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歯周病菌と関連疾患
歯周病とさまざまな病気に関連性があることがわかってきています。歯や歯肉の血流も元は心臓から血液循環しており、口腔(こうくう)内に菌が増殖すると血流に乗って細菌が全身を駆け巡ります。虫歯や歯周病を引き起こす細菌はいろいろな毒性物質を持っており、それらの悪い成分が健康に影響を与えます。 (1)糖尿病 糖尿病になると細菌感染しやすくなります。血糖値が上がると免疫が低下するため、炎症が起きやすく歯周病も悪化します。健康な人に比べ糖尿病の患者さんは、歯周病が急激なスピードで進行しやすいといえます。 歯周病菌が炎症を起こしたときに生じるサイトカインという炎症物質が血流に乗って肝臓や内臓脂肪を刺激し体内のインスリンの働きを低下させます。 (2)心筋梗塞・脳梗塞 狭くなった血管にできる血栓に歯周病菌や歯周病菌の出す毒素が関与している疑いがあります。 心臓、脳などの狭くなった血管に血栓ができ、それがはがれて血管が詰まり心筋梗塞や脳梗塞をひき起こす原因となると考えられています。歯科ユニット (3)誤嚥(ごえん)性肺炎 お年寄りなど、飲み込む嚥下(えんげ)反射や吐き出す咳(せき)反射が弱い場合、歯周病原細菌と唾液を誤って肺や気管支に入り込み肺で炎症をおこします。 (4)ニコチン依存症と関連疾患からなる喫煙病 歯周病の直接原因は磨き残し汚れのプラークですが、歯周病の発症や進行に喫煙が大きな危険因子になるとされています。1日の喫煙本数や喫煙歴と歯周組織の破壊程度が相関すること、非喫煙者と比較して喫煙者は歯周病が進行しやすいことがわかっています。 ニコチンの血管収縮作用により血流量が低下し細菌から歯を守る歯肉溝浸出液量が低下します。血行が悪いため歯周病が重度に進行しているわりには歯肉からの出血、はれが軽度に見え炎症を起こしているかどうか分かりにくくなります。 ◇ 歯周病菌との因果関係が明らかなもの以外にも、関与の程度に違いがあるものや解明がまだ十分でないものもありますが、全身の健康のためにも引き金となる歯周病菌の除去が大切です。病気の予防は口の中を清潔にすることから。菌が全身に拡散しないためにもセルフケアと定期健診、歯石除去でお口の清潔と健康を心がけましょう。
歯石への疑問を解決!自分で取れる?取る頻度は?
歯を舌で触るとザラザラ、歯磨きしてもこのザラザラしているところがとれない。歯と歯の間に白から黄色い物がついている。それが歯石なのです。歯石をそのままにしておくと歯周病や口臭の原因になってしまいます。歯石は自分で取れるの?どのくらいの頻度で取ればいいの?ここでは、そんな歯石に関する疑問にお答えします。 そもそも歯石って何? プラーク(歯垢)が長期間歯の表面についていると、唾液の中に含まれるカルシウムやリン酸がプラーク中に取り込まれ、石のように硬くなったものが歯石です。プラークが付いたままになっていると、約2週間で歯石になってしまいます。 歯石の成分の約80%はリン酸カルシウム。歯石そのものはむし歯や歯周病を引き起こしません。ですが、歯石の表面がざらざらしているため、細菌が増えてしまいやすい環境を作ってしまいます。なので、歯石は歯周病や口臭の原因となるのです。 歯周病の原因に関して詳しくは「歯周病の4つの原因・・・もしやあなたも共犯者!?」をご覧ください。 歯石にはどんな種類があるの? ■歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき) 歯肉より上の歯の表面についているものを歯肉縁上歯石と言います。白っぽい色で柔らかく、鏡などを使えば自分で発見することができます。これは、比較的除去しやすい歯石です。 ■歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき) 歯周病が進行し、歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)が深くなったところにできるものを歯肉縁下歯石といい、血液の成分が含まれるため黒褐色で硬く取り除きにくいのが特徴です。