キレイの大敵!眠りを妨げる「歯ぎしり」を防ぐには?
こんにちは。歯科医の中嶋麻優子です。 みなさん、歯ぎしりを指摘されたことはありませんか?
ある研究データによると、程度の差はありますが、成人の8割が歯ぎしりを行っているとのこと。しかし、無意識に行っているため、自覚している人は2割にも満たないとされています。
歯ぎしりは、女性がキレイでいるために大切な睡眠を妨げる原因となることも。 ということで、今回はキレイの大敵となる「歯ぎしり」についてお話ししていきたいと思います。
1.歯ぎしりの原因は?
主な原因として考えられているのが、「噛み合わせの乱れ」と「ストレス」です。 噛み合わせの乱れが原因の歯ぎしりは、元々の歯並びが悪いために引き起こされることもありますが、抜けた歯や虫歯を放置することによって噛み合わせが悪くなり、顎の筋肉のバランスが崩れて引き起こされることが多いです。
また、ストレスが原因の歯ぎしりについては、起きている時に感じている過度のストレスを、寝ている間に歯ぎしりをすることで解消しているんだそうです。
2.歯ぎしりによって引き起こされる症状
食事で硬いものを食べるときにかかる力はだいたい10~30Kgとされているのに対し、激しい歯ぎしりでは100kgにもなるそうです。 100kgもの力が歯や歯茎、顎にかかってしまうため、起きた時にこれらの部位が痛くなってしまうことがあります。
あまりに強い力がかかるため、歯にヒビが入って割れてしまったり、歯茎に炎症がおこって歯周病が進んでしまい、歯がグラグラになってしまうことも。 さらに、エナメル質が削れて象牙質が露出することで知覚過敏になることもあります。
また、顎が痛くなるのはいわゆる「顎関節症」という症状を指します。顎関節は自然に治ることもありますが、酷い場合は、「口が開かない」「噛むと顎が痛い」「顎に痺れを感じる」などの症状に発展してしまいます。
さらに、「肩こり」や「頭痛」、「目の奥の痛み」、「めまい」、「寝ても疲れがなかなか取れない」などの全身的な症状まで引き起こしてしまうこともあるんです。
3.歯ぎしりの対処法
歯ぎしりのひどい人は、歯や顎の負担を考え、普段から、硬いものやガムなどを食べるのはやめましょう。 噛み合わせが乱れてしまっている方は、歯医者さんで噛み合わせの乱れの原因となる部分を取り除いてもらってください。 (
タービンハンドピース)
またストレスが原因となる場合、自分なりにリラックスできる方法を探してみてください。 お風呂にゆっくり浸かったり、アロマを炊いたり、ちょっとした工夫でリラックスすることができるはずです。
4.病院における歯ぎしり対策
歯ぎしりによる歯や顎への負担を軽減するために、私たち歯科医師は患者さんが就寝する時に歯ぎしり専用のマウスピースを使用することをオススメしています。 この専用のマウスピースは硬い素材で作られていて、歯ぎしりの程度によって厚みを調整して作られます。
マウスピースと聞くと、ボクサーなどが使用するゴツいものをイメージしてしまい、異物感を心配される方も多いと思いますが、心配ありません。歯ぎしり専用のマウスピースは、歯型に合わせて出来る限り薄めに作られるものなので、慣れてしまえばほとんど異物感を感じることはありません。また、マウスピースを使用しているだけで安心感が得られるため、ストレスを軽減させることもできます。 (
光重合器)
ちなみに、歯ぎしりの中には、ガタガタと歯を触れ合わせたり、歯を食いしばったりするタイプの、気づきづらい歯ぎしりもあるんです。 ですから、心配な方は、歯科医院に定期検診に行くようにしてくださいね。
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