の場合、死亡するケースも考えられます。首から下に感染が広がってしまった場合の死亡率はなんと20%以上とも言われているのです。 親知らずの痛みの原因は、「細菌感染」です。このため適切な時期に治療や抗生物質などの投与が行なわれれば、ここまで大きな問題になりません。しかし痛みや腫れがあるのを何度も我慢し、腫れがひどくなった段階でもなお治療を行わないでいると、危険リスクが高くなることを知っておかなければなりません。 「たかが親知らず、されど親知らず」ですね。 しかし、早めの治療が第一の親知らずでも、やはり歯を抜くことに抵抗感があり、可能ならば避けたいと考える人は少なくないようです。歯の安全を保ち、抜かないままで済ませるために知っておくべきことを次にご紹介します。
MSYS、歯科医療用の試作モデル造形向け3Dプリンタを発売
丸紅情報システムズ(MSYS)は4月20日、ストラタシスの3Dプリンタにおいて、新たに歯科医療用の試作モデルを造形する専用機種のラインアップを拡充し、販売を開始すると発表した。 医療・歯科分野において3Dプリンタは、矯正用クリアライナーモデルやサージカルガイドの試作モデル、補綴用のクラウンやブリッジなどの医療機器製作を支援するため、個々の患者の歯型データ等から3Dプリンタで直接歯列モデルの試作モデルを造形するなどして活用されている。 同製品は、歯科医療を支援するためのモデル造形に特化しており、高精細な造形が可能なPolyjet(インクジェット)方式を採用。歯科医療の試作で使うためのモデルを、アクリル系樹脂で造形することができる。歯模型 造形サイズや対応材料種類が異なる「Objet500 Dental Selection」「Objet260 Dental Selection」「Objet Eden 260VS Dental Advantage」「Objet30 Dental Prime」「Objet30 OrthoDesk」の5機種がラインアップされており、「Objet500Dental Selection」および「Objet260 Dental Selection」ではカラー硬質樹脂、ラバーライク樹脂も使用可能(ただし、医薬品医療機器等法未認可)。
毎日の歯磨きから得られるデータがつくる「歯周病が無くなる未来」
15gたらず機器を歯ブラシに装着すれば、歯磨きに関するデータが可視化される…。オーラルケアブランドG・U・Mを有するサンスターが発売したデヴァイスには、ヘルスケアの未来につながる戦略があった。 「毎日の歯磨きから得られるデータがつくる「歯周病が無くなる未来」」の写真・リンク付きの記事はこちら 毎日の睡眠、1日3回の食事。それらと同じように自らのカラダと向き合う機会がある。歯磨きだ。栄養を摂取し、人とのコミュニケーションも担う「お口」をケアすることは、カラダ全体のことを考える機会でもある。現に日本人成人の8割が罹患しているといわれる歯周病は、全身疾患との相互関係が指摘されている。 G・U・Mブランドで知られるサンスターが4月18日に発売したのは、歯磨きという行為をデジタルヘルスケアの領域に持ち込むデヴァイスG・U・M PLAY(ガム プレイ)。この小さな機器をいつもの歯ブラシに取り付けることで、加速度センサーによりブラッシングに関するさまざまなデータを収集できる。さらにはスマートフォンと連動したゲーミフィケーションにより、歯磨きという行為がより楽しくなる仕組みも実装されている。 G・U・M PLAY。加速度センサーと、Bluetoothを搭載することで、歯みがき動作をリアルタイムで数値化しスマートフォンに転送することを可能にした。 カラダ全体のヘルスケアを考えたときに、歯磨きという領域で何ができるのか。そんな思考の結果が今回のG・U・M PLAYだと、今回の開発を手がけたサンスターの松富信治は言う。歯周病を減らすための啓発活動が長らく実施されてきたオーラルケア業界では、ユーザーの歯周病に対する意識を向上させることが、大きな課題だった。 歯ブラシは1カ月に1回交換しなければ、汚れを除去する能力が落ちてしまうが、現在日本人が1年間で消費する歯ブラシの本数は平均すると本にしかならない。