自分で見つけることができません。 歯石はどこに付きやすいの? 歯石は唾液の成分が固まったものです。そのため、唾液腺から唾液が出てくるところ(上の奥歯の頬側、下の前歯の舌側)に歯石がつきやすいです。一方、唾液は自浄作用という汚れを洗い流す効果もあります。なので、唾液の流れが悪いところに歯石は付きやすいのです。 特に、 上の奥歯の頬側 下の前歯の舌側 歯周ポケットの中 噛んでいない歯の表面 に歯石が付きやすいと言われています。 歯石は取らないといけないもの? 歯石は多くの細菌の住みかとなってしまい、歯周病の原因菌は、歯石の中からコラーゲン分解酵素やタンパク質分解酵素を出して歯周病を進行させてしまいます。また歯周ポケットに歯石ができると、歯石がザラザラしているため、歯肉を刺激して、炎症の治りを悪くしてしまいます。 そのため、歯石を放っておくと、歯周病が進行してしまったり、口臭の原因になったりと不愉快な症状の原因となってしまいます。歯石は歯磨きでは除去することができません。歯科医院で定期的に歯石除去(スケーリング)することが必要です。 歯石は自分でとれるの? 歯石の除去には、そのもととなるプラークの量を減らすために、毎日のブラッシングが肝心です。しかし、どうしてもプラークは取り残してしまうもの。そんなところから歯石は形成されてしまいます。 一旦、歯石ができてしまうとは歯磨きでは取れません。なので、定期的に歯医者さんにかかって歯石を除去してください。 歯石はどうやってとるの? 歯科医院ではスケーラー(手用スケーラー、超音波スケーラー)という器具を使って機械的に剥がし取ります。 ■手用のハンドスケーラー 歯石の取り残しが起きやすいところや超音波スケーラー歯肉縁下歯石に使用します。 ■超音波スケーラー・エアスケーラー 歯石が大量に付着しているときや歯肉縁上歯石の除去に使用します。…
「炭」で歯が白くなる? 海外でも話題の「活性炭」でホワイトニング
歯の黄ばみが気になってきたけど、歯科医院でホワイトニングをするのはお金もかかるし面倒、と思っている人も多いのではないでしょうか。 念入りに歯磨きをしても黄ばみが取れない、そんな悩みを「炭」が解決するかもしれません。海外でも話題の「活性炭歯磨き」を試してみませんか。 ■なぜ活性炭で歯が白くなるの? 活性炭は脱臭効果や、汚れを強く吸着する機能を持っており、冷蔵庫の脱臭や水槽の水を綺麗にするフィルターなどに使われています。活性炭の表面には、数ミクロン単位の小さな穴がたくさん空いていて、この穴が汚れやにおいなどを取り込んでくれるのです。 その活性炭を使って歯磨きをすると、歯の黄ばみの原因である茶渋や歯の表面の汚れなどが吸着されて、本来の白さがよみがえる効果が期待できるのだそう。活性炭には、においを吸着する効果もあるので、口臭をおさえてくれるという嬉しい働きも。 活性炭には食用のものがあり、歯科ホワイトニング機器粒子は柔らかくもろいので、歯のエナメル質を研磨してしまう心配もないのだそう。 ただし、妊娠中は念のために使用はやめましょう。炭の味で気分を悪くする可能性もあります。 ■活性炭で歯を磨く手順 歯の色が汚れている、と感じたら活性炭で歯磨きをしましょう。即効性があるので、歯が黄色くなった原因が、茶渋やたばこのヤニなどの着色だけなら活性炭歯磨きの効果はすぐに実感できるはずです。 <活性炭を使った歯磨き> 1. 活性炭が散らばらないように、洗面台に紙を敷きます。服に付くと取れにくいので気をつけましょう。 2. 濡らした歯ブラシに活性炭を適量つけて、いつも通りに歯を磨きます。強くこすっても効果は変わりません。口の中を傷める原因になりますので、優しく磨きましょう。 3. 磨き終わったら口をしっかりとすすいで終了です。飲み込まないようにしましょう。 活性炭で歯磨きをすると、お歯黒のように口の中が真っ黒になります。歯磨き中は人に見られないほうがいいでしょう。 最初は粉っぽさが気になる場合がありますので、いつもの歯磨き粉にまぜて使うのもおすすめです。
親知らずが痛い時はどうする? 5つの原因と解決策
