入れ歯のメンテナンスを怠ると健康に影響が!? 若さを保つ秘訣とは
歯を失っていくと、食事、会話、表情など、からだの健康や社会生活に 支障をきたします。歯科医師と相談し、自分に合った入れ歯などで 口のなかのコンディションを整えることが、若さを保つ秘訣なのです。
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歯周病やむし歯が進行して長い年月を経ると、歯を失ってしまうのは自然の摂理といえます。しかし、歯を失ったままで放置しておくと、からだの健康にさまざまな影響を及ぼします。
たとえば、歯が少ない状態では、生命活動の源である栄養摂取のために食べものをかんでのみ込むという動作が不自由になります。また、食べることは栄養摂取の目的以外にも人生の楽しみの大きな部分を占めていますから、きちんとかんでのみ込めて、歯ごたえや味や温度を感じることができると元気が湧いてきます。
「流動食でかむことをしなかったり、胃ろうになって口から食べものを摂取できなくなったりすると、瞬く間に衰弱してしまうのは、肉体的のみならず精神的にもよくないためです」
そう説明するのは、昭和大学歯科病院高齢者歯科教授の佐藤裕二歯科医師です。
「歯がない状態の放置は、うまくしゃべれない、見た目が悪いなど、社会生活をしていくうえでも大きな悪影響があります。かみ合わせに支障をきたし、顎関節症を発症したり、残っている歯に負担をかけて、さらに歯を失うことにもなります」(佐藤裕二歯科医師)
佐藤歯科医師の外来には、全身に病気を抱えた平均80歳くらいの高齢者が日々訪れます。定期的に介護施設での診療にもあたります。
佐藤歯科医師たちは、患者の口のなかの状態を、まずかんでのみ込める状態かをきちんと評価し、必要に応じて治療します。失われた歯を補う方法は、入れ歯、ブリッジ、インプラントがありますが、高齢者の場合は、全身状態や残りの歯のことを考慮すると義歯で補う場合が多いようです。
「入れ歯はどうしても自分の歯に比べると違和感があるのは否めません。着脱して洗浄したり、メンテナンスしたりも面倒です。しかし、それらを丁寧におこない、いい状態を保つとからだの健康にもつながります」
また、心臓病などの手術が必要な治療を受けなければならない場合は、緊急でなければ事前に歯の治療をしておくことが大切だと佐藤歯科医師は話します。
「今では、手術の前に口腔ケアをしておくというのは常識に
光照射器 歯科なっています。口腔ケアをすると、術後の退院も早くなります」
口の中をきれいにすると発熱を防げ、肺炎は半減するという論文もあります。「患者さんには、口の中をきれいにしてさっぱり爽やかでいることが、いかに健康的で若々しくいられるかを繰り返し強調して伝えています。たとえ要介護になったとしても、QOL(生活の質)を保っていくには口腔ケアは大切です。地元の歯科医師会に問い合わせて訪問歯科の先生を紹介してもらうことをぜひおすすめします」
■部分的に歯を失った場合の弊害
・機能の低下(咀嚼や発音)
・見た目
・残っている歯への影響
・顎関節症
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