歯ブラシだけじゃない!プラークを除去するための10の方法
歯ブラシやデンタルフロスでしっかりプラークを取っているのに虫歯や歯周病になってしまうと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。歯医者では歯磨きが足りないから虫歯ができると言われるだけです。しかし、実は歯磨きだけではプラークをすべて取ることはできないのです。薬を使ってプラークを除菌することができるのです。今回は最新のプラークの除菌方法をお伝えします。ぜひ参考にしてください。
1.プラークとは
プラーク(歯垢・しこう)とは口の中の細菌が歯の表面についてベトベトに固まっている状態です。プラークには虫歯菌や歯周病菌などが1mgの中に1億匹以上います。このプラークの細菌が酸を出して歯を溶かしたり、毒素を出して骨を溶かすことによって、虫歯や歯周病が進行するのです。
プラークは出血している歯茎から、血液の流れに乗って体の中に入り込みます。プラークによって体の中の血管を詰まらせ心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす原因にもなります。また、口は呼吸の入り口でもあるため口の中のプラークが肺炎を引き起こす誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の原因になり、肺炎は日本人の死亡原因の4位になります。
プラークは感染する
赤ちゃんの口の中は細菌が少ない状態で生まれてきます。そこにご家族の口の中のプラークが入り込むと赤ちゃんの口の中で猛威をふるいプラークが口の中を支配してしまいます。ご家族が虫歯や歯周病になっていると子供も同じような病気になりやすくなるのです。自分の口の健康を保つことは子供の健康を保つことでもあります。
2.最新プラーク除去法
2−1.マウスピースによるプラーク除去
マウスピースの中に殺菌作用の強い薬を入れ、プラークを除菌する方法を3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)と言います。専用のマウスピースに薬を入れプラークに直接作用させて除菌する方法です。マウスピースによって薬が唾液によって流されず、長時間プラークに効くため除菌効果が高い方法です。
治療方法
細菌検査をし、プラークの中にどのような細菌が多くいるか確認する
口の中の型を取り、マウスピースを作る
薬を選んで、マウスピースに入れる
定期的にプラークを検査して効果が出ているか確認する
費用
保険外診療の場合、3万円から10万円程度です。保険診療の場合5千円程度、その他歯周病治療の費用がかかります。
2−2.抗生物質:ジスロマック
プラークを抗生物質のジスロマックで除菌する方法です。ジスロマックはマクロライド系の抗生物質で作用期間が長く、プラークに効果を発揮する薬です。特に歯周病の状態が悪い人に効果的で、腫れや膿が改善しやすいです。
治療方法
細菌検査でプラーク中にどのような細菌がいるか確認する
抗生物質をのむ
歯石やプラークをできるだけ短期間で取る
定期的に細菌検査をしてプラーク中の細菌が安定しているか確認する
費用
保険外診療で5万円から15万円程度です。保険診療の場合は3万円程度、その他歯周病治療の費用がかかります。
2−3.悪玉菌から善玉菌:バイオガイア
プラークを取り除いても時間が経てばプラークは元に戻ってきます。そのため悪玉菌のプラークが住み着く前に善玉菌のプラークが住み着くようにするバクテリアセラピーという方法です。バイオガイアという商品で善玉菌を口の中に増やします。
方法
1日1回バイオガイアのタブレットを口の中で溶かすように舐めます。飲み込まないようにしてください。補助食品のため健康に影響はありません。続けることが大切です。
費用
通販等で購入可能で870円〜3240円程度です。
3.歯医者で行うプラーク除去
3−1.歯周ポケットのプラーク除去
歯周ポケットが4mm以上の深い部分は自分でプラークを除去することができません。そのため歯医者で歯周ポケット内のプラークを超音波の振動を与えながら取り除きます。1〜3ヶ月程度で定期的に洗浄する必要があります。詳しくは「歯医者で行うクリーニングの6つの疑問とセルフクリーニングの4つの手順」を参考にしてください。
3−2.歯石除去
歯石はプラークと唾液が固まった軽石のようなものです。歯石の中や周りにはプラークが大量についているため、歯石ごとプラークを除去する必要があります。詳しくは「絶対歯石を取ったほうがいい本当の理由」を参考にしてください。
4.自宅でできるプラーク除去
4−1.電動歯ブラシ