親知らずが痛くて辛い経験をしたことのある人も多いのではないでしょうか?奥歯だけに食事もしにくくなりますし、さらに腫れたり、口が開けづらくなったりと本当に大変ですよね。今回は親知らずが痛くなる原因とその解決策について、歯科医師・岸本 佐智先生による監修記事でお話していきます。 親知らずが痛くなる原因 親知らずの痛みといっても原因は様々です。 ①親知らず周囲の歯ぐきが炎症を起こしている 親知らずはかなり奥に位置していますので、よっぽど意識して磨かなければ歯垢が溜まりやすく、非常に歯ぐきが炎症を起こしやすい状態になっています。歯ぐきから完全に露出していない親知らずの場合はなおさらです。炎症がひどくなると大きく腫れて、口を動かすだけで痛くなり、口が開かなくなります。時には、生命を脅かすことさえもあります。 ②親知らず、または手前の歯が虫歯になっている 親知らずは歯垢が溜まりやすい為に虫歯になりやすいです。また、手前の歯に虫歯を作ってしまうこともよくあります。その虫歯により神経が炎症を起こすと痛みを強く出してきます。 ③親知らずと手前の歯の間の歯ぐきに食べ物がグッとつまってしまった 完全に生え切っていない親知らずと手前の歯との間に起こりやすい現象です。 ④親知らずが手前の歯を強く押している 親知らずが斜めに埋まっていたり、水平方向に倒れている場合に見られます。このような歯は手前方向に歯を強く押すことがあります。そうすると痛みを出してきます。 ⑤親知らずが対合の歯ぐきや頬の粘膜を噛んでいる 親知らずの噛み合う相手がいない場合に延びてきた歯は、対合の歯ぐきを噛むようになります。また、親知らずの位置や向きがずれている場合などでは頬の粘膜に食い込むようにになることがあります。これらのような刺激によって歯ぐきや頬の粘膜に口内炎を作ることも少なくありません。 親知らずが痛くなった時の解決策 1.やわらかめのヘッドの小さい歯ブラシを使って食べカスや歯垢を極力取り除く 痛いからと言ってブラッシングを避けていると、余計に歯ぐきの炎症は悪化してしまいます。ひどくなると口が開きづらくなったり熱が出たりさえします。歯ぐきの炎症の原因となっている汚れを効率よく取るためには、ヘッドの小さい歯ブラシ(子ども用の歯ブラシやタフトブラシなどだとなおよい)を使うとよいです。歯ブラシの毛は歯ぐきを傷つけない為にも「やわらかめ」を使いましょう。ただし、柔らかすぎると歯垢が落ちにくいので注意が必要です。 2.うがい薬で消毒する イソジンなどの殺菌作用に優れ、刺激の少ないうがい薬でよくぶくぶくうがいをすると感染部位の殺菌が期待できます。 3.食べる時に痛い側の方は一切使わないようにする 痛い部分ではさすがに噛もうとしないと思いますが、その手前の同じ側で食事をしたりするとどうしても食べカスが痛い部分にまで届いてしまい、刺激をしてしまいますので反対側で噛むようにしましょう。 4.痛みが辛い時は痛み止めを飲む 痛い時は無理をせずに痛み止めを使いましょう。変に我慢をすると、食事もままならず体力が落ちて余計に炎症がひどくなりかねません。生体情報モニタ 5.十分に休養をとって安静にする 体力が落ちていると免疫力も落ち、炎症が起こりやすくなります。体力が回復すれば、炎症もそれに伴って落ち着いてくることも多いです。痛い時はゆっくり休みましょう。 歯科医院での対処法は? 上記の対処法は、あくまでも応急処置です。 「親知らずが痛くなる原因」で挙げたように、 痛みの原因は様々です。虫歯や歯を押している痛み、歯ぐきや頬の粘膜を噛んでいる痛みの場合は上記の方法では痛み止め以外は全く効果がありません。また、痛み止めはあくまでも痛みを感じなくさせているだけなので、根本的な解決にはなりません。 親知らずは、抜いた方が良い場合・抜かなくて良い(抜くべきではない)場合があります。正常に生えて機能している場合、もちろん抜く必要はありませんが、親知らずに痛みが見られる場合は何らかの異常があることが多く、その場合の親知らずの痛みを根本的に解決するには、抜歯が最適であることが大半です。痛いなと思ったら、早めに歯科医院で相談すると良いでしょう。…
歯を失っても困らない!?歯の再生はもうすぐできるの?