そんな現状を変えるべく、歯科ユニットユーザーとの新しいコミュニケーションを模索するなかで今回のプロダクトが生まれたのだという。 例えば、理想的といわれる歯磨きの時間は3分以上。ただ、この時間を歯磨きだけに集中して過ごすのは、なかなか難しい。それは嫌々歯磨きをすることが多い幼児であればなおさらだ。G・U・M PLAYを使えば、自分の歯磨きと連動するかたちで、ニュースを読んだり、楽器を演奏したり、ゲームをすることができる。スマホゲームに慣れ親しんだ子どもであれば、歯磨きを楽しみで仕方なくなるというわけだ(ゲームのやり過ぎ、つまり歯の磨き過ぎを防止する仕組みも実装されている)。 またこれまで、ユーザーレヴェルではデジタル化が進んでこなかったオーラルケアのR&Dにおいて、ブラッシングに関するデータ(例えば磨いた時間や、磨き残しの有無など)を入手できることは、大きな前進といえる。これまで、アンケートでしか確認できなかったユーザーの歯磨きに関するファクトが明らかになるからだ。 実際にプロジェクトを公表してから、多くの歯科医師からデータの活用についてサンスターに問い合わせがあった。歯医者で、G・U・M PLAYの記録したデータを提示するといった、医師と患者の新しいコミュニケーションツールとしての活用もサンスターの視野にはあるという。 松富によれば、これらのデータを活用・研究して、カラダ全体の健康と歯の関係をより前進させる試みが進行中だという。例えば、磨き残しの解析によって、虫歯になる前にその可能性を知らせる予防医学の観点からの活用も可能なのだ。 ヘルスケアという分野でR&Dを行うことを考えれば、データをどのように取得するかが、鍵になる。今回のプロジェクトが、従来の歯ブラシに装着するユーザーへの敷居が低いアドオン型であること、そして海外での活躍も多いクリエィティヴラボ・PARTYに世界への進出を前提としたブランディングイメージが託されていることを考えればサンスターがG・U・M PLAYに込めた意気込みが、おのずとわかる。「歯磨き」というデジタルヘルスケアのフィールドでも、ウェアラブル活動計でNike+FuelBandやFitbitが繰り広げているようなデータ争奪戦が始まろうとしているのかもしれない。 これまでのデジタルヘルスケア領域では比較的未開拓だった分野「歯磨き」。オーラルケアに50年以上取り組んできたサンスターによるプロジェクトは、「病気にならないカラダ」が当たり前になる未来への嚆矢となりそうだ。
深く埋まった親知らず、今のうちに抜く?そっとしておく?
親知らずをすでに3本抜いたものの、最後の1本が非常に深く埋まっており抜歯が難しいといわれた男性。年を取るとますます抜くのがたいへんになるのではと心配しているようですが、実際のところどうするのがよいのでしょうか。 ■30代男性からの相談:「親知らずを抜く年齢について」 『親知らずが左下にあと1本残っています。残り3本は抜歯済みです。左下に関してはあまりにも深く埋まっており、以前数件歯科医院でも相談しましたが、難しいため抜歯しない方がいいと言われました。親知らずは年をとればとるほど抜くのが大変になったり、後遺症になる可能性もあると聞いたこともあるのですが、そのようなことはあるのでしょうか。もしあるのであれば早めに技術の高い歯科医院を探すなどしたほうがよいのでしょうか。(30代・男性)』抜歯鉗子 ■深く埋まった親知らずを抜くメリットとリスク 深く埋まった親知らずを抜くことで、歯並びへの影響や虫歯のリスクを回避できる一方、神経や血管を傷つける大きなリスクもあります。 『どんな治療にもメリットとデメリットがあり、メリットがデメリットを上回ると思われる場合に初めて実行されます。親知らずは確かに年を取るほど抜きにくくなりますが、あまりにも骨の奥深くに埋まっている親知らずは、抜く過程で血管や神経を傷つける恐れもあり、それこそ後遺症につながる可能性もあるため、あえて触らないという選択をすることも多いです。(歯科衛生士)』 『親知らずを抜かないデメリットは、歯並びが悪くなる可能性があることや、親知らずがきれいに生えてこないために、親知らずはもとより、その隣の奥歯までが歯磨きをしにくく虫歯になってしまうことなどがあります。