電動歯ブラシは上手く使えばプラークを効率的に落とすことができる道具です。電動歯ブラシの超音波の振動によってプラークを破壊できますので、歯医者で行うプラーク除去と同じ効果が得られます。ただし歯周ポケットが3mm以内で電動歯ブラシをしっかり歯周ポケット内に入れる必要があります。詳しくは「歯科医推奨!本気で選ぶ電動歯ブラシ!」を参考にしてください。
おすすめ電動歯ブラシ
ソニッケアーダイアモンドクリーン:通販等で購入可能
4−2.デンタルフロス
デンタルフロスは歯と歯の間のプラークを取り除くためのものです。歯周病や虫歯の90%以上は歯と歯の間から起こります。そのためデンタルフロスを行わなければ、最も取らなければいけないプラークを取り残してしまうのです。詳しくは「歯医者は絶対やっている!デンタルフロスで虫歯や歯周病を防ぐ方法」を参考にしてください。
4−3.歯間ブラシ
歯間ブラシは歯周病で歯茎が下がってきている人に有効なプラーク除去方法です。歯と歯の隙間が大きく開いているとデンタルフロスではプラークが取りにくくなります。歯間ブラシを前後に動かすことによってプラークを取り除きます。歯間ブラシにはサイズがあり、隙間の大きさにあったサイズを使うことによって効率的にプラークを取ります。詳しくは「歯の隙間にはこれ!歯医者が歯間ブラシを勧める3つの理由」を参考にしてください。
4−4.歯ブラシ
歯ブラシはプラーク除去の基本です。歯ブラシのやり方が間違っていれば時間の無駄になり、歯ブラシだけではプラークをすべて取り除くことができないことを知っておく必要があります。詳しくは「虫歯や歯周病を徹底的に防ぐ「歯磨き力」をつける6の秘訣」を参考にしてください。
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4−5.洗口剤や歯磨き粉の使用
歯磨き粉や洗口剤の中にはプラークを殺菌する成分が含まれているものが多いです。歯磨き粉はできるだけ多く使い、最後のうがいを少なめにして、口の中に成分が残るようにすると効果的です。洗口剤は歯磨きをして口の中がきれいになった状態で、長めに行うと効果が出ます。
おすすめ歯磨き粉
ジェルコートF1,000円:通販等で購入可能
5.プラークのチェック方法
プラークは歯の色と近いため目で見てもわかりにくいものです。歯垢検知液を使ってプラークを赤く染めると、どこにプラークが残っているか、自分の歯磨きの癖などがわかります。また、プラークはヌルヌルしているので、舌で触ってツルツルしていないところはプラークが残っているところです。
おすすめ歯垢検知液
デントクラブ 歯垢染色ジェル300円:通販等で購入可能
松風歯磨き上手PRO180ML1165円:通販等で購入可能
6.プラーク検査方法
6−1.ミュータンス菌の検査
ミュータンス菌は虫歯菌の代表的な菌で、多い方は虫歯になりやすいです。唾液や歯の表面からプラークを取り培養して、ミュータンス菌の量を検査します。親から感染する菌なので自分のミュータンス菌の状態を調べた上で、子供に感染させないようにする必要があります。
費用は唾液検査に含まれ3,000円
6−2.バチラス菌の検査
バチラス菌は虫歯菌の代表的な菌で口の中に詰め物や被せ物が多い方に見られます。銀歯やプラスチックの材質はプラークが付きやすく、隙間に細菌が住み着きます。セラミックなどプラークが付きにくい材料に変えることによってバチラス菌を減らすことができます。
費用は唾液検査に含まれ3,000円
6−3.歯周病菌の検査
歯周ポケット内のプラークの遺伝子検査をすることによって歯周病菌の有無や量を確認します。歯周ポケット内にはプラークが多く存在します。歯周病を悪化させる菌がどれほどの割合でいるかによって歯周病のなりやすさがわかります。
費用は1万5千円から3万円程度です。
6−4.顕微鏡検査
プラークを位相差顕微鏡で確認し、活動状態やらせん菌(スピロヘータ)を確認します。顕微鏡検査では細菌の種類までは確認できませんが、動きを見ることによって、プラークが活性化しているのか安定しているのかを確認します。
費用は保険診療の歯周病検査に含まれていることが多いです。
7.おかざき歯科クリニックのプラーク除去の流れ
口の中の状態を確認するため写真、レントゲン、歯周ポケット検査を行う
唾液検査
歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシの説明
顕微鏡検査
歯石の除去
歯周ポケット検査
必要な方に3DS、ジスロマック、バイオガイアの治療
まとめ
プラークは毎日毎食後取り去ることが基本です。ただし、人によっては歯ブラシやデンタルフロスだけでは取り除くことができなかったり、プラークに含まれる細菌がとても強い場合もあります。その場合は薬を使いながらプラークの除菌をし歯や歯茎を守っていく必要があります。
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