最近再生医療という言葉を聞く機会が多くなりましたよね。医科ではiPS細胞を用いた臨床応用もされていて、今後はいろいろな病気への治療も期待されています。dentalzzそんな再生医療を歯には応用できないの?って思われる方も多いのではないでしょうか?今回は歯科における再生医療についてどこまで進んでいるのかお話していきましょう。 現在行われている歯科の再生治療 実は歯科では以前から再生医療が行われていました。といっても歯の再生ではなく歯周組織(歯を支える歯茎や骨など)の再生です。歯周病に罹ると歯の周囲の歯周組織が崩壊していきます。通常の歯周治療では歯周病の進行を食い止めることはできても失われた歯周組織を取り戻すことはできません。 しかし、歯周組織再生療法を用いることで失われた歯周組織を取り戻すことができる場合があるのです。 歯周組織再生療法にはGTR法(歯周組織再生誘導法)と呼ばれる方法とエムドゲイン®(エナメルマトリックスタンパクを主成分とする材料)を用いた方法があります。歯を失ってから再生するのではなく、歯を失わないように歯周組織を再生するという考え方です。 再生医療と名前がついている治療法は歯周組織再生療法だけですが、これ以外にも今後の再生療法の土台となる治療は行われています。 例えば歯の移植です。大きな虫歯で歯を抜かなければならなくなった場合に、抜いた歯の場所に変わりの自分の歯を植える方法です。通常、この代わりの歯には親知らずを用います。移植以外に、インプラント治療も再生医療に近い治療と考えられます。インプラント治療は歯の失われた部分にチタンで作られた人工歯根を植え込み、その上にかぶせ物を装着していきます。このように現在行われている治療で再生医療に近づいている治療もあるのです。
歯が痛い原因、歯髄にあるかもしれません。歯髄炎って一体なに?
歯のトラブルの代表といえば、虫歯、歯周病が思い浮かぶのではないでしょうか。このほかにも、歯髄炎が歯のズキズキとした痛みの原因になっていることがあります。ここでは、歯髄炎とはどのような状態なのかを見てみましょう。 歯髄はどこにある? 歯髄とは、歯の中にある神経と血管でできた部分のことです。歯髄は、歯茎の中にある2本または3本の歯の根から細く伸びて、上の方で合流しています。歯の表層から離れた奥の方に位置しているので、健康な歯であれば基本的には痛みを生じることはありません。歯科 口腔内カメラ 歯髄炎の原因で最も多いのは虫歯 <虫歯の進行の仕方> C1:歯の表面のエナメル質だけが虫歯になっている状態。虫歯の部分だけを削り、穴を埋める治療を行います。 C2:エナメル質の奥にある象牙質にまで虫歯が進行しており、冷たいものが歯にしみます。虫歯の部分を削り、穴を埋める治療を行います。 C3:虫歯が歯髄にまで達して歯髄炎を起こしている状態。神経を残せる場合と残せない場合があります。 C4:歯の根だけが残り、歯髄が腐敗している状態。抜歯が必要なこともありますが、根管治療によって歯を残せる可能性もあります。 ※詳しくは、「歯が痛い!?虫歯の進行度別にみる治療法と受診のめやす」をご参照ください。 虫歯がC3の段階にまで進行すると歯髄が炎症を起こし、熱いものがしみるようになります。何もしていないときでも歯が痛くなるようだと、歯髄炎はかなり進んでしまっていると考えられます。そのまま放置すれば歯の根に膿がたまって激痛を引き起こします。このほか、外傷や歯ぎしりによる歯髄への刺激によって歯髄炎になることもあります。 歯髄を残せる場合と残せない場合 歯髄炎は「神経を取る」治療の対象となります。しかし、すべての歯髄炎で神経を取るわけではありません。歯髄炎には、神経を残せるものと残せないものとがあります。 神経を残せないのは次のような場合です。 神経のダメージが元に戻らないと判断される場合(不可逆性歯髄炎) 神経が露出している場合 痛みの持続時間が長い場合 反対に痛みがなく、神経のダメージが回復すると判断される場合(可逆性歯髄炎)は神経を残せる可能性が高くなります。歯髄を残す治療では、虫歯になった部分を削り、薬剤をつめて歯髄を保護します。痛みを生じないようなら詰め物や被せものを入れて治療は完了です。 まとめ 歯髄炎は、虫歯が歯髄にまで達したときに引き起こされることが多く、中には歯を抜かなければならない場合もあります。神経のダメージが回復すると判断される場合は歯髄を残す治療を行います。また、神経のダメージが回復しないと判断され、神経を取らなくてはならない場合でも根管治療によって歯の保存を目指すことができます。 根管治療については、「虫歯を放置するのは危険!歯髄炎に必要な根管治療とは」でまとめておりますのでこちらをご参照ください。
