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総義歯とはなに?

総義歯とは、自分の歯が1本も無い人が使用する入れ歯のことです

「平成23年広島県県民健康意識調査」では80歳以上の方の28.4%が、自分の歯が全く無いとアンケートに答えています。総義歯は歯科医院歯ぐきの型をとって、一人一人 のお口にあったものを作り、うまく使いこなすことができるように調整します。ここでは正しい使い方やその限界なども説明します。

 
総義歯を使用する利点          歯模型
 
歯がそろって、食事がしやすくなり栄養状態が良くなる
食事することが楽しくなり、食生活に対して前向きな気持ちになれる
噛み合わせが安定して、身体の運動能力が向上する
失われた歯や歯ぐきが義歯によって再現され、顔の雰囲気が若返る
総義歯を使用することで、不明瞭だった発音が良くなる
以上のように高齢になり、乳歯・永久歯すべてを失っても、第3の歯として総義歯を使用することでQOLが向上します。
総義歯を入れてから食事が楽しみ
自分の歯がある人とは違う点
自分の歯(天然歯)で噛むときの力は最高で20kg程度といわれています。ところが、総義歯を使用して噛むときの力は最高で6kg程度といわれています。残念ながら、総義歯で噛む力には限界があり、自分の歯で噛む人と比べて噛む力は1/3程度です。
 
① 調理方法の工夫
特にまだ総義歯を使用することに慣れていない場合は、噛むときに抵抗がなく小さく切った軟らかい食べ物(豆腐、うどん、卵料理、煮た野菜、おかゆ等)から食べてみましょう。総義歯に慣れてからも、あらかじめ食べ物を包丁で刻んだり(刻み食)、切れ目を入れておいて食べやすくしておくことも大事です。わかめやレタスなど厚みが薄い食べ物も食べにくいので、調理方法を工夫してみましょう。
調理法の工夫
② 食べ方の工夫
一口量を少なくして、噛むことが負担にならないようにしましょう。そして食べ物を噛み切るときは、前歯の真ん中より唇の端の方(犬歯・小臼歯)に食べ物を乗せて噛み切るようにしてみましょう。総義歯は、前歯で噛むと外れやすい特徴があります。
食べ方の工夫
③ 義歯に慣れるために
新しい総義歯を使用して満足に噛めるようになるには、通常少なくとも1~2ヶ月はかかります、その間は練習期間と思ってください。ただ、なかなか慣れなかったり、総義歯を使用して痛みがあるようなときは、がまんしないでかかりつけ歯科医に相談しましょう。義歯の調整と使用上のアドバイスをしてもらい、かかりつけ歯科医と一緒に総義歯に早く慣れるように努力してみましょう。
 
④ 総義歯の使用上のアドバイス
古くなったり合わなくなった総義歯を使用していると、歯ぐきを傷つけたり、場合によっては歯ぐきがやせてしまうこともあります。現在総義歯を使用されている方もお口にきちんと合っているか、かかりつけ歯科医院でチェックしてもらいましょう。歯が全て失われた方も、楽しくて美味しいと感じる食事をしていただき、QOLが向上することを私たち歯科医師は願っています。

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