歯並びはどうしようもないところがありますが、虫歯になるかどうかに関しては自分のブラッシング技術によるところです。歯医者に通って磨き残しのないブラッシング技術を習得することで虫歯を予防できます。(看護師)』 『親知らずの抜歯には確かにリスクが高いことがあります。とくに親知らずが歯茎から出ていなかったり、親知らずの向きが悪かったりするとリスクが高いようです。判断するのはご自分ですが、今の時点でとくに問題がないのであれば急いで抜歯する必要はないと思いますよ。(看護師) 』 ■最終的には本人の判断次第 抜くのも抜かないのもそれぞれのメリットとリスクを伴うため、最終的には本人次第ということに。十分な情報を得て主治医とよく相談の上、慎重に判断しましょう。 『決断するのがなかなか難しいところですね。すでに主治医からいろいろな説明を受けているようですので、どうするかというのは質問者さんご本人次第だと思います。(看護師)』 『歯科医師によって考え方には違いがありますし、患者さん本人の考えもありますので、どうしても気になるようでしたら、デンタルCTなどを完備している病院や大学病院の口腔外科を紹介してもらい、相談してみるとよいでしょう。(歯科衛生士)』 深く埋まった親知らずを抜くかどうかについては、それぞれにメリットとリスクが存在します。ただし抜くことによるリスクも小さくはありません。専門家と十分に相談の上、最終的には本人の判断次第ということになります。
歯科医が警告する「歯ブラシが不潔になる」NG保管法3つ
歯ブラシを使った後、どうしていますか? 普通にコップに戻しいたり、洗面台にある専用の歯ブラシ置き場に戻していたりと、いろいろな方がいるかと思います。 何か間違った保管方法をしたところで、命が危ないといったような話ではありません。ただ、実はちょっと注意しないと、何気ない悪習慣で歯ブラシが細菌まみれになってしまう恐れも……。 その数は1億個に達すると『WooRis』の過去記事「実は細菌が1億個!歯ブラシをものすごく不潔にするNG習慣6個」にもありました。 そこで今回は富山県の小矢部市で『渡辺歯科医院』の院長を務める渡辺智良先生に、歯ブラシのNGな管理&手入れ方法を教えてもらいました。 ■1:家族全員で歯ブラシを同じコップに入れている 最初のNGポイントは、家族全員の歯ブラシを1つの同じコップに入れておく管理方法。 「歯周病に感染している人が居れば、歯ブラシに歯周病菌が残っています。家族に歯周病を移してしまう恐れがありますので、感染予防をしてください」とのこと。オートクレーブ 特に、底に向けて歯ブラシの先端を入れると最悪の環境になるんだとか。十分に注意したいですね。 ■2:洗面台の鏡の裏に入れている 洗面台の鏡を開けると、裏に歯ブラシを引っ掛けておく専用の置き場が用意されているという家も少なくないと思います。 非常に便利ですし、見た目にも洗面台周りがすっきりとしますので利用している人も居るかと思います。しかし、渡辺先生によれば洗面台の裏も要注意だとか。 「洗面台の鏡の裏は通気性が悪いので、細菌が繁殖しやすいです。特に濡れている状態では細菌が繁殖しやすいので要注意です」とのこと。 その他、引き出しの中など通気性の悪い場所も全てNGですね。 どうしても洗面台の鏡の裏を使いたい場合は、使用後によく洗って乾かしてから収納するなど、工夫をしたいですね。 ■3:古い歯ブラシと新しい歯ブラシを一緒にしている 使い古した前の歯ブラシを、つい新しい歯ブラシと一緒に同じコップに入れたままにしていませんか? 「古い歯ブラシは細菌が付きやすくなります。その結果、雑菌の温床になってしまうおそれもあります」との話。 なんと雑菌の温床となった自分の古い歯ブラシのせいで、新しい歯ブラシまで菌まみれに……。古い歯ブラシは、どんどん捨ててしまってくださいね。 以上、歯ブラシが雑菌まみれになってしまうNG保管方法をまとめましたが、いかがでしたか? ちなみに「潔癖症の人は、赤ちゃんの哺乳瓶消毒でも使うミルトン(次亜塩素酸ナトリウム)を使ったり、家庭用紫外線滅菌機を使ったりしても効果的ですよ」と渡辺先生。 どうしても気になる人は、利用を検討してみてくださいね。