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歯周病は感染症、日本人はオーラルケアの再考を=サンスターが6カ国調査を公表

日本では「歯周病」の認知度、「感染症」への恐怖心が先進各国で抜きん出て高いものの、正しいオーラルケアに対する知識が不足している――。サンスター「G・U・M」が2014年10月20日に公表した「世界のオーラルケア・歯周病事情に関する調査」で、日本人のオーラルケアへの知識不足が明らかになった。調査は、先進国6カ国20-69歳の男女2280人を対象に実施。日本では「歯のケアには時間やお金をかけたくない」と感じる人の比率が6カ国で最も高いという結果になった。

調査を実施したのは、日本、アメリカ、ドイツ、オーストラリア、イギリス、スウェーデンの6カ国。2014年9月2日から17日までインターネット調査を実施した。各国380人ずつから得た回答を分析している。

調査では、「歯周病をご存知ですか」という質問に対して、日本は、オーラルケアの先進6カ国中で最高の98%が認知しているという結果だった。2位はドイツで96%、3位はアメリカで84%だった。

また、「自分は歯周病ではないし、今後もなることはないと思っている」という回答率では、日本は17%と6カ国で最低。ドイツの49%、アメリカの60%などと比較して著しく低く、危機意識の高さが伺える。

また、日本では「歯のケアに時間やお金をかけたくない」と考えている人が30%を占めて、6カ国中最も歯のケアに時間もお金もかけない国であるという結果にもなった。具体的に、1本のハブラシにかける費用を聞くと、日本の平均は233円と6カ国中で最低だった(2番目に低いのはドイツの324円。最高はオーストラリアの432円)。また、朝・昼・夜の歯みがきで使用しているアイテムを聞いたところ、日本だけが3シーンでハミガキ粉の使用率が75%を下回るなど、著しく低い結果になった。また、歯間ブラシ・フロス、マウスウォッシュ、ワンタフトブラシなどの使用率も相対的に低かった。

この調査結果について、歯学博士で神戸常磐大学短期大学部口腔保健学科長の野村慶雄教授は、「歯周病の認知度が高いことと意識が高いことは一致しない。歯周病の原因や成り立ちが理解できると、予防や治療への行動につながります。今回の結果からは、本質的には日本では歯周病のケアやキュアに対する習慣が確立していないことがうかがえます」とコメントしている。(ウォーターピック)

さらに、「歯周病の予防のためには、歯肉に接する歯面に付着するプラークを除去すること、そのためにはハブラシの毛先が歯肉に接触することが大切です。ハブラシだけでは完全にコントロールできないため、歯間ブラシ・タフトブラシなど補助的清掃具をもっと活用し、それでも残ってしまう細菌に対してデンタルリンスなどを併用することをお勧めします」とアドバイスしている。

一方、「感染症」に関する恐怖心を聞いたところ、日本では94%が「怖い」と回答し、2位のオーストラリアが69%などと比べ、他国を大きく引き離す結果になった。ところが、「歯周病は感染病だと思うか」という問いには、日本では「接触感染だと思う」と答えた人が25%と正しく答えた人は1%しかいなかった。現在、歯周病の感染経路は思春期以降の唾液感染であると推測されているという知識が、日本では意外と広まっていないことがわかった。(口腔模型)

この結果に対して、野村教授は「歯周病は感染病です。歯周ポケットの歯肉側は表面がただれた潰瘍になっていて、血管の開口部も存在します。ポケット内は様々な細菌の温床であるため、それらの細菌や細菌が出す病原因子は容易に血管の中に入り込み、血流に乗って時には全身疾患の発症や進展に関わることになります。歯周病と全身疾患との関わりなど、様々な媒体を通して、正しい歯周病の知識や最新情報を提供していくことが大切でしょう」と語っている。また、「口の現状チェックは自分ではできないので、定期的に歯科医院などを受診し点検してもらうとともに、適切なアドバイスをもらい日々のケアを実践することを心がけましょう」とアドバイスしている。

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