初耳っ…歯磨き粉も関係アリ!「口内炎対策」歯科衛生士のお勧めケア
秋はやっぱり、食欲の秋! けれども口内炎が出来たら、せっかくの美味しい食事も一口食べるたびに「沁みて痛い……」と台無しですよね。気付くと出来ている口内炎の仕組み、みなさんは知っていますか? 今回は、“愛を語る歯科衛生士”として活躍する仲谷めいさんに、痛くて辛い口内炎のケアについて伺ってきました。 ■口内炎が出来る原因とは? 「口内炎と聞くと、誤って口内を噛んでしまったり、粘膜を歯ブラシなどで刺激して出来てしまうイメージが強いと思います。他にも生活が不規則でストレスが溜まっていたり、睡眠不足や偏食による鉄分、ビタミンの不足も原因として考えられます。 また、お口の中が乾燥していたり、不衛生な状態だと歯磨き粉の成分で粘膜が損傷してしまうこともあるんですよ」と説明する仲谷さん。オートクレーブ 日頃の食生活で気を付けられる点はあるのでしょうか? ■口内炎予防に効果的な食べ物 「予防にはビタミンB2とビタミンCが多い食べ物を摂取すると効果的です。ビタミンB2を多く含んでいるのは、牛や豚、鶏レバー、のり、牛乳、ヨーグルト、チーズ、うなぎ、さば、ししゃも、たまご、納豆、アーモンドなどです。 これらをバランスよく摂ることはもちろんですが、リラックスできる時間でストレスを和らげ、睡眠時間を確保することもとても大切ですよ」(仲谷さん) ビタミンCはレモンなどの果物、野菜に多く含まれています。どちらか一方だけでなく、バランスの取れた食生活と、質の良い睡眠はやはり重要なことが分かりますね。 ■歯科衛生士がおすすめする口内炎の対策方法 「歯磨き粉の成分による粘膜の損傷の場合は、私も使っているラウリル硫酸ナトリウムという成分が無配合の歯磨き粉に変えることがおすすめですよ。 この歯磨き粉を使うと、歯を磨く時に泡立たないのですが、そのことでお口の中の不衛生な状態も改善しやすくなります。通常のよく泡立つ歯磨き粉は、お口の中が泡であふれて歯ブラシしにくい上、泡によって歯を磨けたと錯覚し、磨き残しが多くなってしまうこともあるんです! また、歯並びや噛み合わせでも口内炎ができることがあります。八重歯のとがった先端がくり返し唇の内側を刺激したり、親知らずが生えてくることにより、本来当たることのなかった場所に歯が当たることで傷が出来るからです。この場合は、お近くの歯科医院で相談してみてくださいね」とのこと。 ある日突然出来る口内炎は、日頃の不摂生から体が出すSOSサインなのかもしれません。食欲の秋を謳歌するためにも、上記のことに気をつけて口内炎とはサヨナラしましょう!
歯が抜けるとシワとたるみが増える!?
顔の皮膚を支えているものとは…… 顔の皮膚の場合目元や額などは、肌の下には骨があり皮膚を押していくとぶつかりそれ以上押し込むことができません。それでは口元の場合はどうでしょう? 口を開けて頬を指で押し込めば割と簡単に内側に押し込むことが可能なはずです。さらに鼻と唇の間を指で押せば、皮膚の下に歯の感触が感じられると思います。目元や額と違って口元は歯や顎の骨が皮膚を支える土台となっている証拠なのです。 歯が全て無くなると口元が吸い込まれる? 歯が全て無くなった状態は総入れ歯の人が入れ歯を外した状態で確認できると思います。全て無くなるために鼻の下や頬が内側に凹んで、口元が口の中に吸い込まれるように見えます。皮膚の下の支えを失うと老化とは別の形でシワができやすくなります。 ここまで極端なケースではないにしろ抜歯すれば、肌は歯の支えを失ってしまいます。さらに悪いことに抜歯をするとそれまで歯を支えるためにあった顎の骨が時間とともに少しづつ減少して痩せたような感じになるのです。このように年齢とともに肌の劣化が起こっている状態に、さらに歯と顎の骨の支えが減少した結果、口元に表面の張りがなくなり小じわが増えてくることが考えられます。抜歯鉗子 歯で改善できるケース ■3本以上連続で抜歯したままになっている 抜歯されているのが1本程度であれば、それほどの影響はないのですが、3本程度になると肌の支えが足りなくなりシワができる可能性があります。 ■上下に噛み合う歯がない 数本の歯が上下に残っていても噛み合うことができない場合には、口が余分に閉じることができます。