東大病院とNTTドコモ、共同開発のクラウド型12誘導心電図伝送システムの商用提供開始
NTTドコモと東京大学医学部附属病院は、社会連携講座「健康空間情報学」を東大病院22世紀医療センター内に設置し、共同研究および実証試験を進めてきた「クラウドサーバー型モバイル12誘導心電図伝送システム」において、心筋梗塞患者のカテーテル治療により冠動脈血流を再開する(再灌流)までの時間短縮や、救命率の向上などに対する有用性を明らかにすることができたと発表した。その結果を受け、2015年1月20日より医療機関や自治体消防向けに本システムの商用提供を開始する。
両者は、2011年9月の共同研究開始以降、同システムの開発および共同研究における実証試験を実施することで、心筋梗塞患者の再灌流までに要する時間を従来より平均30%の短縮効果が得られることを確認した。これは患者の救命率および予後の向上に貢献できる結果だという。また、この結果に関する学術研究発表を国内外で広く行い、医療的な安全性・有効性も評価されているという。
システムの主な機能としては、心電計(LsbTech社製)は初診時やCCU、ICUなどで詳細な情報を必要とするときに使用される標準12誘導心電図を採用しており、1回の計測で10秒程度の立体的な心臓の状態を把握できる。また、コンパクトでノイズに強く救急搬送中でも安定して心電図を取得できる。
モバイル端末から
心電計から心電図を受信し、心電図を確認できる。また暗号化した通信で心電計から受信した心電図をクラウドサーバーへアップロードする。さらに、一つのサーバーに伝送された複数の心電計からの心電図について、許可された複数の医療機関が、そのサーバーにアクセスすることにより心電図を閲覧することができる。費用についてはNTTドコモ広報部「ドコモビジネスオンライン(http://www.docomo.biz/d/inquiry)」へ問合せ。
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