虫歯で歯を失うと○○が加速、日本人8000人以上を対象に京大が検証
歯を失った場合、その後にある病気に注意が必要になるようだ。
京都大学の研究グループが、歯科領域の国際誌であるジャーナル・オブ・デンタル・リサーチ誌オンライン版で2014年11月18日に報告した。
外傷や歯列治療ではない理由で歯が抜けた?
これまでも口の中の病気とほかの病気との関係についてはいろいろな研究が存在しているが、その検証内容によって結論は一定していない。
このたび研究グループが注目したのは「動脈硬化」。全身にわたる血管網を構成するそれぞれの血管の内側に脂肪類などが蓄積して、血管が硬くなる病気だ。心臓病や血管病などさまざまな深刻な病気の原因になる。
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研究グループは、30から75歳の日本人8000人以上を対象に、外傷や歯列治療とは関係なく、虫歯や歯周病など炎症を起こす病気のために歯を失ったことと動脈硬化との関連性を検証した。
歯科検診、心臓や血管の病気を調べる検査を実施。動脈硬化については、腕と足首の間の波動の伝わり方から計測する「心臓足首血管指数(CAVI)」で調べた。
年齢、性別、BMI、喫煙、ヘモグロビンA1c(HbA1c)、インスリン/低血糖薬の服用歴による影響を調整して分析した結果、男性が歯を失った場合にCAVIで調べた動脈硬化が加速すると分かった。女性では関係がないようだ。
虫歯の放置はよくある話。大人数を対象とした研究で信頼度も高いと見られ、歯だけではなく心臓の病気にも気を使うようにするとよいかもしれない。
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