歯周病から始まる全身疾患。防ぐには「ユーカリの葉」が有効?
実に、日本の成人男女の8割が感染している言われる歯周病。そのうち45%は治療が必要なレベルであり、10%は深刻な病状に陥っているという。それは日本だけじゃなく、歯周病は「人類史上最大の感染症」としてギネスブックにも認定されている。
歯周病が進行すれば、出血などが起こり歯が抜けるだけでなく、そこから歯周菌が全身に回ってさまざまな疾患の原因にもなる。ちなみに歯周病は18歳以降から感染が始まり、そこから発症して重傷に陥るのは40代が多いそうなので、中年にとって歯周病は全身疾患のサインとも言えるのだ。ただ、まさに全人類にとっての大問題といえる歯周病だが、もしかすると、その予防にすごい効果を発揮しそうな研究結果が実を結ぶかもしれない。
チューインガムで知られるロッテは7月28日、都内で「ユーカリ抽出物研究結果発表会」を開催した。これは「ロッテが25年間研究してきた歯周病対策の、集大成的な結果発表」(大澤謙二=ロッテ中央研究所 基礎研究部 部長)だという。同社は、食品に応用できるさまざまな天然素材のなかから、ユーカリの葉に着目。そう、あのコアラが食べているユーカリの葉だ。ユーカリは全部で数百種類あるらしいが、そのなかからもっとも抗菌&歯垢形成酵素阻害効果が強いユーカリの種類を発見したという。
同社ではすでに、そのユーカリ抽出物(マクロカルパールC)を使った「ユーカリ抽出物配合チューインガム」を試作し、安全性と効果の実験も行った。その結果、歯肉の炎症や出血などに対して「有意義な改善が認められた」という。
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これまでは歯医者などの“プロ”に看てもらうほか、歯磨きや歯間ブラシ、マウスウォッシュなど日々のセルフケアを試みるしかなかったが、もしこのユーカリ抽出物を使ったチューインガムが一般ユーザーの元に届けられれば……。とてつもなく強力な“援軍”になるかもしれない。
とはいえ、「一番大切なのは普段のケアと診療を組み合わせることですよ」と説くのは、発表会にも登壇した大阪大学大学院歯学研究所の天野敦雄教授だ。
「歯周病の症状は千差万別なので、人によって適切な予防法も異なります。なのでまずは歯科医師の診療を受けたほうがいいです。一度、歯垢が赤く染まる検査を受けてみてください。きっと歯が真っ赤に染まりますから。あと、『マウスウォッシュを毎日しているから大丈夫だろう』などと思う人もいるのですが、それだけでは不十分なんですよ。歯磨きにしても、強くやればいいのじゃなく、歯と歯の間にブラシの先を上手く入れる意識を持ったほうがいいです」
お口のケアは女性と接するときでも、基本の「き」。今日から始めることができるセルフケアとプロケアを組み合わせて改善を目指すべし!
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