口を閉じすぎれば頬の肉が余り、たるみとなります。 ■総入れ歯 総入れ歯やそれに近い状態に近付くと肌を支える歯が無くなってしまい、さらにあごの骨も痩せて小さくなって、肌を支えがますます減少します。しかし入れ歯をきちんと作ることで口の中から肌を支えて、シワを伸ばしてハリを戻す役割もできるようになります。 抜歯後の年数が経過すればするほど、土台となる歯ぐきの骨も痩せて小さくなりがちです。はじめは気にならなくても肌の支えが徐々に減少してしまうため、できるだけ抜歯にならないように歯を大切にすることと、もし抜歯になってしまった場合には、速やかに入れ歯やブリッジ、インプラントなどで元の雰囲気に戻すことをオススメします。
年間3000人が死ぬ口腔がんは発見が遅れがち 歯科で診察を
特定の原因がなく舌の縁や頬粘膜などが白くなる白板症や、紅斑が出る紅板症は、口腔がんの前がん症状といわれる。初期ではほとんど無症状だが、白板症で7~14%、紅板症では実に50%以上の確率でがん化する。 欧米では歯科の診察による早期発見で口腔がんの生存率が改善している。一方、日本では、この30年で患者数が3倍も増加しており、しかも進行がんが多く注意が必要だ。歯科 口腔内カメラ 口の中にできる口腔がん患者は、日本ではこの30年間で約3倍に増えており、現在、年間約6000人が新たに発症し、約3000人が死亡している。口腔がんの主なものは舌がんだが、このほかにも舌と歯肉の間にできる口腔底がん、歯肉がん、口の上側にできる硬口蓋がん、頬粘膜がんなどがある。 がん全体における口腔がんの割合は2~4%と少なく、また、口の中の病気は虫歯や歯周病だけだと思われているため、早期発見が遅れるケースが多い。昭和大学歯科病院口腔外科の新谷悟教授に話を聞いた。 「口腔がんの前がん病変として白板症や紅板症があります。白板症は特定の原因がなく舌の縁や頬、歯肉などの一部が白くなるもので、7~14%の確率でがん化する病変です。口の粘膜の一部が紅色になるのが紅板症で、がん化する確率は50%以上と高率なので注意が必要です」
歯痛を解消する根管治療に抗生物質は効果ない!?
根管治療(歯の根の治療)を行っている際、抗生物質が処方されるケースはよく見られます。この場合の抗生物質の目的と有効範囲について解説します。 抗生物質では根管治療は行えない 「根管治療」とは、歯の根の中にある、歯の神経が通っている細い管を掃除し、感染物質を除去する治療です。根管治療は歯科治療の基礎となる重要なものです。 歯の神経を取り除くときは、悪化しないように丁寧で適切な治療を行う必要があります。 根管治療中に、抗生物質を処方することは比較的多いものです。 根の病気の原因は細菌のため、細菌を抑える抗生物質を服用することで、細菌を減らすことができるのではないかと思いがちです。 しかし、実際には抗生物質を飲むことで根の病気が治るかというと、そうではないのです。 抗生物質が効く仕組み まずは、抗生物質がどのように効くのか、その仕組みを見てみましょう。 根の病気で抗生物質を服用すると、血管の中に薬の成分が入り、ある程度の濃度を維持して患部に届きます。そうすることによって、一時的に痛みや腫れなどの症状が緩和されます。 では、根の中の細菌は抗生物質でたたくことができるのでしょうか。根の病気(根尖性歯周炎-こんせんせいししゅうえん-)である歯は、すでに神経が死んでいる(壊死歯髄)か、根管長測定器神経がない(根管治療歯)ため、血が巡っていない状態です。つまり、いくら抗生物質を飲んでも、根の中の細菌に薬の成分が届くことはありません。 根管治療をするためには、抗生物質ではなく、感染した歯を抜歯して取り除くか、感染した歯の根の治療をする必要があります。 感染の広がりを防ぐ作用は期待できる 細菌などの感染源を取り除く根管治療においては、抗生物質で細菌をたたくことができないため、抗生物質の服用は必要ありません。しかし、細菌が根の中だけではなく、全身に拡がろうとしている場合には、抗生物質の効果に期待できます。 人間の身体にはもともと免疫力が備わっているため、外部から多少細菌が侵入しても、血液内の免疫細胞が細菌をやっつけてくれます。そのため、根の中の細菌が体中に拡がることはまれです。 しかし、体の抵抗力が落ちてしまうと、感染が全身に拡がってしまうこともあります。抵抗力が下がったり、感染しやすい病気を持っていたりする人には、抗生物質が必要になる場合があります。