大人が歯列矯正をやる意味はあるのか
歯並びが気になっているものの、なかなか歯の矯正に踏み切れない、という人も少なくないのではないだろうか? 「歯列矯正は子どものときに行うもの」、「大人になってからでは時間がかかる」と思っている人もいるかもしれない。「おしトピ by 教えて!goo」で「大人になってからの歯列矯正に興味ある?」と聞いたところ、「ある」、「今やっている」との声が多数寄せられた。
■きれいな歯並びで、自信のもてる口元に!
「大人になっても気になるし、コンプレックスだったりするから(中略)もっと自信がもてるようになる気がします」(enjoy2525さん)、「小学生の時は銀色の器具が剥き出しで嫌でしたが、今は歯並びを褒められることがあるので良かった」(tasamiさん)、「今まさに矯正中です! 歯の裏からの矯正なら周りから気づかれずにできます」(こぶたぬきつねさん)など、歯並びの悪さがコンプレックスになっている、大人になってから矯正して自信がもてるようになった、といった意見が多かった。
また、「歯の噛み合わせが悪いと様々な体調不良の要因となると聞いた」(narubiyuiさん)、「噛み合わせが悪いと体にいろいろな悪影響があるという話は良く聞く」(ランディさん)と、噛み合わせと体調の関係に興味をもつ人も多かった。
時間も費用もかかる印象の強い歯列矯正だが、大人になってもやる価値はあるのか? 「トータルな口腔ケアで健康なお口を保つ」をコンセプトにしている、すずしろ歯科の矯正担当医小林先生に伺った。
■「正しい位置でしっかり噛める」、これが一番大事
「歯列矯正を考えるきっかけは、見た目が気になるからという理由がほとんどでしょう。しかし、悪い歯並びを放っておくと、さまざまな良くないことが起こります。一つ目は、食事の効率が悪いとういこと。よく噛めないので胃に負担がかかります。二つ目は、歯の衛生が保ちにくく、虫歯や歯肉炎、歯周病になりやすくなります。三つ目は、肩こりや倦怠感、頭痛などを引き起こす可能性があるということです」(
歯科ハンドピース)
それ以外に、発音や口元・顔の形が悪くなることもあるとのこと。間接的に心理的にも影響を与え、内気になる原因になったりコンプレックスになることもあるということだ。
「歯は、食べ物を噛み砕いて消化しやすくする役割がありますので、正しい位置でしっかり噛めるようにする、これが一番大事なことです」(小林先生)
しかし、骨も歯も完成してしまっている大人にとって、歯の矯正は遅くないのか? 再び小林先生に聞いてみた。
■年齢にかかわらず矯正治療は可能
「早い段階で治療を始めた方が効果を得るのも早くなりますが、たとえ50歳、60歳であっても口の中の骨と歯がしっかりしていれば治療できます。矯正は歯をあご骨の中で動かす治療ですから、どうしても長期間かかります。スピードを早めたりすると、必要以上の負荷がかかって歯や骨、歯肉にダメージを与えてしまいます。ただ、大人だから時間がかかるということはありません」(小林先生)
小林先生によると1カ月に1度位の通院ですすめれば良いということだ。短時間ですませようとすると歯に負担もかかり、歯根を痛めたり、治療後に再度通院が必要なこともあるそう。矯正治療はじっくり行うことが必要ということだ。(
歯科矯正器具)
■装置もライフスタイルに合わせ多種多様
治療をすると決断しても、やはり気になるのがあの装置。見た目もそうだが、痛くないのかも心配なところ。日常生活に支障はないのだろうか。
「もともと自分の体にないものを装着するのですから、違和感があるのは当然です。初めのうちは口内炎ができたり、歯磨きに時間がかかったりします。しかし、1週間もすれば慣れて違和感もなくなってきます。装置の種類も、目立たないクリアータイプや歯の裏側につけるもの、マウスピースタイプなどありますので、ライフスタイルに合わせて選ぶことができます。悩んでいるより先ずは歯科医に相談してください」(小林先生)
受診する際は、矯正歯科学会の認定医の資格があるかどうかを判断基準にすれば良いとのこと。矯正の必要を感じている人は、早めの治療を検討してみては。
● 専門家プロフィール:小林 英範(こばやし ひでのり)
すずしろ歯科 矯正担当医。日本矯正歯科学会認定医、日本顎咬合学会認定医、東京矯正歯科学会所属。
噛み合わせの専門家として、患者さんを家族だと思い、ドクター同士の包括的コミュニケーションをよる質の高い治療を提供することを心がけている。好きな言葉はNever give up。
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